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リモートワークは足がつる

 リモートワークが始まって早一か月。多くの方が否応なしに変革を迫られている環境で、それでもなんとか適応してきているのを感じる。日々の臨床を重ねて十数年、こんな大きく生活様式や日常行動に変容が起こったのは初めてのことだと思う。
 このひと月で起きた身体の変化に、自分の施術やセッションを適応させている真っただ中であるが、いくつか見えてきたことがあるので書き留めておく。治療家として私の経験が誰かの役に立てたらうれしく思い書いている。


あしが「攣る(つる)」という現象

 誰でも一度は経験があると思う足が「つる」という現象。夜中、ふいに目が覚めた直後や、激しい運動をしているとき、また旅先で長い時間歩いた後など発生するケースはまちまちだが、原因は疲労であることが多い。
 リモートワークで運動量が減ると、足は疲れないため「つる」といいう現象は少なくなりそうだが、4月に入って訴える方が増えている。
 絶対的な移動距離が少なくなり、足にかかる負荷はまちがえなく低下しているのに足がつるという現象について私なりに以下のような考察をしている。

ふくらはぎの筋肉

 ふくらはぎの筋肉といえば「腓腹筋」と「ヒラメ筋」大きくはこの2つだけである。個人的にヒラメ筋はサロンパスのヒラメ張りCMで全国区だと認識している。ちなみにサロンパスを足裏に張って飛行機に乗るとむくみ対策として効果が高いので自粛明けにはぜひ試していただきたい。ただし臭いには注意!!

こちらが腓腹筋とヒラメ筋

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どちらも足首を下方向へ曲げる(伸展させる)筋肉で、面積が大きく歩いているときに地面をけり出す筋肉である。どちらも下のほうでアキレス腱へ移行して踵の骨にくっついている。背伸びをして踵を持ち上げる動作がそのままトレーニングとなり「ヒールレイズ」や「カーフレイズ」と呼ばれている。

ふくらはぎの大切な役割

 前述した踵を上げる動きや、歩くときに地面をけり出す役割によってふくらはぎは血液や水分を心臓へ戻すという役割がある。これはミルキングアクション=筋ポンプ作用と呼ばれている。
 身体の勉強をした人は必ず聞いたことがある役割でおそらくどの教科書にもふくらはぎの筋肉紹介で掲載されていると思う。そしてこれが本当に大切!!と、今回のコロナ騒動で再確認した。

原因は活動量の低下!

 逆説的ではあるが、通勤や通学という行為は運動量の確保に役立っていたのだと改めて思う。活動量の低下によって歩く時間が減少し、ふくらはぎの筋肉を使う機会が減少した。その結果、本来心臓へ戻るべき血液や水分、血液中の疲労物質がふくらはぎに蓄積してその結果あしが「つる」という現象を引き起こしているようだ。
 さらに長時間の座り姿勢でお腹まわりが固くなり、股関節が後ろに伸びなくなっているのも原因のひとつである。これによってふくらはぎの筋肉は局所的にすごい負荷がかかっているため、より攣りやすい状態をつくり出している。このお腹まわり実は大きなポイントなので別で解説します、後日。

ふくらはぎ対策はこれがお勧め!

 まずはお風呂で湯船に浸かること。水圧をかけて溜まった水分や疲労物質を流し、循環を促進する効果があります。そして「ヒートショックプロテイン」こちらはふくらはぎのみならず、全身を回復させるうえでとても大切な要素です。
 そして背伸び運動を20回。少なくなってしまった分の運動量を担保するためにもやっておきましょう。またジワジワ来ている縄跳びもおすすめの運動です。最近はこんな重たい縄跳びも。


 これでおおよそ改善は見込めるはず!とそれでも足がつってしまう人は専門家に一度相談してみましょう。お腹をかためるについては近日公開します。

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