【小説】握り潰された花の名は(2)
理由もわからぬままに先代生き神ニドサータより任命された神仕えをまっとうするため、若い僧セーバは次期神の器となる少女、アニタの遊び相手となることに。
上記の話から続く生き神の器の少女と若き僧の、どうしようもない運命に翻弄される話。
次の日、案内されたのは昨日のかしこまった部屋ではなく、その二つ隣の部屋だった。中は柔らかい座布団がいくつも置かれ、おもちゃらしきものも散らばっている。その窓際に少女は座っていた。
「はじめまして、アニタさま。今日からあなたの遊び相手を務めさせ