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朝遅くのコーヒーとパン

お家でご家族の介護を
されている方の中には、

自分の事は後回しになる、
後回しにならざるを得ない、
家族優先。自分は後回しでいい、

そんな方がいらっしゃいます。

神経難病のご主人を
介護されている
70歳代のBさんもその1人でした。

24時間訪問介護が入るようになり、
リハビリに伺うと、
ヘルパーさんが必ずいて下さる状況。
奥さんは、そんな状況でも、
いつもご主人を第一にされていました。

自分の事は、後からで大丈夫と。

リハビリが始まってからしばらくして
「ちょっとごめん。今から朝ごはんします。」
とコーヒーとパン、新聞を読まれていました。

他には、こんな事もありました。

「この間、大丸で北海道展やってて、
お父さんにこれええやろと思って買うてきた。」
そう言って、美味しそうなものを探して
こられるのもお得意でした。

奥さんはお料理が上手で、大好きだから、
よく私に「お子たちには、こんなんええよ。」と
美味しいレシピを教えて下さったりもしました。 

教えてもらった「簡単春巻き」は、
気負う必要なく、身近な材料で、
パッと作れていいなぁと思っています。

そして、段々聞かれるようになったのが、
「1人分作るのがなんだかおっくうなってきて。
ほら。買うてきた方が早いし。
ほら。私もそんなに量も取れへんように
なってきてるしなぁ。」という言葉。

「そうなんですね。」とお伝えし、
「あぁ、そうなんだなぁ。」と思いました。

私は、料理は得意ではありませんが、
作ったり食べたりするのは好きです。
料理を囲んで、話をしたりするのも。

私は、半年ほど前から、
家でスープを作ったり、
最近ではマグカップ一つで作る料理も
あれこれ試しています。

何かを思い立ったというよりは、
何となくはじめました。

振り返ってみると、
私はBさん家族はもちろんの事、
今まで出会ってきた方々、
幼少期やふるさとで過ごした事、
そんな事を思いながら毎日作っていました。

お家の暮らしというのは、
自分の生活を一つ取ってみても、
華々しいことよりは、
地道な事の連続だったりもします。

前を向けない日だってあると思います。

でも、そんな中で
「あぁこれは嬉しい。」とか
「あぁこれは楽しい。」みたいな
小さくてもちょっぴりキラっと光る
欠片のような存在に私はなりたい。

暮らしの中に、クスッと笑える
面白いことが共有できたり、
毎日頑張ってガチガチな身体の力が
ふっと抜けるような存在に私はなりたい。

そんな風に思っています。

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