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影響力の武器【第三版】第一章〜第三章《社会行動学》

社会心理学者のロバート・B・チャルディーニさん著書。行動経済学の先駆けともいえるアメリカのベストセラーです。

第一章,影響力の武器
自然環境の中で暮らす動物にはさまざまな固定的動作パターンがある。そして人間も同じことが言える。
このような手っ取り早い反応の利点は効率性と経済性にある。情報過多で複雑な世の中において、正しいかどうか判断する能力を養い、発揮するのはなかなか困難で大変なことだからだ。その一方、間違いを犯す可能性が一層高まる。
この承諾の過程を自動的で簡便的な反応させようとために人間の習性を影響力の武器とする人々がいる。

第二章,返報性
人間文化の中で最も広範囲に存在し、基本的な要素となっている規範の一つに返報性のルールがある。
他人から与えられたら自分も同じようなやり方で返すように努めることです。
このルールを子どもの頃から叩き込まれてます。


Aさんから誕生日プレゼントをもらったからAさんの誕生日にはプレゼントを渡さねばと思うこと。

このルールの特徴は大きく3つある。
第一にこのルールが非常に強い力を持ってる点。
第二に望まざる厚意を受けた場合も適応される。
第三に不公平な交換を助長する場合がある点。

これらの特徴を使って営業でスキル(仕組み)として組み込まれることがある。
例えば、最初に無料のサンプル品を与えておいて、見返りに商品を買ってもらう。などだ。

応用して「拒否したら譲歩」法がある。
1万円貸してほしいときに、5万円貸してくれないか?と頼む。5万円は高額なので断られても、一度拒否しているので、次の1万円貸してくれないか?と頼んだ場合は譲歩し、貸してくれるのだ。
これも営業の手段として多くの人が使っているだろう。
営業のスキルとしてもう一つ知覚のコントラスト。
これは最初に高額の商品を買ってもらえると小額の商品も合わせて買ってもらいやすいというものだ。

与えてもらった厚意は返さなければならないと思い、その社会のルールに従うのは素晴らしいことだ。しかし、場合によってはなぜこんなことをしてしまったのだろう。という判断ミスを犯してしまう危険性もあることを十分に理解しておこう。

第三章,コミットメントと一貫性
ほとんどの人は自分の言葉、信念、考え方、行為を一貫したいと思うものだ。
それは3要素によってもたらされます。第一に社会から高い評価を受ける。第二に日常生活に有益な点が多い。第三に複雑な現代生活をうまくすり抜けるのに役立ちます。
では、承諾を引き出すためにはどうするのか。最初に小さいコミットメントを確保することです。
人は自分がしたコミットメントに、その正しさを示す新しい理由や正当性を付け加える。その結果、最初にコミットメントしたときと状況が変わってもその効力は持続します。これにより承諾先取り法というだましの手口が効果を発揮します。
例えば車を買おうとしている人に対して営業マンは地域最安値よりさらに安い値段を提示します。そして買ってもらう約束を取り付け、契約書にサインをするタイミングで、〇〇の値段を付け足すのを忘れてました。と言って地域の相場値段で車を販売します。そうすることで、消費者は「元々ここで買おうとしてた」「地域の相場だ」などともっともらしい正当性を持って契約書にサインをします。近くに地域相場より安い店があるかもしれないと検討もせずです。
これらから身を守るには今知ってる情報のまま最初にコミットメントした時に戻っても同じ決断をするかどうかで考えるのです。そうすることで悪徳業者かどうか見極めることができます。

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