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質問089:セルフトークをなくすには?

ご無沙汰しています。
※※です。
頭の中のセルフトークがプレーのジャマをするというのは、まさに目から鱗でした。
今まで、コーチの言うアドバイスを意識しながらやればやるほどうまくいくと信じてやっていましたが、それらのことは一切忘れてセルフトークをやめるだけで、これまで試合になるとなかなか安定しなかったフォアが、すごく安定するようになりました。
ただ、気がつくとつい、セルフトークしていることがあります。
ではなぜ、セルフトークしてしまうのでしょうか?
その原因がわかれば、セルフトークしなくてもすむようになれる気がします。
よいお返事を期待しています。


回答


▶不安があると、セルフトークで理論武装したくなる

 
不安になると、人は理論武装で「口数が多く」なる、と言えば分かりやすいでしょうか。
 
それがプレー中に、頭のなかで起こっていらっしゃいます。
 
テニスに関して不安だから、「低いボールはヒザを曲げればいいんだ!」「しっかり振り切ればスピンがかかる!」「ボレーはテイクバックをコンパクトに!」など、成功させたいあまり、あるいはミスを避けたいあまり、いろんな脳内トークが盛んになると疑われます。

 

▶セルフトークが始まると、注意のベクトルが「真逆」になる

 
不安がなければ、そのようなトークは、あまりないと思います。
 
たとえば私たちは自転車に乗るときに、セルフトークするでしょうか?
 
しないですよね。
 
「バランスを取らなきゃ!」「リラックスしなきゃ!」なんて、頭のなかで会話しません。
 
会話しないから、上手に乗れるのです。
 
自転車程度なら、会話しながらでも乗れるかもしれませんけれども、「バランスを取らなきゃ!」「リラックスしなきゃ!」などの考え事をしていたら、事故を起こす確率は上がります。
 
なぜなら考え事をすると、注意のベクトルが頭の「内」に向かうため、人が飛び出してくるなどの周囲の「外」には鈍感になるためです。
 

▶セルフトークで人は「鈍感」になる

 
考え事をすると、ボールのスピード感や距離感を捉える感覚のセンサーが鈍感になるし、急に飛び出してくる相手前衛の挙動に対する反応なども遅れます。
 
思考と感覚は相反するトレードオフの関係だからです。
 
するとますます不安になり、「相手前衛のポーチに捕まらないようにコントロールしなきゃ!」「そのためには体を横向きにして……」などなど、自分でも気づかないうちに、いつの間にやらセルフトークに巻き込まれます。
 
セルフトークが始まると、さらにセンサーの感度が落ち、反応も遅れて……という悪循環にハマり込みかねません。

不安だから、仰せのような「コーチの言うアドバイスを意識しながらやればやるほど状態」なのでしょうけれども、それだと、セルフトークは止まらなくなります。

というよりもそれこそが、お尋ねいただいているセルフトークの原因そのものです。


▶「言語」で行われる特徴を逆手に取り、「非言語」でプレー


とはいえ、不安のない人はいません。

目に映るすべての人の頭の上には、何も考えていないように見えて、「ふきだし」が付いています。

不安になるから、危険を事前に回避したりする防衛本能も、上手く機能してくれます。
 
ただしそれが過剰になったり、思い込みだったりすると、先述した悪循環を招く。

そこでそれをやめる、考え事をなくす、セルフトークを黙らせるのが、『究極のテニス上達法~無心で打てば、あなたはもっと上手くなる!』というわけです。
 
セルフトークが「言語」で行われる特徴を逆手に取り、「非言語」を扱うところがユニーク。

それによりテニスが、より「感覚的」になるのです。

 

▶ナダルの「ラケッティング瞑想」!?

 
思考を介さずに、五感で捕えた状況・情報に応じて、手足を含む体がダイレクトに反応するハンド・アイ・コーディネーションが機能します。
 
そうでなければ、こちらでご紹介しているラファエル・ナダルのようなパフォーマンスは叶いません。
 
このときのナダルは、グリップの持ち方とか、ラケットの動かし方とか、いわゆる「フォーム」について考える「セルフトーク」などを、一切していない「無心」です。
 
いわば「ラケッティング瞑想」
 
「フォーム」なんて関係なく、打球タイミングよく、(フレームの)芯でボールを捉えれば、ミスはしません(その理由については「無料ガイドブック『テニス上達のヒント』」をご覧ください」)。
 
むしろ「フォーム」を意識(セルフトーク)するから、打球タイミングを外し、それによって芯も外す。
 
テニスもこれと、まったく同じなのです。

 

▶嘘をつけばつくほど「損をする」!?

 
不安になると、人は理論武装で口数が多くなる、と先述しました。

これは蛇足の話ですが、ひとつ嘘をつくと、その場では上手くやり過ごせて、「トク」したような気分になるかもしれません。
 
けれども内実は、バレないように……と「不安」になるから、それを補強するために800個もの嘘で武装しなければならなくなるというのが、「嘘八百」に関する私なりの意訳です。
 
事実と嘘との記憶回線が、時間が経つにつれ混線し、長い目で見れば認知にゆがみが生じるから「嘘は大損!」というプロセスについては、こちらでご説明しているとおりです。
 
「不安」だから、セルフトークが多くなる。
 
ですから結局は、「ボールに集中しさえすればよい」という原点に回帰するわけですね。
 
キーワードは、いつも「今」
 

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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