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昨日の本棚

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読書記録、本や書店に関する考察など。 読書記録は月に1回のふりかえりをベースに、おもしろかった本は個別に考察も書きます。
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#読書記録

2022年10月の読書記録

今年は本を買いすぎたので、11月以降はもっぱら積読消化に努めています。 読みかけの本が何冊あるのかわからんけど、どこまで読めるんだろうか… 目録驚きの介護民俗学(六車由美) 快楽の本棚(津島佑子) 「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。(小川たまか) プロジェクト・ヘイル・メアリー(アンディ・ウィアー) シンプルな情熱(アニー・エルノー) 昔日の客(関口良雄) STONER(ジョン・ウィリアムズ) 読書からはじまる(長田弘) 聞き書きの文学が

2022年9月の読書記録

11月になってしまった(毎月言ってる) 10月ぶんもまとめて書こうかと思ったけど、ちょっと冊数が多かったのであきらめて、神田の古本まつりにくりだすことにします。 目録100分de名著「アイヌ神謡集」(知里幸恵) 夜想曲集(カズオ・イシグロ) 定本 本屋図鑑(本屋図鑑編集部) カイエ・ソバージュ1 人類最古の哲学(中沢新一) 愛のゆくえ(リチャード・ブローティガン) 銀河の片隅で科学夜話(全卓樹) 読んでいない本について堂々と語る方法(ピエール・バイヤール) 1

2022年8月の読書記録

9月の…ではなく8月のですが、読んだ本をふりかえります。 今回はたまたま、モノトーン背表紙シリーズです。 目録(5冊) 次の季節が楽しみになる –––『サンドウィッチは銀座で』前から気になっていた平松洋子さんのグルメエッセイ。「何何をどこどこで」のタイトルで他にも数冊刊行されてるが、この「銀座」回が第一号、のはず。 食レポという文化にはあまり馴染みがなく、とりあえずいい店を知りたいという欲望から手に取った一冊。結果として、お店情報は意識の後方に追いやられ、一つ一つの料理

2022年7月の読書記録

7月も8月も一瞬で過ぎる。 先月は、というか先月も、読んだ本より買った本のほうが多かった。本棚を置く場所がないので、もはや書斎がほしい。 目録(5冊)ナチュラル・ウーマン(松浦理英子) Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち(辛島デイヴィッド) ミトンとふびん(吉本ばなな) 海からの贈物(アン・モロウ・リンドバーグ) ウォークス 歩くことの精神史(レベッカ・ソルニット) 自然体を装ったらナチュラルではなくなるのか –––『ナチュラ

2022年4〜6月に読んだ本まとめ

さぼりにさぼった結果、3ヶ月分をまとめて書く事態になりました。 「読書の記録なんてだれも読まないやろ」とぐだぐだしていたら、思わぬところから「まだですか?」という言葉をいただいて、それだけでやる気がでました。ありがとうございます。 4月目録(10冊) 4月は千葉さんの「現代思想入門」の印象。 哲学は素人だけど、先人の頭の中をのぞく感覚だけでなくて、それらが集まった大きな思想の潮流みたいなものにも触れているような感じが面白かった。帯にもあるように、単にひと昔前の哲学者の思

2022年3月 読書の記録

5月になってしまった。早すぎる。 目録差別はたいてい悪意のない人がする(キム・ジヘ) トリエステの坂道(須賀敦子) 白痴 2(ドストエフスキー) コーヒーと短編(庄野雄治 編) サン=テグジュペリの世界(武藤剛史) 3月はいろいろあって本が読めなかった。ちょっとした家具を買ったり積読を増やしたりして読書環境を整えつつ、須賀敦子のエッセイをのろのろ読んでいたらHPが少しずつ回復した。 彼女の文章は、読んでて嫌な気持ちになることがない。直接的に嫌な気持ちになる文章な

新しいレンズで世界をみよう ––千葉雅也『現代思想入門』

現代思想というカテゴリが、誰のどんな理論によって形作られているのかがわかりやすく解説されている。だけでなく、「思想書をどう読むか」というプロ視点での指南も数多く盛り込まれており、「読むこと」の楽しさを味わえる一冊。 本書を読んで、現代思想というものがちょっと身近になった。それぞれの哲学者の論点だけでなく、それまでの哲学史に対するその人のスタンスを知ったことで、現代思想の生き生きとした感じ、躍動感に触れた気がした。 なぜこんなにわかりやすいのか思想や哲学の本はあまり読まない

2022年2月 読書の記録

すっかりさぼってしまった!!ちょっと形を変えていこうと思ってますが、読書記録は引き続き書いていきます。がんばろう。 今さらだけど2月の分から。 目録海に住む少女(シュペルヴィエル) チャリング・クロス街84番地(ヘレーン・ハンフ) 永い言い訳(西川美和) 哲学の蠅(吉川萬壱) 盆栽/木々の私生活(アレハンドロ・サンブラ) 白痴 1(ドストエフスキー) 暇なんかないわ 大切なことを考えるのに忙しくて(ル=グウィン) 酒場の文化史(海野弘) ここに物語が(梨木

2022年1月 読書の記録

すでに2月も終わろうとしてますが、1月に読んだ本をふりかえります。 目録三体 Ⅲ(劉慈欣) 千個の青(チョン・ソンラン) すばらしい新世界(オルダス・ハクスリー) グレート・ギャツビー(フィッツジェラルド) 世界のすべての朝は(パスカル・キニャール) ショウコの微笑(チェ・ウニョン) 遠い朝の本たち(須賀敦子) ワンダーボーイ(キム・ヨンス) ペスト(カミュ)  選ばれなかった選択肢を読む昨年読んだ「100分de名著」の文章をたまに思い出す。 SF、とく

2021年12月 読書の記録

毎月読み終わった本をふりかえっています。 のんびりしていたらもう1月も下旬になっていてびっくりした。先月は三体シリーズとともに過ぎていき、でもそれ以外もいろいろと読めたのでよかった。 目録(8冊)戦争と平和 6(トルストイ) コンビニ人間(村田沙耶香) ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと(奥野克己) 収容所のプルースト(ジョゼフ・チャプスキ) 三体 Ⅰ・Ⅱ(劉慈欣) 女が死ぬ(松田青子) サンライト(永井宏) 『戦争と平和

2021年に読んで印象に残った本をふりかえる

あけましておめでとうございます。 年末、お題企画「買ってよかったもの2021」のレポートが発表されました。 お題が出たときに、「今年買ってよかったもの…本棚かな?あとはあの本か…いやこの本もよかったな…」というふうに、買ってよかったものがだいたい本に集中していることに気づいた。 ここのところ毎回一年のふりかえり的なことをしそびれて新年を迎えてるし、今年はがんばってたくさん読んだし、2021年のうちにふりかえろうと思い筆を執る。 といいつつ、結局間に合いませんでした!!

2021年11月 読書の記録

11月に読み終わったのは3冊…少な! いま同時並行で読みすすめている本は、数えたら6冊あった。ばらけすぎです。 今回の『反穀物の人類史』が質・量ともにちょっとヘビーで、ここのところ読むスピードも捗々しくなかったのですが…先週末から「読みたい欲」が復活し、12月でもう3冊読んだ。この勢いで年内残りの時間もたくさん読みたい。 目録(3冊)ギケイキ2(町田康) 反穀物の人類史(ジェームズ・C・スコット) マンゴー通り、ときどきさよなら(サンドラ・シスネロス) ギケイキ2

2021年10月の読書記録

年初に「年間80冊読む」という目標を立てたが、気づいたらすでに100冊近く読んでいた。 週末はほとんどアクティブな活動をせず、家か本屋にばかりいた気もするので当然かもしれない。冊数が大事というわけではないけれど、なんかうれしい。 目録(14冊)フィフティ・ピープル(チョン・セラン) ゴリオ爺さん(バルザック) 世界が生まれた朝に(エマニュエル・ドンガラ) インド夜想曲(アントニオ・タブッキ) のどがかわいた(大阿久佳乃) 迷うことについて(レベッカ・ソルニット)

沙漠の民は飛行機乗りの夢を見るか? ––『人間の土地へ』読書感想文

社内の有志で読書感想文を一緒に書くという企画に参加した。運営メンバーが作ってくれたおすすめ本リストをなんとなしに見ていたら、ある本のタイトルが目に飛び込んできた。 『人間の土地へ』。 目が引き寄せられたのは、サン=テグジュペリの『人間の土地』かと、一瞬思ったから。 『人間の土地』は数年来ずっと手元に置いて時々読み返す、私にとってはバイブルのような本。もし無人島に一冊だけ本を持っていけるとしたら、迷いなくこの本を選ぶ。 今回読んだ『人間の土地へ』は、サン=テグジュペリにオ