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白饅頭日誌:11月23日「日本保守党は日本社会のチェンジメーカーとなるか?」

 ここ最近マシュマロでもメールでも「日本保守党」についてのやたらと質問が多くなっている。まだ衆参いずれの選挙も経験していないためかれらを国政政党であるとは言い難いのだが、とりあえず現時点での政治的・社会的な評価について、あくまで私個人の考えを備忘録的に書いておきたい。

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 先日行われた梅田駅前での街宣はSNSでも大きな騒動になっていた。

( https://twitter.com/Nzl0Ybx/status/1723590679543324945 より引用 )

 あらかじめ集会を行うことを関係機関と連携していなかったなどの不手際があり、警察や近隣店舗ともトラブルになるなど大きな混乱をきたしてしまったようだ。将棋倒しのリスクもあっただろうし、批判が起こってしまうのはもっともであるとは考える。

 しかしながら見方をかえれば、そもそも人が集まらない泡沫勢力であれば混乱も起こり得なかったわけで、百田氏率いる日本保守党には――それを是認するかどうかは別として――街を大混乱に陥れるほどの動員力が結党間もないこの時点でもうすでにあるということを意味してもいる。

 SNSでシェアされてきた写真や映像を見ると、その凄まじい動員力に驚かされる。演説も「迫真」というべき内容で、結党したかれらがネタではなく真顔で政治をやろうとしていることがうかがい知れるものだった。 

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 私はこれまで百田尚樹氏の著書を、小説作品を含めいくつか拝読している(もっとも、百田氏の著書に対してなにか批評をしたいから読んだわけではなく、なにも読まずに語るのは敬意に欠くと考えたからだ)。

 そのうえで述べるのだが、少なくとも氏の思想家・政治評論家としてのスタンスは保守派それも反欧米・反グローバリズムを軸とした真正右派と見て差し支えないだろう。西欧式の呼び方であれば極右である。ゆえにこの日本保守党についても、百田氏の極右思想に共鳴した人びとが大きなうねりをつくった――という評価を下す向き言論界ではもうすでにある。

 そうした評価について、個人的には全く間違いであるとまでは言わないものの、しかし日本保守党の勢力拡大を考えるうえで重大な核心を外してしまっている分析だろう。

 百田氏は右派言論人として人気を博していることは紛れもない事実だが、しかし日本保守党の登場はイコール「右派の台頭」ではない。

 
 この微妙な違いを認識しなければ、日本保守党の大きなうねりの背景にあるものを理解するのは難しいだろう。

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 上掲の梅田駅前の集会を見ても、表面的には「右派の台頭」に見えてしまうのはたしかに無理もないことだ。だが繰り返し述べるが、日本保守党の支持拡大は「右派の台頭」ではない。

 「右派の台頭」でなければいったいなにか? それはいわば――

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