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20231111「遍く巡礼」

既に在って
これからも続くように
少しずつ変わって行き
わたしたちの認識もそうなるだろう
今に在るものさえ
どういう仕組みで
そうなるのかも
わからないけれど
誰かの仕業で上手くなるように
そうなっている
誰かが不思議と思い
工夫して
更に便利さを加える
そして違う意味さえ付与して
刷新される生活のあれこれ
どんな悲しみや嬉しさを
喚起させ
唱える呪文は
どんな雨を降らせるのだろうか

抽象の靄の中を掻い摘んで
出会した示唆を繋げ
あるいは断裁して
浮揚する膜を張る
遠くまで行きたいのなら
天幕を用意して
サバイバルの咆哮を論う
論旨の項目を参照して
組み合わせられる仕組みの精緻
もう肉眼では見ることもできないくらいに
透明な薄膜までも濁りつつ淘汰され
その上澄みを持って
別の項目に塗す
色あせたそれにも
価値が上乗せされ
豊さの幻惑と
囀る呟きで
井戸端の釣瓶を落とす
深さの意味を汲んで息を吹き返す

新しい風を含んで
同じような毎日に
少しずつ変わる風向きを
誰が見続けるのだろう
その旗を目印に
到達することないそれ以外までも露に濡れ
染み込む地面に芽吹く小さな契機
膨らむ期待と寂びる連続
細かな接続で応答の間合いを取り入れ
物ごとの願いを受け取ろう
誰かのそれはわたしたちを豊かにし
受け止められない怒りさえ
わたしたちを奮い立たせる
遍く道程への巡礼
張り巡らせた道々の接続
揺籠から揺籠への旅
わたしも同じように紛れて
真新しい驚きを期待しておこう
新しい世界は既にそこに在る

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