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新人WEBディレクターの時から読み続けている良書13選

『Webディレクターが重宝している本』として12冊をご紹介します。

自己紹介
宮城県仙台市にあるWeb制作会社に勤めるWebディレクターです。
勤めて3年、(途中放棄も含め…) 述べ100冊以上を手に取りましたが、その中からの厳選しました。自信を持って紹介できる本達です。


人は話し方が9割(永松 茂久)

人は話し方が9割

「9割本」として有名な本ですね。有名でもあえて紹介したいほど、私にとっては良書です。

というのも私は話すことが苦手なディレクターとして日々頑張っていますが、ディレクターとしても、チームと一緒にクリエイティブをするにしても、コミュニケーションは避けられない。そんな状況で手に取った本ですが、意外にも、話す場面以外においても使える技などの37項目で分かりやすく書かれており、今でも辞書的に見返してます。

本書のタイトル的に「話す」にフォーカスされている感じですが、「話し方=聞き方」でもあり、まず聞いて、相手の反応や気持ちに気を配りながら言葉を選んで話す。「聞く」ことは、相手を知ることにも繋がり、知らない業界のサイトを作る時、知らない業界のクライアントと話す時、新米ディレクターが熟練デザイナーと話す時など、あらゆる場面で重宝するのではないでしょうか?

話すことについては特別なスキルは不要で、「ほんのわずかな聞き方・話し方」が仕事や日常生活の些細な部分に影響します。結果的に、生活のすべてが円滑に事が進むはずです。ぜひ!

沈黙のWebマーケティング ー Webマーケッター ボーンの逆襲(松尾 茂起)

沈黙のWebマーケティング ─Webマーケッター ボーンの逆襲─ アップデート・エディション

この本はWEB界隈では有名で、Webを扱う職業の人の多くが一度は手に取る本だと思います。

WEBサイトにおけるマーケティングやSEOにおける重要なマインド・技術がマンガ形式で書かれており、本を普段読まない人もスラスラ読めます。

マンガといえど、「読みやすかった」で終わらない本質さも根底にあり、マーケティングの基礎や概念を学ぶには間違いない一冊。

私は、WEBの仕事に就くための勉強中にこの本に出会い、何度読んでも毎回気づきを得られる書籍。「WEBサイトを作る意味ってなんだっけ?」「WEBやネットを使って商品やサービスの良さを伝えるためには何をすればいいんだっけ?」と初心に帰りたい時にも、おすすめの一冊です。

具体と抽象(細谷 功)

具体と抽象

みなさんは普段、「具体」と「抽象」を意識したことはありますか?

例えば、クライアントと話す時。
抽象的にふわっと話していることを具体的な施策やデザインに落とし込んだり、具体的な別業種の事例を抽象化したうえで全く別業種のWEBサイトの施策として具体的に落とし込んだり。こういった「具体と抽象の行き来」「別の引き出しから持ってくる」ことで、クライアントの課題を解決したことが幾度とありました。

また、上司などの年の離れている人と話す時。
「なんかズレてる?」と思った時も、意外とこの具体と抽象を意識すると解決したり。

さらにこのスキルは、具体レベルにのみ生きている人(専門的すぎて世間一般共通の物差しが無い)とのコミュニケーションや、その逆の人(フワフワしすぎて具体性が無い)とのコミュニケーション解消にも役立つ思考法でもあります。

自らの発想力や理解力を鍛えるためにも、この「具体と抽象」という思考法、おすすめです。

なお、同著の『「具体⇔抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問』もあります。こちらもあわせて読んでみる(問題を解いてみる)といいかもしれません。

解像度を上げる――曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法(馬田隆明)

解像度を上げる――曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法

こちらは、先ほど紹介した「具体⇔抽象」にも絡んでくる本。

WEBディレクターとしている以上、曖昧な指示や、過去に経験したことのない案件による課題などに直面することは多くあります。このような状況でプロジェクトを成功するには、明晰な思考と行動が不可欠です。

この馬田隆明氏の著書『解像度を上げる』は、深さ、広さ、構造、そして時間という4つの視点から、曖昧な思考を明晰にし、問題解決の手法を提供してくれます。私の場合は、Webサイトの要件定義なんかでも、この視点が非常に役立ってます。

思考のクオリティを高めてより価値のあるWEBサイトを作りたいあなたに、おすすめの1冊です。

一番伝わる説明の順番(田中耕比古)

一番伝わる説明の順番

「…それで?」とよく言われる人にオススメの本です笑

例えば、案件の概要説明、プレゼンテーション、進捗報告などのシーンで「結局、何が言いたいの?」などと言われた経験はありませんか?

ビジネスの基本でありつつも意外と難しく苦手とする人が多いのが、物事を説明して齟齬なく理解してもらうこと。本書では、[1] 何をどの順番で説明するのか意識する、[2] 説明する相手の理解レベルを意識する、[3] 何を言いたいのか決めてから話すなどをが詳しく解説されており、本書を読んで「何をどの順番で話すか」を身に付けることで、「説明がうまいね!」と言われること間違いないでしょう。

また、この本を読んでおくと説明の際に押さえるべきポイントも掴むことができるため、アジェンダ作成やプレゼンテーションの準備もスムーズに進めることができるようになります。

結果、あなたの印象のみならず、仕事の成果も上がっていくと思います。ぜひ!

Sales is 科学的に成果をコントロールする営業術(今井 晶也)

Sales is 科学的に成果をコントロールする営業術

「営業」というと、「数字を追い求めて商品を売り込む人」のようなイメージがあるかもしれませんが、本書では、仕事を頼まれるディレクター(人)になるためのマインドや、頼まれた後にもしっかりと成果を出すための方法など、基礎から応用まで網羅的に解説されています。

ディレクターとしては、Webにおける「成果」を求められる場面が非常に多くあります。全く成果の無いWEBサイトを作っては意味がありません。

また、その成果をそもそも発揮するためには、クライアントや上司から「案件を任される」=「案件を任される状態を形成しておく」必要があります。

たとえ実績が乏しくとも、信用できる人に仕事を頼みますからね。あなたなら課題を解決してくれそうという「可能性の見える化」をクライアントや上司にどうやって振りまくかなども普段から意識する必要があります。

かつ、その成果というゴールにたどり着くまでには、途中のプロセスにあたる「行動管理」「案件管理」が重要であり、「たまたま成果が出た」では次の案件に活かせません。

何かあったら相談される無敵ポジションの獲得であったり、サイト制作の成功を目指したいのであれば、ぜひ読んでおきたい良書です。

人を動かす(D・カーネギー)

人を動かす

この本は有名すぎるほどかと思いますが、それほどバイブル的なことがかかれており、私自身、愛読している本です。

ディレクターである以上、案件を進行し完遂させるためには、制作チームやクライアンなどの「人を動かす」ことは避けられません。良質な人間関係構築がより一層求められます。それでもやはり他人を動かすのは一筋縄ではいかないし、苦手な人は多いと思います(私もその一人)。

ただ本書におけるデールカーネギーは「人を動かす」のなかで30の原則を提唱しており、この原則を知って学び、身に付け、行動することによって、才能や能力にかかわらず誰でもこのスキルを身に付けることができるとしています。

その原則は、「人を動かす3原則」「人に好かれる6原則」「人を説得する12原則」「人を変える9原則」の合計30の原則を物語調で学ぶことができます。

もちろん仕事以外の私生活や人間関係にも活かせる内容でもあるので、誰にとっても読んでおいて損の無い一冊です。豊かで実りある人生を送りたいなら、ぜひ。

すべての仕事はクリエイティブディレクションである。(古川裕也)

すべての仕事はクリエイティブディレクションである。

「クリエイティブ・ディレクションとは何か」、
「クリエイティブ・ディレクターとは誰か」。

クリエイティブディレクターとして有名な古川裕也さんの本です。

本書では「課題→アイデア→エクゼキューション(実行)」をする役目としています。そしてこの役目は、ディレクターのみならず、どの職種でも同じプロセスを経ており、クリエイティブ・ディレクションという方法がどの仕事においても応用の効く考え方であり技術だと。

ディレクターはもちろん、WEB制作というクリエイティブな仕事のみならず、モノゴトや暮らしを良い方向へ導きたい・世の中にあふれる課題を解決したいと日々努力しているすべてのビジネスパーソンへおすすめしたい一冊です。

今ならKindle Unlimited対象本です。

コンサル一年目が学ぶこと 新人・就活生からベテラン社員まで一生役立つ究極のベーシックスキル30選(大石哲之)

コンサル一年目が学ぶこと

WEBディレクターとしてクライアントの窓口をしていると、やはりコンサル的なアドバイスや、WEBないしデジタル全般を使った課題解決方法を求められることも。

本書では、新人からベテランまで今日から使える必ず身に付けているベーシックスキルを30個として厳選されています。「一年目」いわゆる「初心者」が直面する課題や成長の機会はもちろん、将来的な目線でにプロフェッショナルなスキルを磨くための実践的なアドバイスなども書かれています。

職業・業界を問わず役立つ普遍的なスキルが書かれており、「ビジネスマナー書」ともいえると思います。

WEBディレクターとして外との窓役になる最初の一歩を踏み出す時など、ぜひ読んでもらいたいおすすめの本です。

デジタルマーケティングの定石 なぜマーケターは「成果の出ない施策」を繰り返すのか?(垣内勇威)

デジタルマーケティングの定石 なぜマーケターは「成果の出ない施策」を繰り返すのか?

こちらは、私がWeb制作会社に入社してすぐに代表からオススメされた本。

実は、「成果を出せるWEBサイトの作り方」が存在します

「デジタル」でありつつ「マーケティング施策」も欠かせないのがWEBサイト。スピードの速いWEB業界と言えど、成果を出すための「定石」「パターン」があります。まずは本書の定石に従ってマーケティング施策を打てば「8割うまくいく」。逆に、失敗する施策もすでにデータとして出ているということです。

本書では、国内33,000以上のWEBサイト閲覧履歴データを分析した結果をもとに開発したデジタルマーケティングの定石を、デジタルにできること・できないこと、得意なこと不得意なこと、デジタルの特性・人間の特性なども踏まえて、惜しみなく解説してくれています。

Webの歴史がすでに証明したことの再発明をしないためにも、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

イシューからはじめよ ― 知的生産の「シンプルな本質」(安宅和人)

イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

「何から手を付けていいか分からない」「やる仕事が多すぎる」と嘆いてはいませんか?

日々直面する問題や課題は、複雑であり、解決策を見つけることは容易ではありませんが、その解決策の核心には常に「シンプルな本質」が存在します。本書はその「シンプルな本質」に焦点を当て、知的生産を探求している本です。複雑な問題に取り組む際に役立つフレームワークを提供してくれており、新たな視点や洞察をもたらしてくれるはずです。

なお本書は、読書を普段しない人や、ビジネス的な考え方に触れてこなかった人にとっては少し難しいかもしれません(私自身が新人の頃に読んだ時は、難しくて読むのがしんどかったのを覚えています)。

本書では、「あなたが問題だと思っていることのほとんどが「いま、この局面でケリをつけるべき問題=イシュー」ではない、と。(この本を読んでいると今自分がやっていることって…となることもあります…)。AIが普及した昨今、AIがやるのか自分がやるのか、そういった場面でも考えるキッカケになると思います。ぜひ。

20歳の自分に受けさせたい文章講義(古賀史健)

20歳の自分に受けさせたい文章講義

本書は、『嫌われる勇気』という本でも有名な古賀史健さんの、もうひとつのベストセラーとも呼ばれている本です。少しライター向きな本ではあるものの、文章のリズム、作り方、接続詞の付け方といった「文章の書き方の型」を一通り学べるので、普段から文章を書く事にコンプレックスがある人に特におすすめの本です。

WEBディレクターのみならず、仕事をしている以上、文章だけで誰かに伝えなきゃいけない場面や、相手の意図や表情を文章だけで読み解かなきゃいけない場面が多くあります。

また、本書では「文章とは、頭のなかのぐるぐるを、伝わる言葉に〝翻訳〟したものである。」と書かれており、そもそも文章を書く意味についても何かヒントを得られるかもしれません。自分の頭の中を理解するのに役立つことでしょう。

ぜひ、普段文章を書く事が無い人や、誰かと会話する時の話の構成建てなどにも応用してみてはいかがでしょうか。

センスは知識からはじまる

センスは知識からはじまる

本書はその名の通り、「センスは知識からはじまる」ことを伝える本です。

「センス」と聞くと「生まれきの才能でしょ?」と思う人もいるかもしれませんが、本書ではそれを否定しています。センスは知識から生まれるものであって、何も生まれ持ったものではないとのこと。この理由やセンスによって仕事を最適化させ、センスを磨き仕事力を向上させるヒントが書かれています。

自分にはセンスがないからって諦めていたことも、知識がないのだからできなくて当たり前です。ぜひこの本を読んで、自分自身に対し「知る努力をしたのか?」と問い直してみてください。

「センス」の認識が180度変わる、素敵な本です。

最後に一言 - 『ビジネス感覚無しに、クリエイティブは難しい』

以上、私が新人WEBディレクターの時から重宝し続けている本12選の紹介でした。

もちろん、Web制作となると、この限りではありません。以前私がnoteで嬉しくも大反響をいただいた、【多すぎ】Webディレクターに求められるスキルとツール総まとめ|TANAYAN|Webディレクター・ライター (note.com) の記事にもあるように、デザインやコード、SEOやサーバーなど多岐にわたる知識が必要です。

しかし、デザイナーやエンジニアの方と接していると、ビジネス感覚、ビジネスとしての前提が抜けていて話ができない場面が稀にあります。どんなに制作面の技術を持っている方でも、これらが無いと、表には出しませんが話にくいな…と内心思ってしまいます。

もし、「技術は自信あるのに仕事がもらえない」とかの類で悩んでいる方いたら、今回紹介したような本を読んでみてはいかがでしょうか。少し世界が変わるはずです。私自身、変わりました。むしろ技術を持たずとも何とかなる場面が増えました。

そういう意味でも、本記事ではあえて、「WEBディレクターの仕事」や「デザイン書」のような、いわゆる「職業に特化した技術本」は省いています

なお、私自身が読んでいないけど気になる本もたくさんあります。いずれ紹介できればと思っています。気が向いたときにしか記事を出さないマイペースな私ですが、ぜひ、フォローやいいねをしてお待ちいただけると嬉しいです。

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