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事業再生

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事業再生に関する話題をまとめています。私が事業再生19年のキャリアで現場から学んだノウハウです。
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記事一覧

日本年金機構による滞納処分・差押と事業再生

日本年金機構による滞納処分・差押と事業再生

事業再生では優先債権が第一という鉄則があります。

そのため、社長に同行して全国各地の日本年金機構へ伺います。

事業再生において公租公課も滞納する事態となるのはめずらしいことではないからです。

年金機構の回収姿勢に対応して、丁寧にケアしなければ猶予を承認頂けず、

場合により差押を受ける事となります。コロナ禍の痛手から傷が癒えないままの中小企業ですが年金機構は以下の通り積極的な差押をしておりま

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スポンサー型事業再生の検討手順

スポンサー型事業再生の検討手順

アフターコロナのといっても、コストプッシュインフレと人手不足が相まって賃金上昇。会社の業績は遅々として改善が見込まれなかったとしても無理もありません。

経営者の方は政府による支援がない、行き届かない中で、なんとか生き残り策を検討されているものと思います。

今回は、自力再生型の事業再生ではなく、事業を譲渡してスポンサーのもとで再生を果たすときにどのような手続があるのかを前提として以下にご説明した

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事業再生を動画にて自分の声でお伝えしたい。

事業再生を動画にて自分の声でお伝えしたい。

事業再生を動画で音声にてお伝えしたいと準備しております。本当に事業再生が必要な人に事業再生が届かないと感じています。経営者の興味のある検索ワードは“資金調達”。資金調達にこだわると再生のタイミングを逸してしまいます。調達の限界を感じたら事業再生へシフトする必要があります。

事業再生が必要な会社を正確に捉えることはできませんが、ゾンビ企業と表現される会社のほとんどは事業再生が必要な会社です。

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なぜ心理的安全性が事業再生に必要なのか。

なぜ心理的安全性が事業再生に必要なのか。

日本の中小企業に心理的安全性はない?

日本の中小企業は、社長にオーナーシップ(3分の2超の株主権)と経営執行権(CEO兼COO)という企業統治の上で非常な大権力が集中している事が多いです。

コーポレートガバナンス(企業統治)を発揮する為にはステークホルダー(株主・経営者・従業員・顧客・取引先のほか、金融機関、行政機関、各種団体など、企業のあらゆる利害関係者)が相互に代表取締役社長を正しく牽制す

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鳥倉再生事務所2022年仕事集

鳥倉再生事務所2022年仕事集

鳥倉再生事務所は事業再生を専門にハンズオン型支援をする会社です。そのため、仕事は分析に留まらず社長と二人三脚で解決にコミットメントするのが特徴です。

難問解決コンサルタントと自ら名乗るようになり月日が経っておりますが、1年に一度、仕事を振り返り実際にどんな仕事をしていたのか?皆さんにどんな貢献ができるのかを感じて頂く為、仕事集をお届けしています。

印象に残った仕事を抜粋してお届け致します。守秘

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それでもなお事業再生に打ち込む逆説の10カ条

それでもなお事業再生に打ち込む逆説の10カ条

私にNLPを伝えてくださった師匠が『それでもなお、人を愛しなさい 人生の意味を見つけるための逆説の10ヵ条』という本を薦めて下さいました。

12月の多忙の中、なぜ私が寝食を惜しんで人のために事業再生なんて因果な仕事をやらなくてはならないのかと、24歳から43歳にいたるまで19年も続けている仕事に改めて疑問に思いました。人間なんてそんなものです。

とても良いタイミングなので本から受けたインスピレ

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粉飾決算の始まりは不良在庫の意図せざる綻びから 事業再生

粉飾決算の始まりは不良在庫の意図せざる綻びから 事業再生

事業再生に粉飾は付き物

事業再生は何らかの失敗から挽回するための仕事です。そのため、粉飾決算というべきか、会計上の誤謬も含めて良く出会います。会計上の過ちがあったとしても、再生すべき会社、再生できる会社は原則的に再生すべきと言うのが私の認識です。

会計上の過ちを追求するのは当然ですが、再生を認めないという判断になった時には、お金を貸している金融機関も無傷ではいられません。再生できないと言うこと

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なぜ息子・娘が事業再生に成功するのか?

なぜ息子・娘が事業再生に成功するのか?

事業再生は難しい事業再生は専門家でも往々にして失敗します。金融機関が音頭を取って取りまとめる事業再生でも失敗します。ですが、経営者の息子や娘、一族の素人が事業再生に成功したお話しを聞いたことはありませんか?意外によくある話です。なぜプロでも失敗する事業再生に、経営の素人である息子や娘が成功するのか?いつもと違う切り口で説明したいと思います。

事業再生の失敗のパターンを考える金融機関の場合

金融

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人手不足の解決なくして事業再生はない

人手不足の解決なくして事業再生はない

採用ができないという課題に真剣に向き合う企業しか再生できません。財務を改善しないと、多くの採用ができないという課題のパターンに対処ができないためです。 以下、東京商工リサーチの記事を引用致します。

もともと人手不足はわかっていたはずですが、事業再生と言えば、バブル崩壊以後の処方箋であるBS調整型(過剰債務のカット)、リーマンショック以後の処方箋であるコストカット型(無駄を省く)である時代が長く、

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事業再生をスタートさせるタイミングの判断~銀行員の発言に注目して~

事業再生をスタートさせるタイミングの判断~銀行員の発言に注目して~

事業再生は多くの場合、手遅れに近いダメージを受けこのままではいけないと覚悟してスタートします。なぜ痛い目を見ないと事業再生が必要なタイミングだと気がつけないのでしょうか。

多くの会社は

営業赤字

銀行融資を借り入れる事による問題の先送り

二期連続赤字

銀行に融資を申し込むも謝絶される

なんとかすれば、まだ借入ができるはずだ

という思考から抜け出せません。

赤字という会社が上

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事業再生に挑む社長へ10の質問

事業再生に挑む社長へ10の質問

事業再生の依頼が会社からやってくると、現状を把握するために調査に入ります。調査の結果、経営改善計画書を作成し金融機関へ提出したり、社内の改善活動に利用し、事業再生は進んでいきます。

場合により、デューデリジェンスと言われる事業性を評価するための調査を詳細に行うためには、必要な書類や必要な手順があります。ただし、物事を精緻に捉えると木を見て森を見ずという事がよく起こります。虫眼鏡で見る前に、会社や

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事業再生コンサルタントへの不満

事業再生コンサルタントへの不満

あなたが事業再生コンサルタントに不満を持つとしたら、どんな点でしょうか?金融機関の方や記者の方とお話しをしていた際に、「あまり…、この方は良い!と思える事業再生コンサルタントに出会った事が無い」と言われてしまいました。(^_^;)

残念な事ですが、そう感じさせる要素があるに違いないと、私の17年の事業再生キャリアの中で、顧客や関係者から言われた「事業再生コンサル」への不満を思い出して見たいと思い

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事業再生相談室 当事者が他人事の様子

事業再生相談室 当事者が他人事の様子

事業再生を身近に感じて頂きたいと、Twitterを毎日投稿しています。
認定事業再生士(CTP)鳥倉大介 とりくらだいすけ 合同会社鳥倉再生事務所 企業公式(@Daisuke_Tori) / Twitter ぜひフォローください。

私のつぶやきだけでは、面白味が足りないので定期的に『マシュマロを投げ合おう』を利用して匿名での質問を募集しています。
認定事業再生士(CTP)鳥倉大介 とりくらだいす

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事業再生でよく聞く“プロラタ”今さら聞けない

事業再生でよく聞く“プロラタ”今さら聞けない

事業再生の会議の場に出ると、あちらの金融マンも「このプロラタ」、こちらの信金マンも「プロラタの根拠」、あそこの専門家も「プロラタで良いですか?」と、みんなプロラタ、プロラタと話しています。

あまりにプロラタという言葉が当たり前に飛び交うので、「プロラタって何ですか?」と今さら聞けない、そんなあなたへ向けた内容です。

proratable『比例配分できる』が語源です。
債権残高に応じて債権者へ比

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