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「ひとり言」の魔力

column vol.1158

私の妻はひとり言が多く、特に彼女が何か作業をしている時にそれを感じます。

これって、どういうことなのかな…?と、ちらほら思っていたところ、その答えを示してくれる一冊に出会いました。

それは、脳内科医加藤俊徳先生の新刊『なぜうまくいく人は「ひとり言」が多いのか?』です。

〈なぜうまくいく人は「ひとり言」が多いのか? / 加藤俊徳氏〉

同書のご紹介記事がこちらとなります。

〈東洋経済オンライン / 2024年3月5日〉

「ひとり言」が多い人はうまくいく

その真相に迫りたいと思います😊


「思考作業」は言語によって行われる

まず、ひとり言のメカニズムについて見える化いたします。

普段、私たちは大量の情報を脳にインプットします。

その上で思考を巡らせたり、実際に行動に移すわけですが、ここで重要になるのが「言語」です。

右脳が司るイメージやインスピレーションといった「非言語的」な情報と、左脳が司る「言語的」な情報があるというのは周知のことですが、全ては左脳の思考作用によって情報を整理・選択し、結び付けたり変換したりしてアウトプットしているとのこと。

この思考作業は基本的には「言語」によって行われており、その時の思考が、言葉になって漏れ出しているのが、ひとり言になります。

つまり、ひとり言とは、脳の思考の働きそのもの

妻が何かの作業中に、ひとり言が多いのも思考の流れが漏れ出てしまっているのです(笑)

逆にひとり言を使い、意図的に行動手順を整理する方法もあります。

〈STUDY HACKER / 2016年6月29日〉

難しい問題を解いている時や、複雑なことを考えている時、思考があっちに行ったりこっちに行ったり、なかなかまとまらないこともあるでしょう。

こうした時、誰か聴き手がいることをイメージしながら、説明するようにひとり言を話す自分の考えが整理され、重要な点にも気づけるようになるとのこと。

私はこれをよく紙に書くことで整理しています。

重要なのは思考作業は「言語」によって行われるということなのです。

ひとり言は「集中力」の源

ひとり言は言葉による思考作業のアウトプットということは、逆に言えばひとり言(アウトプット)から、自分の思考をコントロールすることもできる

分かりやすいところでいえば「集中力アップ」です。

例えば今、「美味しいドライカレー」とつぶやいてみてみてください。

………。

恐らく、頭に「美味しいドライカレー」という言葉か、その絵が浮かんだのではないでしょうか?

そして、きっと、その間は他のことを考えなかったという方も多いでしょう。

つまり、ひとり言によって自分が取り組みたいことに集中しやすい状況をつくることができます。

私もテレビをダラダラと観ている時、「さ、掃除をしよっと!」と言うと、気持ちが切り替えやすくなります。

ちなみに、ひとり言(無意識のつぶやき)とは違いますが、私は資料を読み込みたい日は、なるべくリモートワークを選択するのですが、それは「声を出せる環境」だからです。

当然、どこにいても、様々な人から様々な連絡が来ますが、その度に読むことが寸断されます

一時的に集中が途切れるくらいなら良いですが、また資料に集中したくても、それまでの感情や思考を引きずってしまうことも多い…

そんな時は、また読み込みに集中するため、資料の文章を読み上げるようにしています。

声に出して文章を読むうちに、自分の声が自分の耳に入ることも手伝って、インプットに集中することができるのです。

ちなみに、声に出すことは、記憶の活性化にもつながるとのこと。

一度インプットした知識をアウトプットしていることで記憶は定着しやすくなるのです。

(ひとり言を言うことで脳にその知識を再認識させ、学習させることができます)

さらに、自ら発した声は音になって聞こえるので、耳から覚えることも可能になります。

ですから、記憶に残したいことがあれば、積極的に声に出してみると良いのです。

ひとり言で「なりたい自分」を叶える

セルフコントロールに関しては、当然、長期視点で自分を導くこともできます。

よく「必ず〇〇を達成する」「試験に合格する」という風に口にすることが大事と言いますが、脳内科医の加藤先生によると

そもそも脳とは目的達成のための臓器

であると、仰っています。

私たちの脳は思考や記憶、感情や運動など、それぞれの得意分野に分かれています

なぜそういう区分けができたのか?

それは、例えば思考や記憶をするため、感情を働かせるといったように、目的に対応するために脳がカタチづくられてきたという経緯があります。

ですから、脳自体が生産的な活動を行うには、「目的」というものが不可欠となります。

それが

脳自体が最初から目的達成のためにつくられている

所以なのです。

逆に言えば、目的があれば、脳は1つにまとまって、一気にそれに向かって動き出せる

そのきっかけが「ひとり言」になるのです。

よく「言霊」と言いますが、まさにこの仕組みが分かると納得できますね。

私も誰かから言わせれば、何かしらのひとり言(無意識のつぶやき)を言っているのかもしれませんが、普段の自分を振り返ると、1つだけ思い当たる節があります。

それは、「YDK」です。

何か大きなことに挑む時は、「YDK、YDK」と言っているかもしれません。

YDKとは、「れば(Y)きる(D)子(K)」。

明光義塾のコンセプトで、テレビCMなどでご覧になって知っている方もいらっしゃるでしょう。

大抵のことは何とかなる、という意味で使っています。

こうした言葉をつぶやくことで、無意識にポジティブ思考へと自分を導いているのでしょう。

ちなみに、アインシュタインもよくひとり言を言っていたらしいですよー

〜というわけで、「ひとり言が多い人はうまくいく」という理屈を、「そうかもね〜」と感じていただけたら幸いです😊

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます!


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