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受け継がれるクリームコロッケ。

実家の想い出のメニューというのは、人それぞれ色々あると思います。

いわゆるおふくろの味的な肉じゃがだったり、各家庭にそれぞれのレシピがあるカレーだったり。学生の頃お弁当の定番だった牛肉のしぐれ煮や甘い玉子焼きも自分にとっては懐かしい実家の味です。


🍽ハレの日のクリームコロッケ

日常のごはんだけではなく、お正月やお祭りで親戚が集まるときにだけつくってくれた、ハレの日のごちそうメニューも強く印象に残っています。

そんなひと品がこれ。

コロッケはコロッケでも、ポテトやひき肉ではなく、クリームコロッケです。

クリームコロッケって、洋食屋さんでもちょっと特別なポジションのメニューではないでしょうか。普通のじゃがいものコロッケは、つくるのにそれなりの手間がかかるわりに、主役という感じではないような。ミックスフライのような盛合せ的なメニューには登場するけど、単体のコロッケ定食みたいな感じではあまり存在しない気がします。

それに対してクリームコロッケ。こちらはメインにもなるし、ハンバーグやオムライスとのセットにも大人気。花形メニューのひとつです。

その理由を考えてみると、たぶんこうだろうなと思い当たるのが、つくるときのハードルの高さ。ポテトコロッケもじゃがいもを茹でて潰して、と手間はかかりますが、工程そのものは割とシンプル。

でもそれに対してクリームコロッケは、ホワイトソースをつくる手間があり、そこにはダマにならないかという不安があります。ソースがうまくできても、やわらかなタネをコロッケの形にまとめるのが大変。そして揚げるときには、破裂しやしないかとドキドキ。

そんなこんなで、家でつくるのは敬遠されがちで、外で食べるメニューというイメージがついたのではないでしょうか。

ただ、だからこそ実家では、みんなの集まるお祭りの日のごちそうメニューだったのでしょう。普段着のごはんにつくるにはハードルが高いけれど、特別な日にはつくるとみんなが喜んでくれる。親戚一同が箸をのばし、我先にと食べる姿が思い出せます。もちろん、自分も大好物でした。

🦀カニにアレンジしてつくります

母のつくるクリームコロッケのメインの具は、えび。なので懐かしい想い出の味もえびクリームコロッケなのですが、自分でつくるときはカニクリームにすることが多いです。

いつから自分でつくるようになったのかは、いまとなってはよく思い出せないけれど、レシピの基本的なところは母親のものを受け継いでいます。それをちょっとアレンジして、洋食屋さんのクリームコロッケに寄せてカニを使ってる感じです。

というわけで、今回はカニのクリームコロッケづくりのお話です。

カニは本物を買ってきて、茹でてほぐすとなると予算はかかるし大仕事。なので、カニのほぐし身の缶詰を使います。

🦀タネの材料(6個分)
・天ぷら粉…大さじ3
・バター…30グラム
・玉ねぎ…1/4個
・ベーコン…少々
・カニ缶…1缶(50グラム)
・白ワイン…1/4カップ
・粉末コンソメ…小匙1
・牛乳…200ml

🥛ホワイトソースづくり

カニ缶をしっかり水切りしてスタート。切った汁も使うので残しておきます。

玉ねぎと旨味出しのベーコンは、ごく細かくみじん切りします。あくまで主役はカニ缶なので、目立ちすぎないための配慮というところでしょうか。

ホワイトソースの材料はこの3つ。粉、バター、牛乳。

バターは30グラムでいいんですけど、1グラムオーバーしてしまいました。1グラムだけ取り除くのも大変なので、気にせずいきます。粉は小麦粉でもOKです。

バターを入れたお鍋を火にかけます。

バターが溶けてきたら玉ねぎとベーコンを加えて炒めます。

玉ねぎが透き通ってきたら、粉を合わせます。

練るようにバターを吸わせつつ、炒め合わせます。

こんな感じで全体がなめらかにまとまったら、火からおろします。

ダマになるのを防ぐのには、いったんルウを冷ますのがポイント。

冷めたらすこしずつ牛乳を加えていきます。すこし足したらヘラでルウを溶かし、それをくり返します。

全体がしっかり溶けて、クリームスープみたいになれば仕上げです。

コンソメを入れてまた火にかけます。

焦げ付かないようにヘラで混ぜながら、中火で加熱します。

ヘラで持ち上げてみて、とろりとした感じになればホワイトソースはできあがり。

ここでカニ缶登場。

ホワイトソースに合わせて、カニの身を崩しすぎない程度に混ぜます。

🥛冷やして固めて

混ざったら、ラップフィルムを敷いたバットに移します。

こんな感じで均一に広げて、冷まします。

バットの下にうつ伏せたバットをもう1枚、差し込むようにして敷くと、空間ができて早く冷めます。

ホワイトソースの粗熱が取れたら、冷蔵庫に入れて冷やしておきます。

💧ソースはダブルで

その間にソースづくり。

🍅トマトソースの材料
・トマトペースト
・にんにく
・玉ねぎ
・白ワイン
・ウスターソース
・こしょう

みじん切りにしたにんにく、玉ねぎに白ワインとトマトペースト、ウスターソースを加えて火にかけます。

半量になるまで煮詰めたら、火を止めてこしょうを足します。

今回のソースはトマトソース&タルタルソースのダブルソース。

タルタルソースのレシピは、こちらの記事で紹介しています。

🐽付け合せは豚汁

クリームコロッケを揚げる前に、付け合せになる豚汁もつくります。汁物が豚汁って嬉しいですよね。今回のメニュー構成は、定食屋さんとか庶民派の洋食屋さん的な感じを目指します。

豚肉と野菜いろいろ。今回はキャベツ、玉ねぎ、大根、にんじん、ねぎ、しめじなんかを入れました。基本的に豚肉が入っていれば豚汁なので、野菜はあるものがいろいろ使えて、冷蔵庫の整理にもいいメニューですよね。

具材が煮えたら、火を止めて、お味噌を溶かして完成です。仕上げにこしょうをするのがおすすめです。

🍽揚げたら完成

さあ、タネが冷えて固まったら、あとは揚げるだけ。

冷たくて固まってる間にタネを俵型にまとめて、水で溶いた天ぷら粉、パン粉の順で衣をつけます。

うん、いい感じ。クリームコロッケには俵型が似合います。実家のコロッケがこの形だったから、そう感じるのかも。

中のタネには火が通っているので、揚げるときは、やや高めの温度で衣を固めて色付けるように揚げていきます。

底になった面が固まったら返して、さらに揚げていく感じ。

両面きつね色になったら揚げ上がり。

揚がったらしっかり油を切っておきます。

🍽あのお皿に盛り付けます

ここからはいよいよ盛り付け。

お皿に付け合わせのキャベツを載せたら、トマトとタルタルのダブルソースを敷きます。

それぞれのソースの上にクリームコロッケをどどーん。

どうでしょう。紅白ソースのクリームコロッケ。

豚汁を添えて、お気に入りの洋食屋さん風のお皿で、おうちごはんが調いました。

お箸で割ってみるとこんな感じ。クリーミーなコロッケの完成です。

🍽次世代の萌芽

クリームコロッケは自分にとっては、お祭りの日の記憶とともにあって、そんなスペシャルな感じが印象深いハレの日のひと品です。

いつしかその味を受け継いでいて、たまにつくるのですが、帰省したときに母に聞くと、姪っ子の大好物なんだとか。

姪っ子が遊びにきたときに、夕飯のリクエストを訊くと、必ず名前を挙げるほどなんだそうです。そして、最近はつくりかたを知りたがるようになったんだとか。

気がつくと自分が、いつの間にかそのレシピを受け継いでいたように、また一世代この味が受け継がれていくといいなぁと思います。

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