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2型糖尿病者のHbA1c改善。身体活動量の最適な量とは?


📖 文献情報 と 抄録和訳

2型糖尿病患者における血糖コントロール改善のための身体活動の最適な量と種類:系統的レビューとメタアナリシス

📕Gallardo-Gómez, Daniel, et al. "Optimal dose and type of physical activity to improve glycemic control in people diagnosed with type 2 diabetes: a systematic review and meta-analysis." Diabetes Care 47.2 (2024): 295-303. https://doi.org/10.2337/dc23-0800
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[背景・目的] 糖尿病患者のHbA1cをコントロールするための身体活動の最適な量や種類は、依然として不明である。現在のガイドラインでは、ベースラインのHbA1cを考慮した運動処方は行われていない。目的:2型糖尿病患者における身体活動とHbA1c(%)の用量反応関係を検討すること。

[方法] データの出典Embase、MEDLINE、Scopus、CINAHL、SPORTDiscus、Web of Scienceで系統的検索を行った。試験の選択2型糖尿病と診断された参加者を対象とし、介入としてあらゆる種類の身体活動を含む試験を対象とした。データ抽出介入前後のHbA1cデータ、集団および介入の特徴、記述統計量を収集し、各試験群の変化スコアを算出した。

[結果] データ統合ベイズのランダム効果メタアナリシスを用いて、126の研究(6,718人)から得られた質の高いエビデンスを要約した。最適な身体活動量は1,100MET分/週であり、その結果、HbA1cの低下は、コントロールされていない重度糖尿病で-1.02%~-0.66%、コントロールされていない糖尿病で-0.64%~-0.49%、コントロールされている糖尿病で-0.47%~-0.40%、糖尿病予備群で-0.38%~-0.24%であった。限界介入期間やプロトコール間の不均一性、およびこのアウトカムの対人的変動性のため、これらのHbA1c低下を達成するのに必要な時間を推定することはできなかった。

[結論] このメタアナリシスの結果は、ベースラインのHbA1c値を考慮した糖尿病患者に対する身体活動の最適週量、およびさまざまなタイプの活動的介入の有効性に関する重要な情報を提供する。これらの結果は、臨床医がこの集団に合わせた身体活動プログラムを処方することを可能にする。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

今回のメタ解析は126研究を包含したメタ解析ということで、一言でいえば規模感がバグっている研究だ。
前に、執筆者もシステマティックレビューをしたが、10研究の包含でも、かなり大変だった。

その12.6倍・・・、バグっているとしか言いようがない。
その規模感の研究から示された結論は、最適な身体活動量は1,100MET分/週、というものだ。

1,100METs 分/週ということは、1週間に3METsの運動を366分間、1日にすると52分間、となる。
運動すると3METs以上になることが多いので、イメージとしては1日30分間くらいになるのだろうか。
まずまずの運動量だと思う。
「この運動量が血糖値の改善には有効です」
このセリフは、126の研究に裏打ちされた一言であって、胸を張って言えそうだ。

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