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健康年齢を伸ばす食事にシフトチェンジするきっかけ

(マガジン『赤の他人の食事を作ってる』その4)
 
 
 自炊一切なしのHさんが、食事の見直しを検討したきっかけは年齢。そしてより健康志向に比重が傾いたのが、自分のやっている事業の拡張。70に近いHさんだが、まだまだ事業は伸ばす予定。しかも昨年後半、具体的な仕事が舞い込んできた。人間こうなれば、欲が出る。健康年齢を伸ばそうと考えるのもうなずける。
 
 人は一つのことを手に入れると、別のものも手に入れようとする。ある程度カネを稼いだ年配者が幼稚園などを作って、実利よりも名誉の方にシフトチェンジするように。Hさんの健康意識もそれに少々近い。経済的な余裕があり、一息つける状態なので、健康に目が向いたのだ。
 そしてそこに、発展性のある事業計画。ちょうど健康を考えていたところに、より健康で長生きしたくなる具体的な理由が舞い降りた。それでより健康志向に突っ走ることになる。
 
 これが若い実業家だったら、自身で食材や調理法を調べて、人に頼らず取り組んでいたことだろう。しかし、前回記事(その3)で書いたように、Hさん、こんにゃくのあく抜きすら知らずに60余年をすごしてきてしまっている。どこから手を付けていいか分からない状態。それでぼくに話を振ってきた。
 
 その食事作成依頼が来るちょっと前、Hさんの家に行った。浄水器を取り付けるので、工事の人が来る前に台所を掃除しなければならないという。
 行くと、IHコンロの上に皿やコップなどが山積みされて使えない状態。調理場が単なる置き場と化している。アムウェイで買ったという高価な鍋やフライパンも使った形跡がない。「ちょっといいですか」と断って開けた冷蔵庫は、ヨーカドーの弁当、寿司、ラーメン、パスタが詰まっていた。
 
 この冷蔵庫を見ているので、ぼくは、敢えて無理に野菜中心としないのだ。おそらく中毒症状が出て、またレトルト食に戻ってしまうだろう。
 
 
 Hさんだけで決めるのは短絡的だが、勤め人よりも自営業の方が、高齢になったときに気持ちに張りがある展開が出現する分、健康的にすごしやすいのかもしれない。勤め人だと、Hさんのように70近くなって社会的に活躍できる場がなかなか生まれないだろうから。
 
 Hさんの新規事業が仮にうまくいかなかったとしても、大きくマイナスにならないのであれば、それはそれでよかったのではないか。それをきっかけに健康年齢を伸ばせたのだから。もっとも本人がそれに価値観を見出していれば、のハナシだが。

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