この記事はトンデモ・フィクションです！

しかし、
※健康被害の件については、ククチンとコレステロールを下げる薬との
組み合わせに問題があるのではないかという声が上がっています。
該当する方は、信頼できる記事をご覧の上ご判断ください。

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　わたしは衛生省の検査官です。
　食中毒や感染症が発生すると現場に駆けつけ検査するのが仕事です。
　職場ではアタリ屋と呼ばれています。どういうわけか、わたしが検査に赴くと問題の菌やウイルスが検出されるからです。
　今回の紅梅菌の件でもお呼びがかかりました。

　検査官総出で工場、倉庫、下請け先等々、くまなく調査。
　結果はクロ。微量でしたが、確かに毒性のありそうな成分が検出されたのです。検査官のわたしでさえ聞いたこともないような成分でしたが、カビ由来の成分とのこと。例によって、アタリはわたしの担当したところだけ…。

　ところがいつもと違ったのは、この後のこと。
　その会社の社長が異議を申し立てたのです。

「問題の成分はＡ検査官が調査した場合にだけ検出されている。Ａ検査官が問題の成分を施設内に持ち込んだ疑いがある。弊社としてはＡ検査官の調査を要望する！」

　こんなことを記者会見の場で云ったものですから大騒ぎになりました。暴言もいいところなのですが、この発言がバズったことから、政治家が便乗。おりしも支持率が極度に低迷してましたから、厳正に対処すれば人気が取れると思ったようです。
　わたしは任意ながらも家宅捜査を受け、身体も綿密に検査されることになました。

　ただ、そこにはプラス面もありました。検査される側の気持ちがわかったことです。検査自体はマニュアル通りですが、現場でのふるまい、関係者への言葉遣いにはもっと配慮すべきであったと大いに反省されました。

　まあ、そんなふうに考えることが出来たのも、その時点では余裕があったからです。たとえ、わたしの身辺から問題の成分が検出されても、カビなどそこら中にあるわけで、そこは酌んでもらえるとタカをくくっていた。
　ところが検出された場所があまりにも悪かった……

「衛生省の検査官の脳にカビ！」
「カビの発生源は衛生省の検査官！」

　これでバズらなければ、そのほうが不思議なくらい。あざけりの対象はわたしだけでなく衛生省そのものに向けられました。パパデミックの際に強いられたストレスがここにきて爆発したようです……。

「脳にカビが生えてたんだってよ」
「一人だけじゃないっしょ。全員、調べるべき」
「絶対、何かあると思ってた。異常だったもん」
「過去形じゃねえし」
「だね。反省してないよね？」
「むしろ、なかったことにしようとしてる」
「脳にカビが生えてたのなら仕方がない」
「カビを憎んで人を憎まず～」
「オマエ、中の人だろ！」

見出し画像は、rich_poppy33さんの作品です。
ありがどうございました。