『Notes of a Dirty Old Man』 Charles Bukowski ニューオーリンズ、フレンチ・クォーターでのことだ オレは路肩に立っていた アル中の酔っぱらいが壁にもたれかかっているのを眺めていた そいつは泣いていた そばを通りかかったイタリアンがそいつに聞く 「おまえはフレンチマンか?」 「ああ、そうだ、俺はフレンチマンだ」フレンチマンはそう言った イタリアンはそいつの顔を
『Notes of a Dirty Old Man』 Charles Bukowski ある夜、バーで136キロの女出会い、寝ることになった 他の誰もそんなことはしたくなかったがオレはやる気だった 女は脂肪のかたまりのマジのデブで風呂にすら入れない体型だった いったいこの女はどうなったらこうなるだ、 何がしたいんだ、 どうやってこれまで生きてきたんだ、 なんて退屈な質問はしたくなかった だからオレ
『Notes of a Dirty Old Man』 Charles Bukowski あの頃はいつも誰かがオレの部屋にいた オレがいようがいなかろうが関係なく そこに誰がいて誰がいないかオレは知らなかった ただの誰かだ 体だけはでかくなったやつらで、魂はない いつもパーティーが開かれていた 限られた運を薄く伸ばして 目の前の現実から目を背けるようなもんだ 2ドル数セントで部屋いっぱいのたわ言と
『Notes of a Dirty Old Man』 Charles Bukowski ある日の夜を思い出す 西地区のダウンタウンの薄暗がりにある バーにいたときのことだ その時オレはそのバーがある通りの角を曲がり 丘を少し登ったあたりに住んでいた まぁ、いずれにしろオレはそのバーにいて気分良く酔っ払い 若くてタフなオレはケンカ相手が欲しくてウズウズしていた オレは22,23で人生はまだ始まったば
『Notes of a Dirty Old Man』 Charles Bukowski ファンキーなブクへ わたしはあんたをファンキーなブクと呼ぶから なんでかって、あんたのことをロクデナシって思ってるから 怒らないで、だって私はあんたのキモいところが好きだから ーわたしをゾクゾクさせるの あんたがドレス姿の女を舐めるように眺めているときとか エレベーターの中でシコシコしてるときとか 女のパンツの
『Notes of a Dirty Old Man』 Charles Bukowski 1年に1度か2度手紙を受け取った 長い手紙だ だいたいクリスマスの前だ ”文章の練習に付き合って”女は言う エスキモーと結婚して2人だったか、3人だったかの子供がいる 女が言うには”本を書いた”と言う それは本棚に飾ってあって、子供たちのために書いたと 女はその本を誇りにしているとも 今は”人格
『Notes of a Dirty Old Man』 Charles Bukowski オレはいつものように仕事をクビになった 酔っ払っていた ガールフレンドのマギーと酔っ払っていた 昼過ぎに起きた クソったれの芝に水をやった 二日酔いで芝生の上に立つ オヤジがオレを嫌った理由を思い出した オレが働くことを嫌ったからだ 飲んで酔っぱらい女と寝て過ごしてきた 今ではオレはオヤジの匂いの染みついた家と
『Notes of a Dirty Old Man』 Charles Bukowski そこは綺麗なバーだった 巨体を担いだ若い男たちが座っていた 生活に酷使された暗い顔つきだ シーンと静まりかえっている 『スコッチアンドソーダをくれ』バーキープに言う やつは聞こえないふりをする 声のボリュームを上げる 「バーテンダー、スコッチアンドソーダをくれと言ったんだ!」 やつはじっくり時間をか