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世界を本当に変えるものは‥‥‥

 この文章は、生徒たち(高校)に向けて、10/26に配信したものを加筆訂正したものです。

 みなさんHRで担任の先生から聞いたと思います。
 先週木曜日、本校の生徒が、畳んだベビーカーを抱えて赤ちゃんも抱っこして階段を上ろうとしていたお母さんを手伝ってくれたという話を、昨日教員の打合せで聞きました。

 たまたまClassiで「ヘルプマーク」や「マタニティマーク」のことに触れましたが、みなさんはそんなマークに関係なく行動しているんですね。失礼しました。みなさんのそういう行動は、何よりも尊い価値ある行動だと思います。嬉しいです。
 本校の在校生が1300人として、みなさんが毎日ちょっとした手助けをどこかですると、1300カ所で、1300人の人たちが笑顔になれます。
 それをたまたま見ていた人が平均2人いたとして、2600人の心が癒されます。
 そして忘れちゃいけない、何より手助けする側のみなさん自身がすでに優しい気持ちになっています。
 毎日少なくとも5000人ぐらいの人たちが笑顔を交わすことになります。5000人しか、なのか、5000人も、なのか。でも5000人という数字は、コロナ感染なら非常事態宣言です。そして1週間で優しさの感染者は累計35000人。その間に無症状の優しさ陽性者がさらに感染を広げてくれるでしょう。
 つい先週の金曜日だったか、何人かの2年生のみなさんの『羅針盤』を見せてもらいました。その時、ある2年生さんの『羅針盤』の一番左上「目標やテーマ」の欄に、「1日1善」と書いてありました。ページをめくるとその翌週の欄には「1日3善」と書いてありました。「一日一善」という標語は、私の知る限り50年以上前からよく言われていました。正直ず〜っと、それが何なの?と思っていました。50年経ってようやく「一日一善」の言葉の意味がわかりました。

 ああっ、もしかすると本当に世界を変えるのは、SDGsとか平和運動とか政治家とか選挙とか思想とかではなく、先週木曜日に幼な子とベビーカーを抱えて階段を上るお母さんにそっと差し延べたみなさんのその、手なのかもしれない。

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