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ディレクショントレーニング7【立ち回り④】

雑談

こんにちは!いぬのパグです。
一ヶ月ぶり?くらい間が空きましたかね、お久しぶりです。

案件が立て込んでいたことで、「情報と思考の整理」がうまくできず…
文字通り「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」という唸り声を静かにあげ天を仰ぎ、そんなことをしてもすらすらと言葉が出てくるわけでもないので「ムムム」とMacに真面目に向き合ってみたり、あっちこっち行ったり来たり…

とまあ、一通り更新できなかった言い訳をしたところで
今回は「クライアントからのオリエンテーションの場における立ち回り」についてお話していきます。


打ち合わせ概要

まずオリエンテーションとは
会社同士が、これから進行していくプロジェクトの概要説明条件の確認交渉擦り合わせをしていく場のことです。有り難いことについ先月、そのオリエンテーションの場に立ち合わせていただく機会がありました。

いろいろなクライアントとの打ち合わせの場に参加させていただいたことは以前に何度もありました。しかしなんと、仕事が決まる前の打ち合わせは初めてだったので、少し緊張気味に参加させていただきました。

そして今回、私がこの打ち合わせに参加させていただいた意図としては、

打ち合わせの現場は場数が必要なので、慣れていってもらいたい

・クライアントからの要望を、自分ならどう受け止めるか・どう質問するかを考えながら参加してもらいたい

・聞き慣れない、きちんと理解していない単語ややりとりがあれば質問してもらって、知識をつけてもらいたい

という上司の考えがあったそうです。

打ち合わせはかなりスピーディかつ滑らかに進行していったので、それを追っていくだけでもとても大変でした。
また、未経験でWeb業界に転職したので、飛び交う横文字(アサイン、フィックス、ローンチなど)を理解するのにもやはり苦労しています…これは本当に大きな課題なので、地道に覚えていきたい…と思っています。
覚えるとめちゃくちゃ便利な言葉ばっかりで、少しびっくりしています。ルー大柴にならないように(懐かしい)適材適所で使っていきたい所存…


打ち合わせは

  • 簡単な自己紹介

から始まり、今回は協業のご依頼だったので

  • 組織構造

  • クライアントの要望

    • 「採用サイト」の制作

    • サイト内における各コンテンツのスケジュール

    • デザインのスケジュール

    • 実装スケジュール

    • 画面数(35ページ程度)

    • コンテンツのボリューム

    • 公開のタイミング(1月に5ページと3月に残りページ、2度)

などをクライアントが端的に説明していきました。
(簡単に紹介できるところだけ詳細を書いています)


上司の言動

オリエンテーションが一通り終わったところで、
上司は「スケジュールがかなりタイトですね〜」という旨をフランクにお伝えしました。実際かなりタイトで、デザインや内容が完全にフィックスしていない状態で実装を始める必要があるほどでした。

そこからは、
1)どの程度で納期に間に合いそうか伝える
 →スプーンの方針・動き方(計画を緻密にして連携し、スムーズに進行していく形)について紹介し、もし現在のスケジュールでいくとすると、完成度に対するリスクを抱えきれないのでどうすれば間に合うか伝える。折り合いがつかない場合は、お断りする可能性を伝える。

2)URLを用いてボリューム感を説明する
「〇〇だと予算内でおさまりそう、××はかなり厳しい」
→納期、スケジュールのお話をするだけでなく、予算感についてもここできちんと擦り合わせをしておく。

ポイント
「うちでは無理です」と完全に否定するのではなく、「デザインについてエンジニアと相談しながら決められるなら、このスケジュールでやっていけそう」、「この点について懸念を感じている」と伝えるなど、譲歩しつつすり合わせをしつつ進めていく。


私の思考

お仕事に対して、真摯に向き合っており、「当たり前を、きっちりと」というスプーンのモットーがあることは十二分に知っているつもりでいましたが、それをしっかりと体現しており、改めて会社であり、クライアントの会社だな〜としみじみしました。

そして、お話を聞いていくうちに2つの質問が浮かびました。
厳密にいうと、打ち合わせ最中はお話についていくのが必死だったので、打ち合わせが終わった後で「ひとり反省会」を開催しました。
書き留めていたメモを見て、言葉を変換してみたり、情報の繋がりを整理してみたり。そこで改めて、「上司のここの立ち回りが面白かったな〜」「ここってどうしてこういう発言になったんだろう?」「私が上司の立場になった時、気をつけることってなんだろう?」と色々浮かんできたので、それを上司に質問しました。

1)どのあたりが特に「厳しそう」と感じたか
2)協業の際の注意点(スケジュールなど)


思考の答え合わせ

すぐに上司が振り返りの場を設けてくれたので、
それらの質問を温かいうちに共有することができました。

1)どのあたりが特に「厳しそう」と感じたか

まず
今回において気をつける点

①ページ数、ページあたりの長さ
②レイアウトが自然かどうか(よく見る感じか、トリッキーな感じか)

「基本的だけど、美しい」はすごいこと。基本的なことはチープになってしまいがち!

感覚的なことにはなりますが、こういったボリューム感は場数を踏んで身についていくものなので、「まずはサイトのボリューム感について知っていこう」と話を進めてくださいました。

演出については、本当にコスト計算が難しく、
単に「色々動いている箇所が多いから大変だよね!」とかではなく、
「この動きって、そもそもめちゃつくるの難しい……」
というところが秘められているので…。

こんなことを言うと元も子もないですが、
見た目からは分かり得ないところがある
というところが実情だったりします。

と上司が話し、その上で判断基準は以下のものがあることを教えていただきました。

●金額(見積もり)

●ユーザーに与える印象

●先進的なのか・従来的なのか

●機能によっているのか・感情に訴える表現なのか

●TOPページだけ見るのか、他ページも総合的に見るのか
(TOPだけではなく、下層ページでこだわっているタイプのサイトも多くある為)

この中でも今回は
金額(見積もり)
→TOPページ、ナビゲーションまわり
に注目して、ボリューム感を考えていきます。


・たのしいキッチン 

一般的、おとなしい【1倍】

<補足>
演出を最低限に抑え、情報閲覧の素早さを優先にしている


・黄木銀座 

一般的であるが、頑張っている【1.5倍】 

<補足>
適度な演出が加えられており、かつ、ところどころにユニークな工夫を凝らしている(四角形の罫線における描かれ方)


・ペンてる 

一般的であるが、頑張っている【1.5倍】

<補足>

適度な演出が加えられており、かつ、ところどころにユニークな工夫を凝らしている(KVのスライダー) 



・三菱ケミカル 

かなり時間がかかる部類【3倍】

<補足>

WebGLを用いて、
JavaScriptやCSSだけでは表現できない魅力的な作り込みがされている

以上と考えられそうです。

今回で言うと、スプーンにご依頼があったのは「実装だけ」ではありますが、「演出」においてはかなり時間がかかるということでした。
「演出」というのは、心やエモーショナルに語りかけるものであるので、より慎重に、かつ丁寧に作り上げていく必要があります。例えば実装において、「レイアウト」を作り込むのが「1」だとするとその2、3倍「演出」には時間がかかります。

演出は大きく2つのパターンに分かれます。

1)ダイナミック(洋画みたいな感じ)
2)繊細で訴える内容が大きい(邦画みたいな感じ)

とイメージするとわかりやすいです。

ギャラリーサイトを見ても様々な「演出」が溢れています。デザイナーやエンジニアは「いかに凝った面白い演出をするか」という部分に純粋に興味があります。

そこで、ディレクターの出番であり、
このプロジェクトにおいてその演出は必要あるか?果たしてないか?」を見定めていくことが必要であるということでした。

今までの私は「ダイナミックな演出をすることこそが正義!!!」という単純脳でいましたが、それは間違っていて、何事も適材適所…◎

「このスケジュール感なら、できる演出は〇〇程度」
「今回はリッチな演出を先方が希望し、スケジュールにも余裕があるので△△程度」
などと、見定めていけるようになったら何より、めちゃくちゃ格好いいなと思いました。きっかけはなんであろうと、そういった単純な憧れが案外大切だったりしますよね。

デザイナーやエンジニアに負担をかけず、何よりその個性を伸ばしていけるアシストをしてこそ優れたディレクター。
いくら優秀なデザイナーやエンジニアがいたとしても、その能力を酷使したり、クライアントの言われるがままデザイナーやエンジニアに依頼するようではディレクターの意味がありません。

アシスト

デザイナーやエンジニアには、いい意味で職人気質と言いますか、真っ直ぐな人が多いので依頼すると素直に引き受けてくださる方ばかりです。

そこでデザインとコーディングの両面が理解できて、デザイナーやエンジニアに依頼する前に、クライアントの希望する情報の取捨選択、無理のないスケジュール管理ができるディレクターがいる。
するとデザイナーやエンジニアが、目の前の作業に集中でき、かつ最大限のパフォーマンスを発揮することができます。


2)協業の際の注意点(スケジュールなど)

ディレクターにとって

スケジュールは一番大切

と上司が仰っていました。
デザイナーやエンジニアに無理を強いるのか、ゆとりを持てるのか。これは確かに今後の仕事観・信頼にも繋がりそうだなと感じました。先ほどの話にも通じる点ですね。

スケジュールにおいて、「社内のメンバーの中で誰だと、どれくらい時間がかかるのか…?」まずは考えて見立てていくことが必要ということでした。

しかし、そのスケジュールというものは、座学ではなく、経験値で積み上げられていくものであるので、上司も今までメンバーみんなにプロジェクトごとに、かかった時間を聞き回るということをしてきたそうです。
そのため、プロジェクトに初参加する段階で「デザイナーやエンジニアに作業にかかった時間を聞いておくと良いよ」ということは教えていただいておりましたが、今回その理由が掴めた感じがしました。

Web業界は、「仕入れ」というものがないので、時間を買うという認識になってきます。作業にかかった時間が短いほど、そのまま利益率が高いということになります。

見積もりなどの見立てもスケジュールと付随して、ディレクターにとって大切で、外部に依頼することも増えてくるので徐々に身につけていきたいものの一つです。

「プロジェクトに関してお金、予算について知っておくと自由度が高くなる(利益について)ので楽しいよ〜」

と上司が笑顔で仰っていたので、お金のことに関しては苦手意識がありましたが、少し夢が膨らみました!

今までは
スケジュールを把握したり、ボリュームを理解したりといったことばかりに目を向けていましたが、確かに予算のことについても考えられるようになることで

「こんなプロジェクトを、こんなメンバーとしたい!」
となった時に、
「今これだけの余裕・スケジュールがあるから、こんな感じで進められるかも…!」
と想像して、その先の
「予算もこれだけあるから実現が可能そう…!」

と根拠を持って動くことができます。それはやはり、最も大切なお金、予算を含めた全てのサイクルを理解できてこそだなと思いました。

お金、予算については、一番大切だと分かっているからこそ責任も大きく不安を感じていましたが、
焦らず丁寧に理解していくことで、その責任ごと、能動的に背負えるようになればいいなと思いました。ゆっくり地道に進んでいくぞ…!

自由!

また、
お話をしていくうちに、今回協業する方が上司と同い年の方で、上司が東京に住んでいた頃は一緒に飲みに行ったりしていた仲の方であるということを知りました。

そこから話が広がり、Web業界の中でも特に「同い年の人たち」は貴重で大切な存在になっていくので「積極的に情報交換ができるイベント系に参加したり、思い切って直接メールをしてみるなど能動的に動くといい」ということを教えていただきました。

お互いの成果や過程を共有して、大変さや喜びを分かち合い、時にはライバルとして高め合える存在」ってやはり貴重ですよね。

私は今、同期がいないので、そういった存在を作れるように自分から働きかけをしていかなきゃだな〜と思いました。とはいえハードルが高いように今は感じているので、Twitterを始めて「Web業界にはこんな人たちがいるんだな〜」と地道に知っていくことから始めようかなと計画中です。

新しく人と知り合ったり、関係を築いていくことって社会に出てからはかなり億劫になってしまっていましたが、純粋な興味に突き動かされて行動してみるっていうのは面白そうです。タイミングも大事ですからね〜!


最後に

今回は
「クライアントとのオリエンテーションの場における立ち回り」についてお話してきました。久しぶりにきちんと向き合ってみたら、たくさん言葉が浮かんできて、頭の中も整理され、改めてnoteでのアウトプットの大切さを感じました。

自分なりに、自分のペースでしっかりと、学んだことを学びっぱなしにせず、きちんと自分のものにしていくようにしたいです。

次回は、ディレクターとしての物事の向き合い方・姿勢!についてお話していけたらいいな〜と思っております。

乞うご期待!?


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