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独自性は『逆境』と『異文化の融合』から生まれる

今日はいつも聴いているラジオ番組『アレクサンドリア』にて紹介されていたボサノヴァ歌手アストラッド・ジルベルトの世界に触れて自分が感じた事を書き残したいと思います。

まず、アストラッド・ジルベルトを皆さんご存知でしょうか?
私は名前を聞いただけでは、わからなかったのですが、曲を聴いたらすぐに『あっ!スタバで流れてた!』となりました。

アストラッド・ジルベルトと聞いてピンと来ていない方は、ぜひ今のタイミングで『イパネマの娘』を聞いてみてください。


A+BでCを創る

アストラッド・ジルベルトは、当時世界的に有名では無かったブラジルのボサノヴァ音楽を、あえて英語で歌い上げ話題になりました。

更に楽曲自体も、純粋なボサノヴァというよりは、ジャズの要素をふんだんに取り込んだ楽曲に仕上げており、異なる要素の音楽をMIXした事で『イパネマの娘』は米国だけでなく世界的ヒットを記録したそうです。

楽曲自体は今からおよそ60年前の楽曲で、1964年のモノになりますがその独自性から『懐かしくも新しく』感じます。

アストラッド・ジルベルト

ヒットの裏には仕掛け人

このボサノヴァというブラジル音楽を、世界中の人々に愛されるポピュラー音楽にまで昇華させた仕掛け人が、ジャズ界の巨人と言われた『クリード・テイラー』というプロデューサーだったそうです。

そんな敏腕プロデューサーのクリード・テイラー氏は、ジャズの大衆化を図る事に一生懸命でジャズにラテン音楽やロックを融合し、ジャンルの垣根を乗り越えたクロスオーバー音楽を生み出していった功労者の一人と言われています。

クリード・テイラー氏

逆境が名作を生み出す

その背景には、1960年代にジャズが停滞期に入りその状況を打開しようと様々なアーティストやプロデューサーが性質の違う音楽を融合させ新しい作品を生み出そうと切磋琢磨した背景があったそうです。

ピンチはチャンス。
やはり混沌の中で生まれる創作物には、安定から生み出されるモノとは違う『逆境が生み出す見えない力』が混ざっているように感じます。

海から届いた陽気で心地よい風を感じさせてくれるブラジルのボサノヴァ音楽、そこにエレガントで都会的なアメリカンジャズの要素が入り混じる事で、陽気さの中にエレガントさが入り込み、唯一無二の世界観を作り出している事に気付かされます。

アストラッド・ジルベルトのアルバム

批判の対象

最後に、アストラッド・ジルベルトですが、世界的な評価に対してブラジル国内ではあまり評価は高くないそうです。
理由はボサノヴァを英語で歌ったためと言われており、その話を聞いた時にサッカー、アルゼンチン代表のメッシ選手を思い出しました。
彼もまた世界的な評価に対して、若くしてスペインに旅立ち、欧州でずっとプレーしている為、同じようにアルゼンチン国民の中にはメッシ選手を代表として認めないファンがそれなりにいると聞いています。

独自性は融合から生まれる

伝統や文化が根強ければ根強いほど、自分達とは異なった文化を受け入れずらくなる傾向を感じます。
しかし、アストラッド・ジルベルトやプロデューサーのクリード・テイラーのように異なる文化を「クロスオーバー」させる事でしか新たな独自性は生まれずらいのかも知れません。

私も一つの考えや文化に囚われる事なく、時に意図して異文化や異物を受け入れる事を積極的に試みて、ストラッド・ジルベルトのように自分にしか無い個性を磨く努力をしていく必要性を感じました。

追伸

今回ピックアップしたアーティストは、インターFMのラジオ番組Otona no Radio Alexandria(大人のラジオ アレクサンドリア)内のコーナーである”大人のサードプレイス”を聴いた事をキッカケに書き残しています。
私はこの番組の一人のリスナーでファンです。
番組では毎日様々な音楽が流れますので是非試しに聴いてみて下さい。

※以前、アレクサンドリアの魅力についてnoteを書きましたのでリンクを貼らせて頂きます。


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