第3回「MEATS Cafe」レポート〜『Society 5.0』で学びのあり方はどう変わるのか?〜

今月9日、株式会社mistletoeさんの8Fイベント会場をお借りして開催した「MEATS Cafe」。第3回目の昨日は24名の方にご参加頂きました。デモンストレーションやディスカッションをふまえて、あっという間の3時間半。その内容をまとめておきます。

○『MEATS Cafe』ってなに?

MEATS Cafeは、人工知能時代を生き抜くために私たち大人に何が必要なのか、子ども達にどんな教育をしてあげられるのか、興味関心を抱く者同士が集って、ドリンクとお菓子を手にCafeのような自由な雰囲気で情報交換をしていく場として毎月開催しています。

毎回テーマを設定し、それに関する情報をシェアしつつ、その場での新しい話題提供やハンズオンの活動なども柔軟に行っています。 次回は7月7日 17:00〜、前回と同じ会場で開催予定です。ぜひご参加ください。

子連れだと、子どもが言うこと聞かなくて心配だな〜と思っている親御さん、心配はいりません!子どもは言うことは聞かない生き物です。本人の意思で自由で良いです。プレゼンに乱入してきても、ノープロブレムです^^

○『MEATS Cafe』の由来

第2回までは『STEAMカフェ』という名前で行っていましたが、今回から『MEATS Cafe』に変更しました。

そこにはこんな思いがあります。
・日本では「STEM」という言葉だけがある種のムーブメントのように広がりつつあります。それにあやかったビジネスは数多く出てきているものの、本質的な教育は大して変わっていない現状。一度「STEM」や「STEAM」という言葉は捨てて、新しい気持ちで本質的な教育を変える取り組みをしていきたい。
・草食系ではなく、肉食系(MEATS:肉)で世の中を変えていきたい。
・「ミーツ」という読みには「meet」という隠語を含んでいます。このイベントでの新しい人、こと、モノとの”出会い”を大切にしていきたい。

○ロボットと未来研究会 / 研究発表会の様子

野村教授が代表を務めるSTEM教育研究センターでは、毎週土日にSTEM教育についての実践・研究の場として『ロボットと未来研究会』を実施しています。初心者向けの「入門コース」や継続の研究員向けの「研究コース」があり、定期的に研究発表会も開催されています。

研究発表会では「こどももおとなもみんな研究者」と題して子供も大人も同じように、自分自身で考えた教育発表を行います。その時の様子を野村教授からシェア頂きました。

一番最年少は、年中さん。緊張しつつも堂々と発表していました。実際に現役教師を迎え、学校ではどんなプログラミング教育を実施しているのかといった、現場の”ナウ”を知るプレゼンテーションも。

その他にもSTEM教育研究センターでは、様々な取り組みが行われていますので、ぜひHPをcheckしてみてください。今年の夏の国際STEM CAMPはインドに行くそうですよ〜!

○『Society 5.0』で学びのあり方はどう変わるのか?

そもそも、『Society 5.0』ってなんぞや?っていう話ですよね(笑)。わたしも少し前に知ったばかりです。「Society 1.0」からあるらしいですよ。

「Society5.0」は、狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において日本が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱されました。

「Society5.0」を構成する重要な要素は「IoT(Internet of Things)」と「人工知能(AI)」です。内閣府によれば、「Society 5.0」社会では、IoTで全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出したり、人工知能(AI)により、必要な情報が必要な時に提供され、ロボットや自動走行車などの技術で、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの課題が克服されるとのこと。

情報社会には変わりないけど、生活のあらゆる面にIoTが入り込んできて、情報の世界とリアルな世界が近くなってくるってイメージですね。

さらに、これまでの情報社会では、人がサイバー空間に存在するクラウドサービス(データベース)にインターネットを経由してアクセスして、情報やデータを入手し、分析を行っていたのが、Society 5.0では、サイバー空間に集積されたビッグデータを人工知能(AI)が解析し、その解析結果をフィジカル空間の人間に様々な形でフィードバックしてくれるようになります。

となると、ビッグデータを踏まえたAIやロボットが今まで人間が行っていた作業や調整を代行・支援してくれるから、日々の煩雑で不得手な作業などから解放され、誰もが快適で活力に満ちた質の高い生活を送ることができるようになる、と内閣府は考えているようです。

そして今月5日、昨年11月から林大臣の下で議論をすすめていた、『Society 5.0』に向けた人材育成の概要がまとめられたそうです。その内容がこちら。

この内容をふまえて、参加者のみなさんとディスカッションを行いました。
(以下、ディスカッション内容からいくつか抜粋です。)

 内閣府が「はい、今後はこうして行きましょう!」と出したからといって、実際の現場の教員の意識や子ども達への指導内容がすぐに変わるとは思えないよね。いつ頃になるのかな…。

ー だいぶかかるだろうね。総合学習を例に挙げると、やっぱり最初の数年は現場も手探りだし、 総合学習で本来子ども達に身につけてほしい力を伸ばすためのサポートが上手にできるようになるまでに20年近くかかっているからね。

ー そもそも『Society 5.0』に向けた人材育成とか、なにか新しいことを現場に取り入れるにあたって、子ども達を指導する先生方の勉強会はないの?

ー 教員免許の更新制度が取り入れられて、その講習はあるけど、それがどこまで有効なのかは…。教育の新しい動向を学んだり、例えば2020年の学習指導要領に組み込まれたプログラミング的思考のことについてもやったりするけど、たった1日の講習でどこまでその本質が理解できるかっていうと疑わしいよね。

ー 他の国はどうなんですかねー?

ー アメリカなんかは、先生自身が学ぶことに必死だよ。自分ができる魅力的な授業がないと首をどんどん切られちゃうからね。子ども達が夏休みや春休みに入ったら、先生は自らが学ぶために大学に行って、新しい授業のヒントを得てくる。そして、次の学期は子ども達に、こんな授業をするから僕に教えさせてください!ってプレゼンをして、授業をする機会(仕事)を得る。日本みたいに、休み明け自動的にまた自分がクラスを持てるわけじゃない。

ー 先生がそれだけ必死なら、時代に合った質の高い授業が維持されそう。

諸外国に比べて、日本の教育って遅れているんですかね?STEM教育とか。

ー 遅れをとっているとは、わたし自身(野村教授)は思ってませんよ。諸外国でも、これからSTEM的教育を行っていこうと考えている国はたくさんありますし、そういった国は、既に日本が行っている総合的な学習のようなものをまず取り入れたいと準備をしていたりします。でもタイなんかは、既に必須科目が小学校の時点で13もあって、そこにさらに新しい授業なんて…と、なかなか進まない国はたくさんありますね。

ー これからの時代、必須科目っていうのも、ちょっとね。プログラミングだって、みんなに必要かっていうと…???だしね。

ー これからは、仕事に結びつくことを学んでいるかどうかが重要になってくるよね。知っているというだけでは、仕事にならない。それならグーグル先生がいれば十分だからね(笑)。知っていることを使って何ができるかを考えられなくちゃ仕事もないね。

ー 自分の考えを持っている、かつ、人に説明できることがすごく大切。2020年の学習指導要領が変わってきているけど、入試内容の改革もはじまっているよね。2024〜大学の共通テストで「情報」を出題科目に追加すると言われているし、2次試験を全部筆記にという動きもある。自分の考えを理路整然と説明できるかどうかが試される。

ー 改革の前後で浪人する学生は、まるっきり勉強することが変わっちゃうね。やべ〜な!(笑)

外国と日本の教育の大きな違いって、どういったところにありますか?

ー 決定的に違うのは、出来る子を伸ばす外国に対して、底辺を底上げする日本、というところかな。諸外国は出来る子にしかお金をかけない。出来ない子は、自分で頑張ってね〜という感じ。でも日本は違う。だから学力の平均は高い日本だけど、トップ層の子からしたら、なにか物足りなさを感じている実態もあるだろうね。日本は飛び級もないし。

ー わたしの国(中国)も、出来る子に焦点を合わせてる。だから授業についていけないとか、苦手科目があるとなれば、自分で家庭教師を雇って、とにかく自力で授業に追いつく対策をするしかない。わたしも科目別で家庭教師を雇っていたよ。親と一緒にいい先生を探して、個別で教えてもらいたいってお願いする場合が多い。

ー 日本の場合、教育は学校にお任せみたいなところがあるから、親もそこまで熱心じゃないね。このままの日本の教育だと、そこそこ出来る人がいっぱい育つのかな。

ー 今後の世界でそこそこ出来る人=人工知能と一緒に仕事ができる人になっていくよね。そうなると最低限やっぱり、人工知能のことは理解しておかないといけないよね。

Society 5.0において求められる人材像のところに、価値を見つけ生み出す感性と力、好奇心・探求力が共通に必要と書かれていたけど、それって今の学校に合わずにはみ出している人こそ、当てはまるんじゃないかなー。

ー 言えてるw でも日本は学校からはみ出す人の受け皿がないよね。

ー でも、このままの学校だと、そのうち「え?まだ学校なんて行ってるの?」という時代がくるかもね。笑

(ディスカッション終了)

○新プログラミング教材「proro」を体験!!

富士ソフトさんから発売予定(2018年6月予定)の新プログラミング教材「proro」のデモンストレーションと体験会を行って頂きました!イベントに参加してくれていた子ども達も興味津々。

富士ソフトさんは、毎年ロボット相撲の大会を開催していることでご存知の方もいるかと思います。この黒いボード、土俵ですね!

「proro」の詳細やご購入のご予約はこちらのHPからご覧ください。アプリとロボットがセットになって9800円+税だそうです。

○PLTSc for Kidsプロジェクトの活動について

わたしが進めている『PLTSc for Kidsプロジェクト』についてもお話させていただきました。はじめたきっかけや、PLTSサイクルの考え方については、こちらのブログをお読み頂ければと思います。

今後プロジェクトでは主に「P」と「S」をサポートするイベントを企画運営していく予定です。というのも、学ぶ場「L」と試す場「T」に関しては、子ども(個人)でも、割と手が届きやすい時代です。でも「P」と「S」に関しては、大人(社会)のサポートが必要不可欠だと考えているからです。

大人と子どもを比べると、どうしても自身で探せる選択肢の数に差が出てきます。少ない選択肢の中から、自分にあった目的「P」を見つけるのは難しい、そしてもったいないです。だからまずは、子ども自身の”選択肢”を増やしてあげることを大切にしたい。自分はなにに興味があって、なにが好きなのか、知らなかった選択肢をふまえて、子ども自身が自覚できるイベントを企画し、子ども自身で目的「P」を見つけるきっかけになればと考えています。

また、成功体験や社会的評価「S」を得るためにも、大人(社会)の存在はポイントになります。いくら自分が「できた!」と思っても、本当にできたかどうかは、他者に認めてもらってはじめて決まります。そして自信に繋がっていきます。学校の先生や家族からもらう評価ではなく、社会との繋がりを持った空間で自分を表現をし、様々な人からのリアクション、フィードバックがもらえるイベントを行います。

イベント詳細、現在企画中ですが、PLTSc for Kidsプロジェクトでは、随時、協力者を募集しています。何かご自身のスキルをご提供頂ける方はもちろん、活動に興味があるから何か一緒にやってみたい!と思ってくださる方も大歓迎です。どうぞよろしくお願いします。

○最初の人型ロボット「NAO」もお目見え!

ソフトバンクロボティクスが開発した最初の人型ロボット「NAO」。人の顔や声を認識して、動いてくれます。

まさか会えるとは!子ども達からも、かわいい〜!おもしろい〜!という声が聞かれました。また機会あれば、もっと「NAO」君と触れ合う時間を取りたいですね。

○フリータイムの様子

イベントの休憩時間や終了後も、みなさんそれぞれに談笑されていました。繋がりを大切にしたい、というMEATS Cafeの思いが形になっている気がして嬉しいです。

子ども達は、製作に夢中!

自分で組み立てたものが動くって嬉しいよね!

こんな感じで、ゆる〜く楽しく開催していきますので、ぜひみなさんお気軽にご参加ください^^ 次回7日の詳細はブログにも書きますが、 TwitterFBに先UPすると思いますので、宜しければフォローお願いします。


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

7

PLTSc for kids

コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。