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“アキレス腱”最前線。3つの美しい図とともに…


📖 文献情報 と 抄録和訳

動的活動におけるアキレス腱の生体内ひずみパターン: 文献の包括的調査

📕Adam, Naomi C., et al. "In Vivo Strain Patterns in the Achilles Tendon During Dynamic Activities: A Comprehensive Survey of the Literature." Sports Medicine-Open 9.1 (2023): 1-17. https://doi.org/10.1186/s40798-023-00604-5
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🔑 Key points
🔹この包括的なレビューは、アキレス腱下部構造の解剖学的定義の矛盾を明らかにし、定義と測定を標準化するためのガイドラインを提供する。
🔹収録された107の論文は、ほとんどが活動としての随意収縮と内側腓腹筋亜腱構造について研究しているが、その他の亜構造や機能的活動中のひずみについては、あまり明確になっていない。
🔹決定的なことは、歪みの結果が多岐にわたるのは、解剖学的定義、測定方法、および活動特有の負荷条件が不明確であることに起因しているということである。

[背景・目的] アキレス腱断裂や腱障害などのアキレス腱損傷は、中高年層で急激に増加している。アキレス腱は運動のあらゆる段階において重要な役割を担っているため、損傷後のリハビリテーションがうまくいかないと、しばしば長期にわたる健康への悪影響につながる。健常なin vivoのひずみや複雑な筋-腱ユニットの相互作用を理解することは、傷害の根本的な病因や、傷害後の機能性を効果的に回復させる方法へのアクセスを向上させる。系統的検索を用いたこの文献調査の目的は、機能的活動中にin vivoで測定された健康なATのひずみのベンチマークを提供し、結果に観察されたばらつきの原因を特定することであった。

[方法] 2つのデータベースを検索し、in vivoで測定されたピークひずみ、または時間に対するひずみの変化を提供したすべての論文を対象とした。

[結果] 合計で、AT損傷の既往がない18歳以上の被験者を報告し、随意収縮、歩行、走行、ジャンプ、ジャンプ着地などの機能的活動中に測定された107の論文がこのレビューに含まれた。一般的に、腱下部と腱膜の解剖学的定義が不明確であったため、文献はかなり混乱していた。

■ 解剖学的名称と解剖図

■ 活動種類別のアキレス腱負荷 (strain)

・MRI、超音波、モーションキャプチャが主なアプローチであり、時にはモデリングも併用された。
・測定されたピークひずみは、収縮、歩行、ランニング、ジャンプの順に、4%から10%以上に増加した。
・重要なことは、測定されたATのひずみは、測定場所、測定方法、測定プロトコル、個々のATの形状、機械的特性、さらに研究された活動の瞬間的な運動学や動力学に大きく依存していたことである。

■ 活動中の表層と深層の縦方向の伸長の違い

[結論] したがって、アプローチと結果の包括的なレビューを通じて、この文献調査は、構造とその共通する基礎的特性に関する統一された用語に収束し、その機能的ひずみパターンに関する知識の現状を提示するものである。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

最近、アキレス腱内圧の運動特性に関する単一の研究を抄読し、とても面白いと感じた。

そんなこともあり、アキレス腱に対するアンテナ感度が上がっていたからか、この論文と出会った。
この論文の好きなところは、なんと言っても“図”である。
綺麗な図とともに、アキレス腱の最前線について、豊富なエビデンスに支持されながら解説されている。
これ、Open Accessですよ!
必読、目を通すだけでも、ストックしておくだけでも、将来的に役立つと思う。

自分が好きだった映画は、ストーリーで好きになったんじゃない
ワンショット見た瞬間に、「あぁ、これは素晴らしい」って、それが映画だと思っているから

宮崎駿

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