『宇宙戦争の発端』 小さな丘で少女が一人、夜空を仰いでいました。 「わぁ…きれい」 突然降ってきた、銀に輝く流れ星。 「あ、お願い事しなくちゃ」 お星さまは一筋…
『潔癖な幽霊』 古びた二階建てアパートの203号室。 ふと目に入ったのは、艶のある長い黒髪。 もちろん僕の髪じゃない。 ベッドに落ちていたぐらい、最初は気にしてい…
『嘘』 「私は嘘つきだ」 このシンプルで単純な一言が、素敵だった世界をフリーズさせてしまったらしい。 嘘つきがいなくならないのなら、嘘をなくせばいい。そんなメチ…
『左利きの彼女』 控え目な胸を介して伝わってくる鼓動。耳にかかる吐息。 「私は鏡の世界から来たのだ」 何気なく言った僕の「左利きなんだね」に、不思議の国からやっ…
みず
2019年10月26日 19:56
『宇宙戦争の発端』小さな丘で少女が一人、夜空を仰いでいました。「わぁ…きれい」突然降ってきた、銀に輝く流れ星。「あ、お願い事しなくちゃ」お星さまは一筋の光を残し、すでにどこかへと消えていましたが、少女は手を組み、願います。『みんな仲良くなりますように』
2019年9月15日 15:24
『潔癖な幽霊』古びた二階建てアパートの203号室。ふと目に入ったのは、艶のある長い黒髪。もちろん僕の髪じゃない。ベッドに落ちていたぐらい、最初は気にしていなかったさ。だけど、日を追うごとに増えていく髪が気持ち悪くって。勝手に掃除をしたら、彼女驚いてたよ。
2019年9月14日 18:10
『嘘』「私は嘘つきだ」このシンプルで単純な一言が、素敵だった世界をフリーズさせてしまったらしい。嘘つきがいなくならないのなら、嘘をなくせばいい。そんなメチャクチャな理屈で、神様はみんなの言葉に魔法をかけたんだ。「今のは、嘘だよ」困ってる世界にそう言ってあげた。
2019年8月22日 01:26
『左利きの彼女』控え目な胸を介して伝わってくる鼓動。耳にかかる吐息。「私は鏡の世界から来たのだ」何気なく言った僕の「左利きなんだね」に、不思議の国からやって来たお嬢様は確かにそう言っていた。拭い切れない違和感。僕と彼女の心臓は何故だかぴったりと重なっていて。