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【更新停止中】現代短歌の鑑賞101 を読む

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短歌の詞華集『現代短歌の鑑賞101』を、読んでいきます。 ……ということで書いていたのですが、 「アンソロジーを読んでの評は批判的なことを書きづらい」と気付いて、筆が止まってしま… もっと読む
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記事一覧

『現代短歌の鑑賞101』を読む 第一八回 武川忠一

武川忠一という歌人の短歌は、「気合が入っているな」という印象がある。 『現代短歌の鑑賞1…

中本速
9か月前
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『現代短歌の鑑賞101』を読む 第一七回 浜田到

気が重い。 どうにか『現代短歌の鑑賞101』を読んで感想を書いてきたのだが、どうしても浜…

中本速
9か月前
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『現代短歌の鑑賞101』を読む 第一六回 宮英子

宮英子はこの記事の第八回で鑑賞した宮柊二の妻であり歌人だそうである。 宮柊二が一九八六年…

中本速
9か月前
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『現代短歌の鑑賞101』を読む 第一五回 田谷鋭

田谷鋭の作品三十首は、面白いものがないわけではないが、心を打たれなかった。 罪を犯さなか…

中本速
9か月前

『現代短歌の鑑賞101』を読む 第一四回 森岡貞香

森岡貞香については、予備知識がまったくなく読んだ。 月の光が無臭で、自分の心は牙と牙がか…

中本速
9か月前
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『現代短歌の鑑賞101』を読む 第一三回 岡部桂一郎

岡部桂一郎についてはまったく知識がない。特に意識する事柄なしに短歌を読んだ。 内容に、数…

中本速
9か月前
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『現代短歌の鑑賞101』を読む 第一二回 加藤克巳

加藤克巳という歌人の名を、私は妙な知り方で知っている。 あまり知られていないヘンテコな歌集、佐藤信弘『具体』という本が好きで紹介したことがある。その佐藤の師が加藤克巳である、ということで知っているのだ。 加藤は『現代短歌の鑑賞101』に載っているのだから短歌界で大きな存在なのだろうが、佐藤の師匠としてしか知らず、今回読んだ短歌もおそらく初めて見たように思う。 その短歌には抽象的な言葉も多く使われる。後期の短歌にはリズムが小刻みなものが多く、奇妙な印象を与える。まずは一首、

『現代短歌の鑑賞101』を読む 第一一回 山崎方代

山崎方代はかなり好んで読んでいる。 以前、詩歌の読書会で山崎方代を読む回があり、その際数…

中本速
9か月前

『現代短歌の鑑賞101』を読む 第十回 近藤芳美

近藤芳美は、国語の資料集かなにかで目にしたこの短歌の印象が強い。そして、私のイメージはこ…

中本速
9か月前
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『現代短歌の鑑賞101』を読む 第九回 高安国世

高安国世については、書物でまとまったことを読んだ記憶がない。短歌結社『塔』を創刊したとの…

中本速
9か月前
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『現代短歌の鑑賞101』を読む 第八回 宮柊二

宮柊二の名前はよく聞く。社会詠について調べていた時に、戦場の現場を詠んだ短歌、戦場詠の書…

中本速
9か月前
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『現代短歌の鑑賞101』を読む 第七回 齋藤史

齋藤史は二・二六事件の首謀者の一人と幼馴染だったということである。 短歌からは作者の呼吸…

中本速
9か月前
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『現代短歌の鑑賞101』を読む 第六回 佐藤佐太郎

佐藤佐太郎の項の書き出しが「いうまでもなく佐藤佐太郎は斎藤茂吉の弟子である」と書いてあっ…

中本速
9か月前
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『現代短歌の鑑賞101』を読む 第五回 葛原妙子

葛原妙子は名前はよく知っており、葛原妙子歌集という詞華集も持っているが、まだ読んでいない歌人である。 今回この本で読んでみて、やはり目を引いたのはすでに名の高い作品が多かったが、ほかにこんな一首も気になった。 どことなく危ういのは、ここにはガス室のような処刑のイメージ、しかもぎつしりと詰めていることにより虐殺のイメージが見出されるが、仕事そのものは真っ当であることだ。バナナの殺菌消毒をするのは職業のひとつに違いない。私達はこのような差別的な作品を作る自由を、徐々に失ってい