- 運営しているクリエイター
#ファンタジー
アンバーグリスの心臓
クジラ狩りの船団が空と海とに浮いていた。
初猟日の空はその年も底抜けに晴れて、天国の跡地まで見通せそうだった。
人だかりのできる港を避けて、ミオは町はずれの砂浜で一人、遠ざかる船影を見送った。
武装飛行船の細い腹はみるみる小さくなって、もう米粒のようだ。その影を追いかけるように、網や大砲を積んだ大型漁船の群れが海上を走っていく。
漁船の一つにはミオの父親も乗っていた。
家を出る前の早朝、父は身支
神の化石 -ガリュンルガプ博物誌-
最初に言っておく。
この物語は夢オチで終わる。
その上伏線も一切回収されない。
なげっぱなしである。
つまり佐伯、お前が間違いなく不満を覚えるであろう物語だ。
だが、現実なんてそんなものである。
それを、今からわからせる。
心して読め。
しかるのちに凹めばいい。
その博物館には、神の化石が展示されている。
走る電車から眺める外の光景に、忍者もしくはマリオを走らせたことのな
Who Let The One Out?
ひょんなことから時間移動できるようになった俺は適当に10年くらい前にタイムスリップしてどこかの家から金をかっぱらおうとしていた。
俺の住んでいたホワイトレスト駒川は10年前は一軒の平屋だったらしく、部屋で適当にタイムスリップすると俺はその知らん平屋の庭であぐらをかいていた。
俺はあたりを見渡す。すると、その縁側のところに、肘掛け付きの籐椅子に座って日光浴をしているババアがいた。
「ババアだ。