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「聖闘士星矢the beginning」で燃えろ!

こんにちは、雲州鳩です。賛否両論の嵐が吹き荒れている「聖闘士星矢the beginning」、二回目の吹き替え版を観てきたので感想をあげようと思います!


「君は、小宇宙を感じたことがあるか!?」


まあ〜、告知された瞬間からクソミソに批判されてましたね!(笑)私は聖衣のデザインと新田真剣佑くんのビジュアルを見た瞬間から「これ、私はイケる!!」って確信があったんですよ。



自分でも大きな謎なんですが、連載初回から30年間熱烈なファンをやってきた「slam dunk」の焼き直しアニメは、全く響かなかったワタクシなんですけど、このハリウッド版は告知からして「あ、これハマるな」ってとても自覚が強くて。



星矢が、闇闘技場で、無敗の噛ませ犬やらされてる設定も好き。


「小宇宙とは、聖闘士とは何か」を追求!


この映画はまず、「聖闘士星矢」という壮大なサーガにおいて全ての根源てされる「小宇宙(コスモ)」とはなんぞや?という設定を、実に深く繊細に追求した物語なんですね。

ここで、原作者である車田正美先生の説明から参りましょう。

「人間には五感が存在し、また別に第六感なるフィーリング的な感覚があると言われている。そしてその更なる上に『第七感、セブンセンシズ』と呼ばれる超感覚を持つ人々、それが聖闘士」

「聖闘士星矢連載35周年記念in秋葉原」展示会、等身大の射手座黄金聖衣!!


人間の歴史において、神々の戦いが勃発する暗黒の時代発生の前に、現代に「知恵と戦いの女神アテナ」が降臨するとされています。神々は人間の赤ん坊を依代として受肉し、それぞれ成長するに従って神としての人格に覚醒する。

ギリシャの処女女神アテナが、その言い伝え通りに赤ん坊として現代の地上へ降臨。本来はそのまま聖域(サンクチュアリ)に君臨して、彼女を守護する聖闘士と呼ばれる少年少女に守られ、大人になるはずでした。


等身大の悩める少女シエナ、彼女と星矢の孤独が共鳴している描写も良かった!


ところが、射手座の黄金聖闘士であるアイオロスが幼いアテナを奪って逃走。追っ手になった山羊座のシュラと戦闘状態になり、地上に落下して絶命してしまう。

偶然ギリシャを訪問していた大富豪、アルマン城戸は、彼の腕の中で微笑む赤子を保護。妻のグラードと共に彼女を育てていたが、彼女に抱かれ眠っていたアテナ、人間名シエナは神としての力を暴発させて母親の両腕を吹き飛ばしてしまう。

この事件で夫婦の間に「女神として成長した娘が、やがて世界を滅亡させるのでは」という徹底的な亀裂が発生。娘を殺害しようとする妻から、城戸はシエナをその魔手から隠すべく、孤島の要塞に彼女を幽閉。文武両道の優秀なアシスタントであるマイロックと、数人のボディガードでシエナを守りながら数年が経過していく。



一方、主人公の少年星矢は、貧しい生活の中でも姉パトリシアに武闘の訓練を受けつつ優しさに包まれて成長していた。しかしグラードの強襲を受けて、姉は連れ去られてしまう。彼女との再会を願いつつ、日々の衣食住の為に闇闘技場で「噛ませ犬」として生きる星矢。

そんな彼の前に「アルマン・城戸」と名乗る謎の富豪が登場。同時に現れたメカニカルな戦士達に襲われながらも、アルマンの助手で有能なボディガードであるマイロックの二人に、星矢は気絶させられ南海の広大な邸宅へ。

そこで、「女神アテナの生まれ変わり」とされるシエナと出会い、最初は当然ながら全く信じない星矢だったが、彼女の神としての力の暴発を垣間見て真実を突きつけられる事に。


この魔鈴さんのコスチュームと佇まいがまた、アニメ版そのものなんですよ。


アテナを守護する「ペガサスの聖闘士」になるべく、自らの宿命を問われた星矢は、修行するべく白銀聖闘士「マリン」の元に派遣される。

ここで、はにかんで旅立つ星矢にお弁当を渡すお嬢さんがめっちゃ可愛いし、普通に「サンキュー」と照れる星矢がもう普通に微笑ましく。スーパー執事のマイロックが「女神に彼氏はいらない」と、釘を刺すシーンも。



「自分は聖闘士になりたいのではなく、姉を探したいのだ」と訴える彼に、「聖闘士になる目的や使命を、過去への執着と混同するな」と一喝されて、マリンから体内の小宇宙を燃焼させる修行を受けることになる星矢。


「小宇宙とは、元素物質を操る力」!


これ、私も長い間忘れていたんですけど、聖闘士として小宇宙(コスモ)を操るというのは、物質を破壊するだけでなく再生も可能にする能力なんですよね。
ラストまで見ると理解できるんですが、「絶対に元に戻れなかったはずの物体」を、実際に女神は完璧に修復している!

マリンさんが星矢にまず、一度破壊した大岩を元の形に戻す技を見せるんですよ。そこで私もハッと思い出して。

「そうだ、聖闘士ってただの破壊者じゃなかった!」


私の守護星座「水瓶座アクエリアス」の黄金聖衣!!


 35年間、星矢と沙織ファンを続けた身として。


鑑賞の二回目、磯部勉ナレ冒頭でアイオロスが沙織さんを抱き絶命してる場面でやっぱり熱く込み上げてくる物が止まらなくて。

アイオロスがどんだけどれほど!!アテナを守りきれずに心残りだったか、弟のアイオリアのことも心配してたかと考えると!

でも誰かが必ず自分の代わりにアテナを護ってくれると信じて、託して亡くなったと思うんですよ。そしてやはり、同じく翼を持つ青年が、彼女の隣に立ってくれた。


この映画は「小宇宙というものは何か」「それを体得するにはどうすべきか」「聖闘士としての使命を全うする事と、過去に執着する事は別問題」という人類進化のプロセスを丁寧に描ききっていました。

だからこそ、「聖闘士星矢」が漫画やアニメでひたすら連発していた戦いやアクションを期待していた古参には物足らなかったんでしょうねえ。

私のように、ひたすら35年間、星矢と沙織さんの純愛だけを追い続けたファンとは全く視点や期待感が違う。



神々の親子愛憎劇を背景に語る。



そしてまた、このストーリーはギリシャ神話の神々が背負う「夫婦と血族の呪い」をも描写しきっていたと思います。

アルマン城戸がアテナの父ゼウスなら、グラードは妻の女神ヘカテ。常に夫婦神は諍いを起こしていた。

母は引き取った娘が世界を滅ぼすと思い込んでいたけど、原作の城戸沙織の幼少期性格破綻を考えれば、アテナの器と普通の少女の人格が融合するのに、ペガサスの魂との触れ合いが不可欠だったのだろうと私は考えています。

個人的には、アテナの幼少期に絶対不可欠だっただろう、黄金聖闘士との触れ合いや、聖域での成長期が無かったから。

そのせいで女神の受肉が上手くいかず、母親の腕を吹っ飛ばす暴走になったのでは。そして女神自身も自分の力に不信感があるので、どこかで「自分に何かあっても仕方ない」という諦めも沈殿していた。




唯一の、同世代の理解者。


だけど実写版の星矢が「頑張ってるじゃん」「ボス、次はどうする?」と彼女の不安や絶望をただ一人、同世代で認めてくれたから。アテナに従う翼になってくれたから、彼女は女神としての自分を受け入れて、母親の腕を再生できたんでしょう。




これから星矢とお嬢さんとマイロックの三人の旅が始まるんだけど、アテナ・シエナにとって天馬座の星矢はまさに、「刀剣乱舞」の初期刀だったわけです。

ただ一振りのみ自分で選べる刀、星矢。


だからこれから見つける聖闘士の仲間は、アテナ本丸の刀ということになる。総振りで100を越す聖闘士が、この地球上に存在している。彼らを屈服させてサーヴァント化させていくのがこれからの物語。


このデザイン、めちゃくちゃ好き!!!


「聖闘士星矢」のアニメって、リメイクを含めて色々あるんですよ。富豪の孫をやりつつ女子高生な沙織さんとか、沙織さんより幼い星矢版とか。だから私はこの「the beginning」も、その多々ある星矢世界の一つだと考えています。

しかしながら、日本での興行収入は如何ともしがたく。本来なら六章作られるはずな映画も果たしてどうなるか全くわかりません。

ただ一つだけ確信しているのは、やっぱり私は「聖闘士星矢」の世界観とそれから、星矢とお嬢様のプラトニックな究極純愛が大人になってもずっと大好きだし、この映画でそれを再確認させられました。



マーク・ダカスコスが最高にカッコいい!


誰もが感想に書いている通り、スーパーアシスタントのマイロックこと、マーク・ダカスコスが最高にカッコいい!!
私が彼を最初に見たのは、父と深夜の放送を鑑賞した「ジュヴォーダンの獣」!!あれはBlu-ray Discになったら必ず買う!!




「ハワイファイブオー」では、強敵ウォーハットとして、数年に渡り出演。


還暦間近なんですが、年齢を全く感じさせない美しく力強い武闘!! 素晴らしい!!




星矢と沙織さん、時空を超えた絆!


星矢のお嬢さんへの気持ちって昔のアニメからずっと、見返りを求めてないんですよね。「ただ、必要としてくれたらいい」という、まるで「ガンダムUC」のバナージが、ミネバ姫の孤独を支えようとするのと同じ。

海辺で二人、語り合う場面にそれを痛感させられたなあ。そう、あとはロケ地の風景がとにかく美しい!! 地中海の周辺なのかな?

まるで自分がこれから作り出そうとしている創作に、子供の時に自分が愛していた光を注ぎ込む作業をこれからしなけれないけないと、昔の星矢と沙織さんに囁かれた気がします。




7年前に購入した沙織さんのフィギュア!美しい!!!


かなり、アニメよりシェイプされた感じ。

実は、原作もかなり時代改変。



今回の映画について、「星矢らしさが無い」とか「アテナがラスボスなんてあり得ない」という意見も多いんだけど、実は原作版も時代変化に合わせて色々、変えられているんですよ。



「LOST CANVAS」、Blu-rayにて持ってます。面白い!


実際に私も原作の後半や、声優が一新されたアニメ版はほとんど見ていません。私の中で最高峰は、アニメ映画の「真紅の少年伝説」だから。これを超えられるアニメは無かったし、ハリウッド版とは異世界の物語と受け取っています。



圧巻!!黄金聖闘士全員結集!!!


ハリウッド版の続編が作られるかわからないけど、これをきっかけに欧米やアジアの若い世代が「聖闘士星矢」をもう一度、見返してくれたら良いな。私も中学二年生でこの作品と出会って、貪るようにギリシャ神話を勉強して、安彦良和の「アリオン」にて、ほぼ完璧に好きな神話部分を誦じられるようになったので。




い、一応「聖闘士星矢the beginning」も、東映アニメーションブランドとして、製作されてるんだよ!!



アテナの聖衣を纏った沙織さんと、射手座黄金聖衣を着た星矢!


ちなみに、古谷徹星矢アニメ映画の最後を飾った「終章」では、神々と戦う星矢も沙織さんも全裸なんですよ。私は長年あのラストに関しては、聖衣は童貞の聖闘士と処女アテナの血液で作られているから、聖闘士とは戦えるけど神々の前では砂塵に化してしまうんじゃなかろうかと。

そこで、地球や人類の為に犠牲になろうとする沙織さんに対して、語る言葉が全てだったな……。


美しい、姫野美智原画の沙織さん。


「俺はあんたが女神だから守るんじゃない。沙織さん、あんただから守りたいんだ」

ハリウッド版の星矢にも、まさにこの言葉が秘められていて、だから私は受け止め切れたんだと思います。

アニメ映画だと、地球を救う為に神々を殺したアテナと星矢は記憶を抹消されて、別世界に転生させられるんだけど、そこでもまた二人は巡り会えるんですよ。多分、何千何百年の時空を超越して。

だから、「the beginning」もきっと、前世で引き離された星矢と沙織さんが新しい宇宙と地球で再会できたストーリーなんだと、私は信じたいですね。




アテナの聖衣、持ってます。開封してないけど。




当時、革新的だった英語のテーマソング!↑歌える!!





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