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カーフレイズ立位 vs. 座位で筋肥大の違い

📖 文献情報 と 抄録和訳

下腿三頭筋の筋肥大は立位と座位でのカーフレイズトレーニング後では大きい

📕Kinoshita, Momoka, et al. "Triceps surae muscle hypertrophy is greater after standing versus seated calf-raise training." Frontiers in Physiology 14 (2023). https://doi.org/10.3389/fphys.2023.1272106
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[背景・目的] 下腿三頭筋は、人間の基本的な動作において重要な役割を果たしている。しかし、上腕三頭筋はレジスタンストレーニングに比較的反応しにくく(筋肥大しにくい)、他の筋に比べて運動不足により萎縮しやすい。したがって、下腿三頭筋の効果的なトレーニング方法を明らかにすることが必要である。本研究では、腓腹筋を伸長させる立位/膝伸展トレーニングと短縮させる座位/膝屈曲底屈(カーフレイズ)トレーニング後の下腿三頭筋の筋肥大を比較した。

[方法] トレーニングを受けていない成人14名が、片脚を立位/膝伸展位で、もう片脚を座位/膝90°屈曲位で、1反復最大筋力の70%でカーフレイズトレーニングを実施した。各脚10回/セット、5セット/セッション、2セッション/週を12週間行った。介入前と介入後に、磁気共鳴画像スキャンを行い、それぞれと下腿三頭筋全体の筋容積を評価した。

[結果] 筋容積は、座位条件脚の腓腹筋(p = 0.147-0.508)を除き、両脚の3筋すべてと下腿三頭筋全体で有意に増加した(p≦0.031)。筋量の変化は、座位状態よりも立位状態の脚の方が、外側腓腹筋(12.4%対1.7%)、内側腓腹筋(9.2%対0.6%)、下腿三頭筋全体(5.6%対2.1%)で有意に大きかったが(p≦0.011)、ヒラメ筋(2.1%対2.9%、p=0.410)では脚間で同様であった。

[結論] 腓腹筋の筋肥大、ひいては下腿三頭筋全体の筋肥大を誘導するためには、立位でのカーフレイズは座位でのカーフレイズよりもはるかに効果的であり、したがって推奨される。この結果とヒラメ筋における同様の条件間の筋肥大を総合すると、長い筋長でのトレーニングが筋肥大を促進することが示唆される。

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筋力トレーニングの3原則に『特異性の原則』がある。

トレーニングはやり方によって効果が変わります。これを「特異性の原則」といいます。筋力を高めたいのに筋持久力を高めるやり方をしていては、求める成果は現れません。どんな目的であれ、目的に合った正しいやり方を行う必要があります。
>>> 参考 site.

さて、下腿三頭筋は、どのような方法でトレーニングすると効果的に鍛えられるだろうか。
今回抄読した研究は、その問いに対して1つの答えを与えてくれる論文だった。
結果としては、座位より立位で行った方が、よほど効果的というものだ。

臨床現場においては、介入内容において、座位でのカーフレイズと立位でのカーフレイズ、双方しばしば行われている。
だが、少なくとも筋肥大、筋の動員という目的においては、立位で行った方が良さそうだと思った。
立位でできない場合を除き、まずは立位でのカーフレイズを第一選択にしていきたい。

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