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あなたはどうやって町田康にたどり着きましたか?僕はこの『きれぎれ』という小説の表紙が可愛かったから、古本屋に並んでいたこの本を手に取り、ページをめくってみた。

そしたら、なんとまあ、イカレているのか、この作者は。ドラッグ小説?バロウズ?パンク?妄想、幻想、現実が入り乱れる冒頭。たしか、日本のパンクバンドinuのボーカルが町田康だったっけ。

そんな感じで読み進めているうちに、気づけばどっぷりとその文学世界に入ってしまっていた。おもしろい。そして、情けない。男の弱さ、ダメさ。社会が悪いのか、自分が悪いのか。はたまた、その両方か。

確かにすごい小説で、すごい作家である。しかし、この作家が、日本を代表する日本文学の作家になったことは、筒井康隆はじめ、町田康を評価した日本文学の大先輩たちの存在が大きい。

当時の町田康は、日本文学の未来を託された感があった。そして、そういったことが『告白』という谷崎潤一郎賞を受賞した素晴らしい小説につながっていったのだろう、と勝手に思っている。

話を最初に戻すと、あなたはどうやって町田康にたどり着きましたか?ということ。音楽から入る人、永瀬正敏主演の映画『けものがれ、俺らの猿と』から入る人、群像から入る人、芥川賞から入る人、様々だと思う。

映画『パンク侍、斬られて候』から入る人も、きっと大勢いることだろう。入って間違いはない。腹ふり党よりも間違いはない。町田康の小説は素晴らしい。間違いなくおもしろい。

そのおもしろさ、素晴らしさが、芥川賞受賞という形で評価されたのが、この『きれぎれ』である。町田康の素晴らしさを思う存分堪能できる様々な要素が散りばめられている。

仕事で会いたくない人がいるサラリーマン、今すぐオフィスを出ていきたいオフィスレディ、学校行きたくない中高生、そんな男子しょうもないと思っている女子高生におすすめです。

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