遠いようで近い愛の示し

noteお題

ファーストデートの思い出


私が中学3年生の時だ。

長野からわざわざ茨城へ、車を走らせるご両親と共に、彼は待ち合わせの駅前に来てくれた。

柄付きのシャツに羽織るパーカー、そして少しくたびれたズボン…これが、私の初デートの相手だった。

彼は、一目惚れしたという。何せ、私の見た目が予想以上に可愛かったからだそう。

そりゃあそうだ、だって母親と悩んだ服装、特別な時にしかやらないヘアアイロンをして、準備万端だったのだから。

まあ、そのせいで遅刻もしたのだけれど…


デート先は、ゲームセンターとカラオケだった。当時はカラオケと言ったらそこぐらいしかなく、暇つぶしにゲームセンターへ寄るぐらいしか遊びがなかったのだ。

カラオケで2人きり…少し緊張し、抵抗があった2人は、何となくその空気をお互いに読んで、最初にゲームセンターへと足を運んだ。

リズムゲームばかりが置いてあって、彼が負けてばかりいた。

ただ、楽しかった。とても笑っていた。

ある程度遊び終え、カラオケに向かう。

カラオケは歌うところだ、しかし…遠距離恋愛をしていた私たちには、数少ない密室だった。

今思えば、初デートで良くそこまで機転を効かせたものだと思うが、手を繋いだり、ハグをしたりして、お互いの体温を感じあった。

奥手な私は、ほぼ彼にされるがままであったが、「ほっぺにキスしていい?」と聞かれた時は断った。

まだ、心の準備がそこまで出来ては居なかったから…。

後になってから、笑い話になるのだが。


そんな初デートを迎えた私たちは、それから6年も付き合い、つい今年の1月に別れた。

思えば、学生時代を、彼と共に歩んでいった。

彼が成長出来るように、そしてお互い別々の道を歩むだろうけれど、それもそれで、良いのではないかと今日、私は思いながら、ファーストデートの思い出は終わりにする。

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