「湖の底から」

 湖の底。そこが彼の居場所だった。母から水面に出てはいけないと何度も念を押された。

 陸には怖い生き物がいるというのだ。しかし、彼は知りたくなった。どのように怖いのか。どんな姿なのか。気になったのだ。

 彼は母の目を盗んで、水面へと向かった。そして、キラキラと輝く水面に顔を出した。

 水面から顔を出すと見たこともない景色が広がっていた。

 水草にもよく似たものが無数に合ったり、見たこともない生き物が自分を頭上を通り過ぎた。

 すると突然、視界の端が眩しくなった。眩しくなった方を見ると見たこともない景色が小さな生き物が二匹いた。

 二匹は彼と目が合うと背を向けて、走った。

「なっ! やっぱネッシーいただろ!」 

「ああ! すげぇ!」

 彼は小さな生物の鳴き声を聞いて、不気味に感じた。怖くなり、彼は水底に帰った。

 

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