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うつわマガジン2020

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2020年8月の記事一覧

飲んでもちろん食べてもコーヒー豆

飲んでもちろん食べてもコーヒー豆

♦︎lion at home and mouse outsideいまや本格派と呼ばれるおいしいコーヒーというものが溢れている。だからこそ、うちでも飲みたい。

ひねくれているようだが、内弁慶なので、外では雑踏や余計な気づかいゆえに落ち着けないネズミ。可能であればうちで好きなカッコで、職業柄、自作のカップで、じっくり飲みたい。もっぱら上手にコーヒーを挽いて淹れるのはマニアな家人なのだが、優雅にそれが

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ポトルの旅

ポトルの旅

独立工房20年目の夏は、制作の毎日。
去年末、大きな故障で大手術をした窯が泣きそうな顔をしていたので、20年前の夏を思い出して窯とふたりで語り合った。7月なのに「台風がくる」なんて陶芸ノートに書いてある。乳飲み子を抱っこしながら1.5トンはあると言われた窯がクレーンで吊り下がってくるのを、人ごとのようにみていた夏。

ああ、大変なことになりそうだぞと一瞬かすめた20年前の風は、空を飛ぶヘリコプター

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走る東京プチトマト

走る東京プチトマト

きょうも1キロ採れたプチトマト。
東京でも、おいしい。小さな庭でも、おいしい。
桃源郷でなくていい。東京でいい。

三千年(みちととせ)の桃トマトの写真ではじまったけれど、桃のおはなしから。

中国で、桃といえば「不老長寿の果実」。
三千年に一度実を結ぶという不老長寿の桃。そのくらい長いスパンで偶発する不思議な力という喩えでもあるのだろう。

もう一方で、古事記にも、威力をもつ桃が登場する。イザナ

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ギリシャ神話 川の精メンテに捧ぐ

ギリシャ神話 川の精メンテに捧ぐ

コッチョリーノのうつわの使用感をリアルに、そしてプロダクト製品とはひと味ちがうアーティスティックな感情をお届けしたく、実はこつこつと動画記録を残しています。展覧会の会場で流したり、旅先でお見せしている小さなプレゼンテーションツール(コミュニケーションツール)です。言語が通じなくとも、動画は共通の感情を得ることができるのです。

note投稿不調で、いつもできていた動画の貼り込みが数日できず、ようや

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ミソロジーのなかのシロップ

ミソロジーのなかのシロップ

モヒートをつくるぞと強気に言ったけど、どうでもよくなった。直球でないんだもの、この夏は。

ミントシロップをつくり置きして、好きなときに、ソーダ水やラム酒を入れてゆるゆるとつくって、ガブガブしている。もう強気ではないけれど、弱気ではない。だってミソロジー(神話)的なシロップみたいに想いが煮詰まってる。

6月はあたたかいミントティをいれながら湿ったことを言っていたから、これでもかという夏がきた。シ

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おいなりさんと旅

おいなりさんと旅

渦中この世を離れた親族。お見舞いもお別れもできなかったので、この夏は、故人の故郷である福島から宮城や岩手あたりをまわりたいと思っていた。震災後の現在を視て、さまざまな未来を考えたいと願った。

けれど、潮流は計画を逆なでした。
満ち足りた日々がすべてではない。

おいなりさんをせっせとこしらえる。
毎年イタリアの旅先で、おいなりさんを詰める手元がなつかしい。

参考にしたレシピはこちら。

写真展

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ひたむきな「しずくミントティ」

ひたむきな「しずくミントティ」

ようやく長い梅雨が明けた。熟した梅もとうに終わり、干す時季になったというのに。今年は、ひたむきに雨雲におおわれ、もはや半分の夏が終わってしまった。思えば2月から、あれもこれも控え、あの人たちとぱあっとやるのも控え、ひたむきに自分を見つけることにもあきた。ぱあっと、しずくを乾かしたい。

木々にしずく。
人間からもしずくがこぼれた。
まだ、身を尽くすのか。

ぱあっと、しずくを乾かしたい。
今日から

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