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趣味誌『片言』第6号について

 以下の記事で加藤武が編集した趣味誌『片言』を紹介してきたが、今回はこの雑誌の第6号を紹介したい。これまで紹介したものと同じく架蔵の雑誌は宮崎の民俗学研究者・日野巌の旧蔵資料である。

大きさ:約11.8cm×約16.8cm、謄写版印刷、和装本
印刷:昭和7年2月17日
発行:昭和7年2月20日
編集兼発行人:加藤武 東京市牛込区早稲田南三三
印刷所:小倉金城堂 東京牛込早稲田鶴巻町二八六
頁数:49頁

旧暦の春 木村弦三
高松の羽根つき唄 加藤増夫
ポッペンの話 人魚洞主人(川崎巨泉)
萩日吉神社の猿 加藤
博多の正月の景物 佐々木滋寛
蘇民将来 加藤
藤崎猿の土面 梅林新市
凧雑話 伊藤蝠堂
凧の民間行事 加藤武
「住吉人形」漫談 鷲見東一
越前名物三国山車と雛人形 内島玉峰
埼玉の玩具と絵馬 小澤國平
でんでん太鼓(編集後記) 郷玩荘主人

表紙
奥付
目次
日野の蔵書印

 川崎巨泉、梅林新市、伊藤蝠堂、鷲見東一など当時知られていた郷土玩具蒐集家が投稿しており、充実した誌面となっている。「でんでん太鼓」では、「片言も第六号を以て休刊致します」と述べられているので、最終号であったようだ。川口栄三『郷土玩具文献解題』(郷土玩具研究会、1966年)によれば、『片言』は第2期もあるので第1期の最終号ということであろう。最終号だからこそ充実したものになったのではないだろうか。

 執筆者の中で他の趣味誌には見られないのは小澤國平だろうか。以下のWebページによれば、小澤は埼玉県で教員をしながら考古学、自然科学の研究をしていたようである。小澤國平文庫には、絵葉書のスクラップもあるが、小澤は絵葉書や郷土玩具を蒐集していたのだろうか。

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