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#58 『フレークワーク』の是々非々

2024年4月某日

事業企画などという職種で、デスクワークに従事していると、「フレークワーク」というものに頻繁に直面する。みなさんご存知の「SWOT分析」とか、「5フォース分析」とか、そういうやつである。筆者は過去にビジネススクールで学んでいた身分でもあり、仕事を進める際、「フレームワーク」を用いた分析というのが、(良くも悪くも)癖づいてしまっているところがある。ちょっと、「フレームワーク」について考えてみたい。

「フレークワーク」には賛否あることは承知している。ネットサーフィンしながら、反対側の意見を除いてみると、「①マスを埋めて、それっぽいものが出来上がるだけ」とか「②複雑なものは組織に浸透しない」とか「③一時的に実施されるだけで、変化に弱い」とか、色々ある。このような意見にも一理あると思うし、実際にフレームワークが機能していないケースも沢山目にしてきた。

しかし、である。筆者は基本的に「フレームワーク」による効果・効能は小さくないと考えている。先ほど列挙した反対側の指摘に対応するかたちで私見を述べると以下のようになる。

反対意見 その1:マスを埋めて、それっぽいものが出来上がるだけ

(私見)マスを埋めていくことで、少なくとも状況の「言語化」に至っており、チームメンバーと「共有」することができるようになっている。この効果が大きいと思う。マスに埋まった内容が「良い/悪い」「正しい/正しくない」を検討する土台があることで、その後の議論の質が上がり、結果として良い企画が生まれるのではないだろうか。

反対意見 その2:複雑なものは組織に浸透しない

(私見)フレームワークは、考えたことを言語化して、紙面に落とすツールである。そのため、複雑な議論を単純化するために用いられるものである。そのため、「フレームワークは複雑だ」という意見の主は、「共通認識・共通言語」などのベースなき議論(これを"空中戦"などという)が、どれだけ「複雑」であるかに気がついていない可能性がある。フレームワークは単純化のツールである。

反対意見 その3:一時的に実施されるだけで、変化に弱い

(私見)確かに一部のフレームワーク(例えば環境分析など)は、ある一時点を切り取って分析するため、現実世界の変化を動的に反映することは難しいかもしれない。ただし、一度でも、どこかの時点で分析を行なっておくことで、状況が変化した際、「どこがどのように変化したか」という「差分」を明らかにする「基準」として機能してくれる。理論の価値は本来ここにあるとも思う。

そんなことで、筆者はフレームワークが好きだ。多くの関係者と認識を合わせながら検討を進める過程で力を発揮するし、筆者のような凡人でも、勉強すれば一定使えるようになることも魅力である。

今度、「フレームワークや図解」をテーマに事業をつくってみようと思う。
ほなら。

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