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「公共」が生み出す新しい「交流」

column vol.1178

私たちが日々生活する中で様々な公共インフラを利用していますが、最近は新しい「交流」を生み出す取り組みが見られています。

例えば、です。

駅は多くの人々が行き交うだけに、そこを拠点に多彩なつながりを結んでいこうという動きが感じられます。

〜ということで、本日は「公共」を軸に、そんな新鮮な取り組みをお届けいたします。

ぜひ、最後までお付き合いくださいませ😊

駅で生まれる “チャンス” のマッチング

まず最初は、冒頭に触れた駅にまつわるトピックからご紹介したいと思います。

上越新幹線の燕三条駅(新潟県)には、「みどりの窓口」ならぬ「こうばの窓口」があります。

これは全国でも、ここだけの取り組み。

一体、何を目的としているのか分かりますでしょうか?

〈日経ビジネス / 2024年4月1日〉

エントランスの様子はこちらです。

JRELOCALHUB / 燕三条 こうばの窓口

実は、こうばの窓口とは、燕三条地域の技術人々をつなぐ地方創生型ワークプレイス

2023年2月に開設した「JRE Local Hub(ローカル・ハブ)燕三条」の総合窓口となっているのです。

ものづくりコンシェルジュが常駐しており、地元の100以上の工場とのビジネスマッチングを行い、商品開発をサポート

燕三条といえば洋食器三条市刃物で有名な金属加工の街として知られていますが、JR東日本白山弘子・執行役員新潟支社長

「地域にものづくりの技術はあるのだが、工場の1つ1つが非常に小さいので、営業力がなく仕事を取ってこられない。また、技術力があってもデザインがいま一つということもある」

と課題を語っていらっしゃいます。

首都圏など地域の外からのニーズをかみ砕いてマッチングさせることで、地場産業の安定性を高めていく

開設から1年で、約100件の商談が寄せられたそうなのですが、そのうち、23年12月時点で36件のマッチングが成立しております。

まさに駅の強みを活かした新たな交流のカタチの好事例なのではないでしょうか。

マンホールが「聖地巡礼」の地に

続いては、道路です。

いや、正確に言えば「マンホール」

東京では今、「聖地巡礼」スポットになっているマンホールがあるのをご存知でしょうか?

〈FNNプライムオンライン / 2024年4月3日〉

FNNプライムオンライン

そうです、『美少女戦士セーラームーン』のキャラクターが描かれたマンホールです。

セーラームーンを愛する方には説明不要だとは思いますが、港区にゆかりが深い作品ということで、今回の取り組みで路上を観光スポット化

設置場所ゆかりのスポットを記したオリジナルマップなども配布することで、作品ファンマンホール愛好家を始めとする国内外からの観光客などの誘客周遊につなげています。

設置場所は以下、5ヵ所(5作品)。

港区 公式サイト

(1)セーラームーン&タキシード仮面:麻布十番商店街入口(麻布十番2-1先)
(2)セーラー5戦士(青):芝公園付近(みなと図書館前)(芝公園3-2-25先)
(3)うさぎ&亜美&レイ&まこと&美奈子:東洋英和女学院小学部・幼稚園前(六本木5-6-14先)
(4)セーラー5戦士(新緑):東京タワー付近(芝給水所前)(芝公園3-6-7先)
(5)セーラー5戦士(檸檬色):慶応仲通り商店街入口(芝5-20先)

詳細が気になる方は、ぜひ港区の公式サイトをご覧いただければと思いますが

〈港区 / 公式サイト〉

5ヵ所は全て作品にゆかりのある地

まさに聖地巡礼の場所なのです。

ちなみに、4月26日(金曜)午前9時から「マンホールカード」が配布されるとのこと。

港区 公式サイト

配布場所は、港区観光インフォメーションセンター(札の辻スクエア)とのことです。

GWの東京散策を目的に、ファン同士の熱き交流が見られたそうです。

今後は、セーラームーンに続けと、オリジナルマンホールを起点にした地域活性が活発化していくことでしょう。

美術館でカップルの大切な一日を

最後は、公共施設の話題で締め括りたいと思います。

お隣りの韓国博物館や美術館を舞台にした新しい取り組みが見られているのです。

それは「結婚式」

近年韓国の若者に広がる結婚離れに歯止めをかけるための施策として、国内にある数十の国公立美術館・博物館を結婚式場として開放していくそうです。

〈ART NEWS JAPAN / 2024年3月15日〉

同国では、生活費の上昇、低賃金、その他の個人的な財政に影響を与える要因を理由に、2013年から2023年間の婚姻数が40%も減少

韓国統計庁の調査によると、20代と30代の回答者が結婚しない理由の上位に挙げたのは、結婚費用が高額なことによる資金不足だったそうです。

実はこれまでも120以上の公共施設手ごろな価格の結婚式場として提供されてきたのですが、…やはり、

「ロマンチックさやエモーショナル感はほとんどない」

と、多くのカップルが敬遠してしまっていたそうです…

そこで先月、博物館や美術館の開放を政府が発表

今回の施策について財務省の関係者

「民間の結婚式場とは異なり、屋外に式場を設けるなど、若者が場所をカスタマイズできることに重点を置く

とコメントしているように、大切な一日を素晴らしいものにするべく、国を挙げて取り組んでいくとのこと。

費用や予約など、会場の使用に関する詳細は上半期中に決定し、年明けには専用ウェブサイトが開設されるそうです。

ここから、またどんなドラマが生まれていくのか?

今後に注目したいところです。

〜とうことで、本日は【「公共」が生み出す新しい「交流」】と題して、様々な新しい取り組みをお届けして参りました。

公共物を柔軟な視点で眺めてみると、思わぬ斬新な発想が生まれるかもしれません。

いやいや、これは全てのことに言えるでしょうね。

柔軟な視点からの斬新な発想

AI時代、VUCA時代というパラダイムシフトの中で、改めて大切なことを確認できました😊

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!

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