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20240110「いないいない」

ぼくの隣は空いている
いつも誰か座ってくれると
そう思ってたけれど
誰も座らないから
そもそも無いのだと
そう思うことにしていた
在るには在るのに
無いものとして在って
もう見えないくらいに透明
それでいて
期待するから
そのまま空けておく
いつかの誰かは知らないけれど
きっと在ると思っていれば
その思いは在るのだろう
けれどそれは見えないのだから
あなたもまた無いと言う
それでいてあなたの隣も
きっと空いてるだろうに

寝かしておいた子どもらを
朝だよって声をかけても
返事は帰ってこない
先に眠ってしまったのは
わたしの方
けれども先に起きたのは
わたしの方
何度も呼んで
いつものように
そこに居るのだと思っていたら
そんなことないだろうなんて
思いもしない出来事さえ
当然に在ってしまうから
いつものようになんて
言っていられない
寝ぼけたこと言ってるみたい
子どもらはもう随分遠くへ離れ
そんな些細な形態でも
もう一度、何回だって呼んでいたい

あんたなんか知らないって
何を知ってるのか
人ごとのようだけれども
お互いがそもそも違うから
齟齬は否めない
それでいてひとりではいられないから
寄り添って隣にいなくても
離れてたって
いつも思い出すのは
いつかの声や笑った顔
名前を呼んだらすぐに出てくれるのに
それが本当のことなんて
どっちでもかまわない
呼んでくれたら返事をしておこう
聞こえないふりしもて
わかってるって
かくれんぼの後ろで
しっかり支えてくれるのは
いないいないばあのあわいの話

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