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投機の流儀 セレクション

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メールマガジン配信大手の「まぐまぐ」で好評を博し、堀江貴文氏(ホリエモン)と並んで2年連続「メルマガ大賞」を受賞、殿堂入りした週報「投機の流儀」。 人生の前場をセルサイドとして、… もっと読む
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記事一覧

【投機の流儀 セレクション】「悪い円安」論のレベルに一旦は入った

円安騒動の陰で、植田総裁は連続利上げに向けた布石を着実に打っていると思う。円安に追い込まれたフリをしながら、金融政策の正常化への脱出の舞台を整えるというタヌキ植田総裁の高等戦術が透けて見える。 「2%インフレ」が2023年に実現して、アベノミクス時代から10年間の力投で達成できなかったものが海外要因からのマグレで成立し、これを「基調的な物価上昇率」という表現を植田総裁はするが、この言葉は分かりにくい。 「2%目標」が達成された喜びなのか、将来の不安を宿し、異常金利の脱出とし

【投機の流儀 セレクション】今の相場の基本的なトレンド

2020年3月19日に大底を付けた「コロナショックの大暴落」から1年強で1.8倍になった相場は、1万円の大台を2度超えて1.8倍だったから、或る意味で「大相場」だった。これはコロナショックを収めるために多くの流動性を世の中に出した、このコロナ流動性の相場である。故に、仮称「コロナショック流動性相場」としておこう。これが約1.8倍になって30700円でダブルトップを突いた後、約2年強の往来相場があり、2023年5月から28000円どころを起点として、新しい相場が始まったと見る。

【投機の流儀 セレクション】投資の「終活」をどう進めるか?

これは日経ヴェリタス紙4月14日号の2頁を割いた記事の文言である。認知症への備え・相続への備え・高齢になった際の投資をどう整理するかという問題であるが、これは人それぞれによって違うから一概には言えない。 証券保管振替機構によると、個人株主全体に占める比率は60歳以上が43%だという。金融庁は75歳以上の高齢者に対する勧誘・販売ルールを設けている。75歳以上に対しての投資は役職者による事前承認が必要だという具合である。認知症と診断された場合には証券口座は凍結され、家族であって

【投機の流儀 セレクション】大幅下げがあっても、右往左往しない方がいい。むしろ、買い場探しだ

先々週末5日(金)は一時、日経平均900円幅を下落した。今年二番目の下落だった。米景気は底堅いとされ、インフレは沈静化するとし、日本はメガトレンドの変化を買う相場だとしてきたが、この楽観相場は一瞬冷や水を浴びた形であった。 しかし、本稿では「3ヶ月で7000円上がった分のスピード調整だ。値幅調整ではなく、時間調整であり、日柄整理だ」と4月7日号でも述べ続けた。原油の一段落で、シナリオの修正を迫られた投資家もいたかもしれない。そうなると、瞬間的にパニックに入ったかもしれない。

【投機の流儀 セレクション】今はバブルではない。自分が儲けていない人々が、嫉妬でバブルというだけだ。「嫉妬は正義の仮面を冠って主張される」

日本は今年になってから年初来7000円幅を上昇して、他の先進国の市場を上上回った。それは決して説明できない上昇ではない。平成バブルの時に比べて経常利益は3倍近い。PERは16倍前後で、89年バブル当時の4分の1である。PBRは当時の3分の1である。バブルが崩れて一番底を付けた後の95年と比較するとしても、一株当たり利益は当時の8倍ある。決して不合理な値段ではない。また、日本株を支える基本的な要因も不合理なものではない。 一つは明らかに数字で出ている春闘である。昨年、春闘が3

【投機の流儀 セレクション】今はバブルの欠片もないが、将来は必ずバブルめく時が来る。その時のために、今から心構えを練っておきたい

世界のバブルの歴史に関心を持って調べてみると、一つのことが言える。記録に正確に残っている最も古いものでは、1637年にアムステルダムで大天井を突いたチューリップバブルである。 それから後、ニュートンも大損したという1700年の南海泡沫会社、あるいは大正末年の日本のウサギのバブル。あるいは1929年のアメリカフロリダ州の土地バブル。また、平成元年の日本国内の株式・不動産・土地・ゴルフ会員権・絵画等の史上最高のバブル・・・。 これらを全部合わせて言えることは、そのバブルの真っ最

【投機の流儀 セレクション】25日線との乖離率も騰落レシオも、未だ「過熱」の境地ではない

週末現在、25日線は乖離率4.04%で「買われ過ぎ」のレベルではないし、騰落レシオは1 30.4%である。120%超は一応「買われ過ぎ」のレベルとされているが、騰落レシオは140%〜150%と進んでも、全員参加型で好相場を呈することも多い。 25日線は毎日上がっているから乖離率は小さい。半導体先導で日経平均が上がるから、全銘柄 一斉高と違って、騰落レシオもあまり上がらない。4日連騰で2000円以上も上がったとは言え、直近15営業日で上昇日は9日、下落日は6日である。 【今

【投機の流儀 セレクション】デフレマインドを脱却して、インフレマインドへ移る

「成長と分配の好循環」は、平たく言えば「分配」は「賃上げ」である。「ほど良いインフレ」が起こって「それを上回る賃上げが起こる」これが「成長と分配の好循環」だ。 ところで、大手は5%超の賃上げが続いている。順調である。春期交渉は人材確保に配分して、どこの企業でも賃上げをほとんど(8割)が満額回答である。特に、製造業の8割が満額回答である。 植田総裁が睨んでいるのは「2%インフレ」の実現と「それを上回る賃上げの継続」である。これが「好循環」である。これが順調に行きそうになってき

【投機の流儀 セレクション】「落ちていくナイフを途中で掴む」(拙著の言い分)「落ちてゆくナイフを2度掴む」(タワー投資顧問の清原達郎氏の言い分)

どんな相場にも中間反落はあるから、その時に銘柄を絞っていたのでは間に合わない。「落ちていくナイフを途中で掴む」底値を打った後は反発が早いから、下値覚えという病に取りつかれているから手が出なくなる。したがって、落ちていくナイフを途中でつかむ。そして、また落ちたらまたつかむ。これがナンピン買いだ。そのためには、今から銘柄の候補に目を付けておく必要がある。 筆者の大学資金を運用してもらったタワー投資顧問の清原達郎氏の近著『わたしの投資術』では「落ちてゆくナイフを2度掴む」と言って

【投機の流儀 セレクション】日経平均が史上最高値を付けた2月末の投資部門別売買動向における奇妙な風景

日経平均が史上最高値を付けた2月末における投資部門別売買動向には奇妙な風景が見られた。証券会社が自社の資金で自社に帰する損益で売買することを「自己売買」略称「ジコバイ」と言われているが、これは2月第3週で自己売買は5077億円の買い越しとなった。 一方、海外投資家は786億円の売り越し、個人投資家も918億円の売り越しとなった。これは東証の投資部門別売買動向の発表の数値であるが、証券会社が自らリスクをとって最高値近辺の日本株を大幅に買い越したという見方はしない方がいいと思う

【投機の流儀 セレクション】史上高値更新は通過点に過ぎない。「34年2か月を要した壮大なダブルボトム」を脱したが、どんな長期大相場でも必ず中間反落はある。乗り遅れた筋は、そこを買おう。

週末の22日(木)は4営業日ぶりに大幅反発し、837円幅を上げて、史上最高値を34年2ヶ月ぶりに更新した。 さしたることではない。メディアが大騒ぎしているだけに過ぎない。変化は昨年から始まっている。 34年2ヶ月を費やして 1.2003年の7600円(不良債権山積みという、国内要因による日本経済の大底)を一番底とした。 2.小泉郵政改革相場で、日経平均は約2倍半になった中間反騰を経た。 3.アメリカ発の海外要因によるリーマンショックで、2009年に7000円まで下がり、

【投機の流儀 セレクション】今の相場付きは、後年「半導体バブル相場」とあだ名とされる相場付き

昨年4月までの1年以上に及んだ大保合を離れて以降、今日までの経緯を見ると、1.TOPIXと2.「日経平均から半導体関連10銘柄を除いた価格」との両者は約20%上がった。 それに対して、3.「半導体関連株(ソニー・東京エレクトロン・信越化学・スクリンなどの10銘柄)で合成し、22年末を100とした指数」は、昨年春の大保合離れから約60%上昇した。 ここで判ることは、1番と2番が3番の半導体関連株の大幅高に引っ張られた株高だと言える。しかも、それらは時価総額が大きいから日経平均

【投機の流儀 セレクション】ジム・ロジャースからの返信「私が唯一懸念しているのは、中国人が土地を買い占めてしまうことです」

ジム・ロジャーズへの私の質問2題に対して、彼からの返信があったので掲載 【今週号の目次】 第1部;当面の市況 (1)日経平均、37000円台に乗せたが・・・ (2)この「乱流」の中を如何に行動したか──「裏の裏は表」だ。 (3)日銀、緩和出口への市場との対話   (4)株高は海外勢が支え、月間の買い越し額は歴代7番目 (5)これ以上の上値を追うには、これ以上の材料がなければならない。 (6)今の株価レベルは自社株買いの効果も出ている。 (7)信用買い越し、2ヶ月ぶりの信用買

【投機の流儀 セレクション】「バーナンキショック」とか「バフェット効果」というが、或る著名人の発言で大相場が生まれるということはない。

年初から1ヶ月弱で、上昇幅は3000円幅を超えた。この調子で行ったら、年末には6万円を超えてしまうことになる。本稿が昨年から述べている「5年内で6万円」の比ではない。 しかし「年末には6万円を超えてしまう」なんてことはないし、またあってはならない。 去年の3月の東証の企業経営改善要請に加えて、その直後にW・バフェット氏が来日して、商社株の買い増しを発表し、そこで火がついた形になっていたので、これを「バフェット効果」などと呼ぶ筋もあるが、冷静に考えれば著名人の発言によって大相