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たからばこ

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#コラム

おいしさから逃げたいときもある

今日はもう、朝からダメダメだ……という日がありますよね。今日の私がそうでした。パソコンの電源コードを足にひっかけて差し込み口を壊し、サービスセンターに修理の手続きをし、かわりに引っ張り出した古いパソコンのメンテナンスにどうしようもなく手間取って半日つぶし、午後に繰り上げされたスープの試作をはじめたら、これまたうまくいかなくて。 まともにできたレシピがひとつもないのに作業台や流しは散らかり放題、あげくの果てに詰め替えたばかりの胡椒の蓋をしめ忘れて床にぶちまける……夕方になるに

凡人が、天才に勝つ方法。

はじめまして、どうも、つんく♂です。 作詞・作曲を中心に音楽やエンタメ全般のプロデューサーをやっています。モーニング娘。のプロデュースから始めて、アイドルやアーティストなど、たくさんの作品を生み出してきました。 『リズム天国』などのゲームや、アニメにも関わっています。今は、「つんく♂エンタメ♪サロン」のメンバーで、「中2」をテーマにした映画制作を始めたばかりです。 声の病気をしたので今は歌えませんが、その分、日々の作品作りと、次世代のスターやクリエイターの応援に注力して

米津玄師、 刹那に宿る光を見つめて

一つずつ集まったピースがいつのまにか新しいパズルの絵を描くみたいに。バラバラに散らばる人生の断片を、音楽が結び目となって引き寄せるときがある。 過去、現在、未来は地続きであり、ひっくるめて人生と呼ぶが、時折それらが交差する瞬間に出会う。 米津玄師の歌声を聴いていると、何かに似た胸の痛みを伴うと気付いた。その感覚を追いかけてみたら、夏終わりの空気だった。 冷たい夜風がふと腕肌に触れたときに、遠い過去へ押し込んだ記憶が声を上げるような鈍い痛みだ。 彼が楽曲の中で描く「人を想う

トトロに学ぶ、子供を大事にする方法

娘が絶賛、「となりのトトロ」大ブームである。 なぜかわからないが、アニメ映画を観たことがなかったはずの段階からずっと、「おうち、トトロ、いた」と両親に報告し、毎晩小さいトトロが我が家に遊びに来て、ダイニングテーブルの下でビールを飲んでいた、という荒唐無稽な話を繰り返している。 おそらく保育園でトトロの存在を知り、まぁ幼児によくある妄想をしていたのだろうが、金曜ロードショーで映画を観てからは、文字通りトリコで、ほとんど毎日その世界に浸っている。 母である私も、この2か月は

僕の服が好きな理由

執筆者:Na0ki Nagata (@nagat81) 京都出身・都内在住の会社員。ただの服好きが高じて、「服と僕」というブログを運営。心の琴線に触れた服の紹介や服を通じて考えたことを書いています。 このシャツをひと目見て、多くの人は何を感じるのだろうか? COMOLIというブランドのシャツ。このブランドを知らない人からすれば、ただの水色のシャツに見えるかもしれない。決して斬新なデザインがなされているわけでもないが、値段は1着2万円以上する。服にそこまでお金かけない人

つながること、問うこと、生きること。

場づくりについて学ぶオンラインスクール(『場づくりという冒険オンラインスクール』)を開催している。受講してくださっているみなさんとの対話が楽しい。その中で話したこと、考えたことなどをまとめておきたい。 ◯他者とどうつながればいいのか。 よく、ビジョンが大事だと言われる。そうだろうと思う。バラバラな個人をひとつにまとめるための北極星を描くこと。それは、クリエイティブな作業だと思う。けれども、それだけでは圧倒的に足りない。どうもぼくにはそう思われる。なぜなら、ぼくにとってビジョ

簡単なITの知識でゼロからはじめる飲食店デリバリー

はじめにふだん文章を書き出すときに自己紹介はしないのですが、読んだ人が「何者だ?」と思うといけませんので、書いておきます。コグレ@ネタフルと申します。2006年からブログを書いて生計を立てて暮らしている者です。 なぜブロガーが飲食店デリバリーの記事を書いているのだ? と疑問に思う人が多いと思いますが、もっともな話です。なぜブロガーが飲食店デリバリーの記事を書いているのかというと、応援したい飲食店があったからなのです。それが六本木にある豚しゃぶの店「豚組しゃぶ庵」です。 も

伝える、と言葉にするの狭間に立って

「好き」「愛している」 そういう言葉が私は少し苦手かもしれない。 それは勿論そういう言葉を言い慣れていないし、言われ慣れていないからでもあると思う。でもそれだけではない歯がゆさが、そこにはある気がしてしまう。 先日、『断片的なものの社会学』という本を読んだのだけれど、そこには戦争体験者の方の語りに対して、こんなことが書いてあった。  おそらく彼は、毎日のように日本各地のそういった集会で同じ話をして、同じ場面で同じように涙を流しているのだろう。 そのとき、彼はなにか

心の中のチンパンジー

ものすごい変なタイトルで申し訳ないのですが、僕は幼少期の頃から、色々な選択、決断、気がかり、心配に際して、ほとんどすべて「心の中のチンパンジー」に相談して決めていっています。ここでそっとブラウザを閉じずに、もうちょっと我慢して読んでみて下さい。 心の中のチンパンジーの話をしていくために、ちょっとこういう話をさせて下さい。 以前、ある雑誌の対談企画で俳優の片岡鶴太郎さんと対談させていただいたことがあったのです。この対談の時の安心感は本当に今でも覚えていて、僕とか、あとは、僕

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表現とは、「正解」の数を増やすことである

りんごが「りんご」である確証はどこにもない。赤くてまあるくて、皮を剥けばみずみずしい黄色をしているそれは、わたしにとっては確かにりんごだけれど、他者から見たら全く違う果実なのかもしれない。わたしが見ているりんごの姿は、所存わたしひとりの目を通して映し出されているものであって、全人類が同じようにその姿を目にしているかどうか、何年生きても自信がない。 そもそも、自分では「赤い」と認識している物体が、他者の目を通してもなお同じように赤く見えているか、それさえも永遠に謎だ。わたしが

愛着から安心へ

インターン生の山本和輝と言います。 インターン生と言っても、つい先日に誕生日を迎えた35歳(既婚・医療従事者・大学院生)です。僕は兵庫県丹波市出身です。丹波市は自然が豊かで、歴史やロマンあふれる街並みが今も残るいい感じの町です。転勤族だった両親が定住するために選んだ場所です。僕は、丹波市に4歳から21歳まで過ごしました。専門学校時代は、片道2時間半という時間をかけて丹波から大阪市内まで通いました。 今でも丹波には、親に子供の顔を見せるため月1回程のペースで帰省しています。

サブストーリーこそ、メインストーリーなんだよ

今回の「生き方見本市」の会場で、だれも知らなかったかもしれないことを共有したい。イベントの本旨とは少しズレるかもしれないけれど、ぼくにとってはとても価値があったと感じている、そんなこと。 たぶん、来た方全員は見ていないように思う。関西大学・梅田キャンパスの8階と4階。2つに分かれていた会場の「メインではない方(誤解のないように言っておくと、イベントにとってはもちろんとっても重要。関わってくださったみなさん、ありがとうございました。無料で参加できるよりライトなコンテンツ)」の

誰かといたいのに、一人でいたい。

”誰かといたいのに、一人でいたい” この言葉に思い当たる感情がある人は、一体どれだけいるのだろうか。 この題名を見てnoteを開いてくれた人がいたら嬉しいな、と思う。 私はこの言葉を初めて耳にした時、自分の気持ちを怖いほど的確に表すその言葉に驚いて、少し嫉妬して、そして大いに安心した。 「誰かといたいのに、一人でいたいって感情は理解できる?」 事の始まりは、私が所属するコルクラボというコミュニティで「居場所」に関する本を作り始めた事だった。コミュニティを学ぶコミュニテ

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「あなたらしさ」に祝福を。

『好きな人のことは全肯定』 これが私の基本スタンスだ。 私は野球が好きなのだけど、好きな選手に関してだけは技術的なことは脇に置いてひたすら褒めまくるので、『甘すぎる』とよく言われる。 しかも『姿勢が綺麗』とか『フォームが美しい』とか、さらには『今日はなんか楽しそう』とか、記録とか勝ち負けに関係ないところばかり褒めているので、他人からしたら何を言っているんだこいつは、という感じだろうと思う。 でも、好きってそういうことなんじゃないだろうか、と思うのだ。 『もっとこうし