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心地いい場所~しをんとばなな~

My place.


 自分の読書は、作家さんの性別にこだわることはないのですが、それでも、その感性の向こうに女性を感じたりすることもあります。(これも男の勝手な妄想かもしれませんが....)


 そんな感性を感じさせてくれる作家さんの一人が、三浦しをんさんだったりします。

 しをんさんの「まほろ駅前」シリーズや「舟を編む」も面白いですが、自分が好きなのは、「君はポラリス」という短編集です。

キャプチャ


 ポラリスって北極星のことなんで、自分の世界で中心にある人(モノ?)って意味なのかな....

 この本の中の「冬の一等星」という作品が特にお気に入りで、主人公は、いやなことがあると車の後部座席で眠るくせを持った女性なんです。

 その女性が、なぜ、車の後部座席が落ち着くのかは、読み進めていけばわかるので、ここでは明かせません。

    ただ、読み終えた後に、自分にとって落ち着く場所ってあるんだろうかと考えてしまいました。

 私も、この主人公と同じように、意外と車の中が好きだったりするのですが、、

    ここまで思い入れのある場所になると、ちょっと、思い浮かびません。


 そんなことをモヤモヤと考えていると

    ふと、二十数年前に読んだ、吉本ばななさんの「キッチン」を思い出してしまいました。

キャプチャ2


 実は、この本にも、自分の落ち着く場所のある主人公が登場するのです。

    もちろん、この本の場合、その場所はキッチンなんですが、読み終えてから、今回と同じように、自分にとって落ち着く場所ってあるのかなって考えたことを思い出したのです。

 

 当然、そんな場所は思い浮かばなかったりしたのですが、二十数年たっても同じようなことを考えてる自分て、どうなんでしょうね。

    なんか笑っちゃいます。


 もしかすると、二人の女性が描く作品の中にある「心地いい場所」は、私の感性では見えない場所なのかもしれません。


 まあ、そのうち、自分にも見つかるのかなと思いながら、また二十年ぐらい経ってしまいそうで、怖いです。

    皆さんには「心地のいい場所」がありますか?




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