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読書73 『とんび』

   重松清著

 昭和37年、夏の終わり。28歳のヤスさんは、生涯最高の幸せに包まれていた。大好きな美佐子さんと結婚し、子どもが産まれたのだった。子どもは旭と名付けた。

 ヤスさんの幼なじみ。薬師院の照雲。子どもの頃は2人して悪さをするたびに、照雲の父親の海雲和尚に、山門の仁王さまの前で木に吊るされた。

 ヤスさんよりひとまわりほど年上のたえ子さんは、『夕なぎ』を切り盛りする。ヤスさんとは同じ市営住宅に生まれ育った。

 アキラが3歳の時に、美佐子さんが事故で亡くなってしまう。海雲和尚、照雲と奥さんの幸恵さん、たえ子さんに支えられながら、ヤスさんはアキラを育てる。
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 ドラマも映画も観ていなかったので、宣伝だけで職人肌の「頑固親父」の印象を強く持っていました。確かに、ヤスさんはそういう表現に合っているかもしれませんが、単にそれだけでなく、もっともっと一生懸命で、人間味の溢れる人物でした。

 美佐子さんのことが好き過ぎて、顔がまともに見れなかったり、心の中で言っては1人でテレていたり。
母を亡くした後のアキラや思春期のアキラとの向き合い方が難しさに悩み、海雲和尚に叱られ、たえ子さんに叱られ、照雲とケンカしながら、アキラに向き合います。

 とてもおもしろく笑いながら、でも、うるうるもたくさん入りました。
笑う方が多かった気がします。

😊瀬戸内海に面した備後市という、おそらく広島の架空の市が設定になっています。

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