らいぶらり庵

オーケストラライブラリアンという楽譜に関する仕事をしています

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最近の記事

自動車保険の弁護士特約をつけておいて本当に良かったという話

 先日のとある朝コインパーキングに駐車して、まだ予定まで時間があったので、そのまま車内でパンをのんびりと食べていた時のことです。すぐに私の駐車した左隣の空きスペースに駐車しようと別の車が入ってきました。一回で上手くいかなかったのかハンドルを切り直した次の瞬間、どんどん私の車に近づいてきてドンという音とともに横から衝突....私の車の助手席ドアと左後部座席ドアのちょうど間に相手車の左前方タイヤがしっかりとぶつかっていました。  ぶつかってきた車からは若い男性が降りてきて、申し

    • IMSLPにアップロードされて無い楽譜が見たい時に重宝するnkoda

      著作権の切れた楽譜PDFが大量にアップロードされているサイト imslp.org は、以前だと「そんなすごいサイトがあるんですか!」と結構驚かれたものですが、最近は演奏家の間でも知名度が上がったようで、みなさん使いこなしているようです。タブレット端末で楽譜を見ている方はimslpアプリを入れておけばダウンロードした楽譜の管理まで簡単にできてしまいます。 ただIMSLPだと、著作権が切れていない楽曲はアップロードされていないので、IMSLPにない曲の楽譜はどうしたら見れますか

      • 表紙は同じでも中身は?リプリント版の原版について

        ビゼーのオペラ「カルメン」をオーケストラだけで演奏できるようにした組曲版という有名なものがありますが、第1組曲・第2組曲が出版されています。多くのオーケストラはKalmusのものを買って昔から使っているのですが、ある時指揮者からこんな指摘がありました。第2組曲に入ってるハバネラについて。「私の持ってるスコアにはトランペットパートは休みになっているのにパート譜には音が書いてある」 そこで私はオケが持っているスコアで確認したところトランペットパートに音が書いてあります。つまり指

        • Co2センサーで換気の必要性を測定してみる<その3,浴室編>

          家の浴室には24時間換気扇がついているのですが、私の住む北海道の冬はとても寒いので換気扇をつけたまま入浴すると空気も冷たいし、浴槽に貯めたお湯もすぐぬるくなってくるので、入浴の際に換気扇を切った状態で入ることが多いです。その状態ではどの程度Co2濃度が変化するのか測定してみました。 浴室は一般的な家庭サイズのものですが、寒冷地住宅仕様なので暖気が漏れないように気密性は温暖の地域のものより高いと思われます。浴室の中にセンサーとスマホを持ち込むのは機器の故障のリスクがありそうな

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          Co2センサーで換気の必要性を測定してみる<その2,車内編>

          先日、札幌の会社でのクラスター発生の原因として窓を開けずに移動した車内での集団感染が報道されていました。 車で複数人が同乗して移動なんて場面は、仕事でもプライベートでも良くあることかと思われますので、車内のCo2 濃度を測定することで換気状態を調べてみました。 車はコンパクトカーで3名が乗車、ほとんどの時間は会話も少なく通常の呼気です。 まずは乗車時から外気導入モードで15分ほど走りました。窓は閉めています。送風量は4段階中最も弱い風量です。結果はずっと600ppm台を

          Co2センサーで換気の必要性を測定してみる<その2,車内編>

          Co2センサーで換気の必要性を測定してみる<その1,家の中編>

          先日、アメリカ疾病対策センター(CDC)が新型コロナウイルスの空気感染の可能性を認める見解を出しました。 記事には「小さな飛沫によって発生するウイルスの粒子は空中にとどまって、6フィート以上離れた相手も感染させる可能性がある。新型コロナウイルスの保持者が、換気が悪い閉ざされた空間で、例えば歌や運動など大きな呼吸を伴う活動をした場合、近くにいなかった人にもウイルスを感染させることがあり、たとえウイルス保持者がその空間を去った後であっても、他人が感染する可能性がある。」とあり、

          Co2センサーで換気の必要性を測定してみる<その1,家の中編>

          小節番号ズレズレ事件~チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」

          チャイコフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」という有名な曲がありますが、この曲のスコアには大きなミスプリントがあります。 Kalmus(とEulenburg)のスコアの小節番号、10小節毎に印刷されていますが、90小節までの位置は合っています。ところが100の位置が本来あるべき箇所より1小節後に印刷されて・・・なんとその後は最後までずっと1小節ずれたまま印刷されています。 パート譜はどうなっているかというと、 そもそも小節番号が入っていません。そこでライブラリアン

          小節番号ズレズレ事件~チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」

          リプリント版の楽譜とEdition ZEZA (Sheet Music X)について

          著作権がフリーになっていない作品は、オーケストラのパート譜はレンタルになっていることが多く、その場合は権利を持っている出版社などから公演1回あたりいくら支払うという形でレンタルし許諾を得て演奏するという形式が多いです。値段は曲の長さによって決まることが多いのですが、長い曲の場合は本番1回で20万円を超すこともあり、結構な出費です。 著作権がフリーになると、オリジナルと違う出版社からリプリント版と呼ばれるオリジナルと同じ楽譜が出版され始めることがあります。原出版社の楽譜は著作

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          オーケストラライブラリアンや楽譜浄書に関する仕事や取材について

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          オーケストラライブラリアンや楽譜浄書に関する仕事や取材について

          らいぶらり庵のプロフィール

          #自己紹介 北海道生まれ。練習場の食堂が最高だった読売日本交響楽団ライブラリーのアルバイトを経て、1997年より東京フィルハーモニー交響楽団ライブラリアン。2002年より小澤征爾音楽塾、サイトウキネンフェスティバル、東京のオペラの森、紀尾井シンフォニエッタ東京、宮崎国際音楽祭のライブラリアン。楽譜浄書屋として主にすぎやまこういち作品の楽譜作成を手掛ける。 メディア ・北海道新聞2017年6月23日朝刊掲載「ささえ人」 ・札幌人図鑑第694回(2014年4月25日) 

          らいぶらり庵のプロフィール

          恐怖の「ワルツ・スケルツォ」

          "オーケストラのパート譜とソロの楽譜が全然違う!?" オーケストラライブラリアンにとって、楽譜のトラブルはできるだけ避けたいものですが、以前チャイコフスキー作曲「ワルツ・スケルツォ」というヴァイオリンソロとオーケストラのための曲を以前やったときとんでもない落とし穴がありました。 この曲をやることが決まった時に手元に楽譜を持っていなかったので、新たにオーケストラのフルスコアとパート譜を購入し、手元に届いたフルスコアを片手に、パールマンの録音を聴きながらスコアを眺めていたとこ

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