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読書感想文⑮

 今回の読書感想文は『ディズニーCEOが実践する10の原則』について書きます。これは、日本語版で出版されるときの題名であり、英語版の題名は、『THE RIDE OF A LIFETIME』です。ディズニーランド内の乗り物に掛けてあるところに面白い人柄が垣間見えます。

 ディズニーは言わずと知れた大企業ですが、CEOが誰か知りませんでした。Googleのピチャイ、Appleのティム・クック、Facebookのザッカーバーグ、Amazonのジェフ・べゾスなどの知名度に対して、ディズニーのCEOロバート・アイガーの知名度は少なくとも日本ではそこまで高くないように思います(僕が知らないだけだったらごめんなさい、ボブ←ロバートアイガーの愛称)
 この本を読んでみると、そんな印象は吹き飛び、本当に面白い人だなと感じました。

「生きる伝説。奇跡の大成功の数々を追体験し、次はあなたが成功する。」

 これは、本の帯広告に書かれていた柳井正さんの言葉ですが、この本の中には、多くの成功体験に加えて、苦しい体験もたくさん書かれているので、「ただのシンデレラストーリーではない」という点が個人的に面白かったポイントです。あとは何といっても、顔がとてもかっこいいです。

 この本には、ボブの下積み時代からCEO引退まで時系列に様々な経験から得られる教訓がちりばめられています。そして、最後に付録として「リーダーの原則」でまとめられています。

 ディスニーCEOが実践する10の原則

1、(良くない時も)前向きであること(=熱意をもって高い目標に取り組むことができる)
2、(リスクを取り、イノベーションを起こすための)勇気を持つこと
 失敗を恐れると、創造性は破壊される
3、(優先順位を周囲に伝え、最も重要で価値の高い問題に時間と労力を)集中すること
4、(タイムリーに)決断すること
5、好奇心(←イノベーションのきっかけ)を持つこと
6、(誰に対しても)公平であること
7、思慮深いこと(=時間をかけ、情報を集めた上で意見を形成し、判断を下すこと)
8、自然体であること 敬意と信頼は嘘のないリーダーによって生まれる
9、常に最高を目指すこと(=妥協しない≠どんな犠牲を払ってでも完璧を求める)
10、誠実であること 大小のことに倫理的に高い水準を設ける

 読書感想文では、この本で紹介されている数々のリーダーの原則の中で特に印象に残ったことのついて書いていきます。

①今ある仕事をうまくやり遂げ、じっくり構えて、出番を探して成長しながら可能性を広げ、何らかのチャンスが現れたときに、自らの勤勉さ、熱量、集中力を発揮して上司から頼りたいと思われる人間にならなければならない

 この教訓はボブがABCテレビの下積み時代からCEO就任までの長い年月を通して学んだことなのでとても説得力があります。
 ABCテレビがキャピタル・シティーズに買収され、さらにディズニーに買収される中でスタジオ勤務の下積みからABCテレビの社長になり(41歳)、2000年にはディズニーの社長、2005年にはCEO、2012年からは会長も兼任するという大胆な昇進劇を繰り広げることができたのは、この教訓を得たことが大きな力になっていると思います。

 ついつい未来の輝かしいことばかりを考えて、目の前のことをやる意味を疑ったり、ないがしろにしてしまうことがあるので心に響きました。
 「大切なのは野心が先走りしすぎないようにバランスをとることである」とも書かれていました。今やらなければいけないMUSTと将来やりたいことにつながることWANTのバランスを見て行動しようと思います。
 今は、将来のための自己投資である読書WANTよりも7月末提出期限の最終レポートを書くMUSTのほうが重要性は高いはずなので読書はほどほどにします(笑)

②過去より未来が大切だ

 この教訓はボブがディズニーCEO就任の際に5代目CEOマイケル・アイズナーの後継者争いの最中で得たものです。
 「マイケルの任期中10年ほどマイケルの下で働いていたロバート・アイガーにはディズニーを救うことはできないんじゃないか」という批判を受ける中で受けたコンサルティングの中で気付くことができたというのです。
 ボブは「失敗した過去に目を向けるのではなく、優先課題を考えるという未来に向けた戦略をとる」決意をし、見事CEOに就任しました。

 「過去はどうでもいい」は当たり前かもしれないけど、過去に輝かしい成績を残した人は過去の栄光に浸ってしまったり、過去に苦しい経験をした人は過去を引きずってしまうものだと思います。
 だからこそ、「与えられた環境で活躍する人」がより一層輝いて見えるのです。浸らず、引きずらず、輝ける人間でいたいと思います。

③もし何かが「違う」と感じたら、それはあなたにとって正しい道ではないのだろう

 この教訓は、ボブがCEOになってピクサー、マーベル、ルーカスフィルムなどを買収していく中で、Twitterも買収しようとしたが、ブランドイメージの問題がどうしても気になったために買収を中止したという経験から得たものです。
 ピクサー買収を決断した際には「大切なのは認識力と判断力である。目的、信頼する人の意見、綿密な調査と分析が教えてくれること、分析が教えてくれないことを認識し、同じ状況は二度とないことを心にとめたうえで最終的にはリーダーが直感に従って判断するしかない」ことも学んだと書かれています。
 結果こそ反対であるものの、どちらも直感の重要性を述べています。
 注意すべきなのは「ただの勘ではない」という事です。多くの知識、様々な経験を踏まえた上で、直感に従うべきだというのです。

 僕が今できることは素早い判断が求められたときに直感に従って正しい決断をできるように、読書や映画鑑賞を通して成功や失敗を疑似体験したり、自分で行動して様々な失敗を繰り返すしかないと思います。

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