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椎間孔靭帯の解剖学


📖 文献情報 と 抄録和訳

L1-L5レベルにおける腰椎椎間孔靭帯の解剖学的構造とMRI画像の比較研究

📕Zhong, Enyi, et al. "A comparative study of the anatomy and MRI images of the lumbar foraminal ligaments at the L1–L5 levels." Surgical and Radiologic Anatomy (2023): 1-9. https://doi.org/10.1007/s00276-023-03251-3
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[背景・目的] 本研究の目的は、解剖学的研究の結果と比較することにより、L1-L5レベルの椎間孔靭帯を明らかにするMRI画像の能力を評価することである。

[方法] 80の腰椎椎間孔を調査した。まず、最適なMRIスキャンパラメータを選択し、各腰椎孔の横軸と矢状軸をスキャンして、各腰椎孔の靭帯様構造を同定し記録した。次に、死体標本を解剖学的に検討し、腰椎孔内のすべての靭帯構造を保持した。解剖学的およびMRIスキャン下で靭帯の数、形態、分布を観察した。解剖した靭帯構造を組織学的に染色し、靭帯組織であることを確認した。最後に、MRI画像における靭帯の認識精度を統計的に解析した。

[結果] 死体解剖により80の腰椎椎間孔に合計233の椎間孔靭帯が同定された。

放射靭帯(176本、75.5%)は神経根から周囲の骨構造に付着しており、経椎間孔靭帯(57本、24.5%)は神経根に接続することなく椎間孔を横断していた。80個の椎間孔のMRI画像から、合計42個の経椎間孔靭帯信号と100個の放射靭帯信号が検出された。

[結論] MRIは腰椎椎間孔靭帯を識別することができ、経椎間孔靭帯の認識率は放散靭帯の認識率よりも高い。本研究は、腰椎椎間孔靭帯と放散痛の関係を臨床診断するための新しい方法を提供するものである。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

ドラゴンクエストは、面白い。
子どもの時、どのくらいの時間をあのゲームに費やしただろう。
その面白さを、いま振り返ってみると、『未知の可視化』が秀逸だったように思う。
ドラクエのマップは、最初、自分の周り以外「真っ黒」だ。
それが、自分が進んでいくことで、既知のマップが広がってゆく。
その、未知の世界があることが明確であること、自分のアクションによってそれが広がってゆくことが面白い。

さて、今回の椎間孔靭帯。
知っていただろうか。
僕は、知らなかった、全く。
ほとんどの学校では、習わないだろう。
なにせ、経椎間孔靭帯(transforaminal ligaments)、放射靭帯(radiating ligaments)という和訳すら、ざっと和訳を調べた感じでは正式な用語は見当たらなかった(あれば是非コメントで教えて下さい)。

人体に関する解剖学。
このマップは、ドラクエの途上のマップのように、まだまだ真っ黒な領域が広くある。
そして、そのマップが、それぞれの研究者の尽力によって、少しずつ広がっているのだ。
そのマップを用いて、リハビリテーションの臨床に従事しているのだから、マップの変更や広がりには敏感でありたい。
解剖学、やはり面白い!

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