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読書記録【金田一少年の事件簿と幼い頃のぼく】車輪の下

今回紹介するのは、ヘルマン・ヘッセ著『車輪の下』という大名作。
(文末に、僕なりにあらすじも書いておきました)

僕がこの本に出会ったのは、遡ること何十年(笑)金田一少年の事件簿というドラマ。

怪盗紳士(ラベンダー荘)の回。

冒頭で、さくらというキャラクターが教室で読んでいた本。

ほんの僅かなシーンだった。

なんでそんなとこ気になる!?

なんでそんなとこ見てんの!?

という気持ち悪さは、僕も自分に感じているから正常な反応だと思う。笑

ヲタクで特定厨です!って方にとっては、きっと当たり前の感性だろう。

読書が好きでそのドラマが好きだったから、なんか気になってしまったんだろうね。

で、僕はすぐさまその本を探しに本屋さんへ出かけた。

当時、小学生かな?中学生かな?

読書感想文の大定番な本ってことなんて知らないから、普通に本棚を探して。

けど、見つからなくて。

諦めて帰ろうとしたら、店の入口の『読書感想文コーナー』があって。

あ、今年の読書感想文はどの本にしようかな?

って思ってたら、もっと上の学年の推薦図書のコーナーにこの『車輪の下』を発見した。

「あったーーーー!!!」

つい、叫んでしまった。笑

嬉しくて嬉しくて、僕は寝ることも忘れて読みふけった。

難しい漢字や難しい表現が多くて、辞書を片手に読んだんだよね。

どのシーン…とかの記憶は無いんだけど、とにかくすごく胸がギュッてされたり、自分のモヤモヤに言葉を当てはめてくれたり、泣いたり。

この本は僕に、ホントに様々な感情をくれた。

後に違う翻訳者さんの同じ本を読んだけれど、それは全然しっくりこなくて。

あぁ、この本に出会えて良かった。

心底そう思った。

“誰が翻訳するか”ってこんなにも大切なんだなぁってことも感じた瞬間だった。

1度手放してしまっても結局はまた買い直して、今も手元に置いてある。

世間では“何を言うかじゃなくて誰が言うかが大事”なんて言われるけれど、僕のようなタイプの本や作品が好きな人にとって入口は逆だ。

何を書いたか、何を言ったか、どんな作品を作ったか、それでその人に興味を持つし、この人はきっと僕が好きになれる人間なんだろうと思えるんだ。

まぁ、だから世間とはなかなか仲良くなれないんだけど。笑

そんな中でも仲良くしてくれている友人たちがいることは、僕にとってこの上ない幸運だ。

そういう奇跡みたいな幸運で出会った、大切な思い出の一冊がこの本なんだよね。

偶然好きなドラマで出会った一瞬のシーン。

それが僕とこの本をつないでくれたのだから。

Twitterに詩をアップしている身からすれば、今となっては著者のヘルマン・ヘッセは偉大すぎる大先輩でもある。

もしもあなたにもこういう本があれば、コメント欄で教えてくださいね♡


【あらすじ】
昔、この時代この国では学校といえば神学校であった。
教会が全寮制の学校を運営していた、そんな旧い時代に書かれた異国の作品。
主人公の少年は、父と二人暮し。
厳しい保守的な父は、主人公を神学校へと進学させた。
神学校に馴染むことができない葛藤、初恋、彼の思春期らしい心情が深く濃く描かれている。

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