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【短編小説】花


「花は美しい」と女は言った。

「見返りを求めず、何も言わずにただ咲いてくれている」

「花は花だ」と男が返す。

「なんの変哲もない花に意味を見出す人間こそ美しい」

女は柔らかく微笑み、男は照れたように顔を背けた。

「花も人も美しい」女が言う。

男は無言で頷いた。その顔は夕暮れにほんのり紅く染まっていた。



あとがき

道端に咲いていた名前も知らない花。
雨上がりの水滴が中々の趣を醸し出してくれて、とってもエモーショナル。上を向けば透き通る青空。下を見れば咲き誇る花。
見るものに意味を与えるのはいつだって自分なのね。




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