【気まぐれエッセイ】書き初めを書き納める女

皆さんは子どもの頃、宿題って先に片付けるタイプだった?それともギリギリまで溜めておくタイプ?

私は潔癖なまでに、先に片付けてしまいたいタイプだった。通常の宿題はもちろん、夏休みの宿題なんて何が何でも7月中に終わらせて、8月を満喫しまくるというのが子ども時代の私のスタイル。冬休みや春休みは短いから必死だ。だから冬休み中の宿題として出された「書初め」を、私はいつも冬休みに入るまでの、お習字の授業中にこっそり終わらせていた。

「賀正」という字を、書き納めていたのだ(笑)。

まあそれも、小学生の間だけだったのだけど。中学生になると、まるで宿題の量と比例するかのように悩み事も増え、部活も始まり、遊びに忙しく、睡眠時間を確保するだけで精一杯。計画通りに物事を進める余裕なんて無くなったので。だけど根本的には、やらなきゃいけないことはさっさとこなして、残りの自由時間を思う存分楽しみたいという性格は変わらないから、いつも少し気持ちの悪さを抱えていた。

「してもしなくてもいいよ」と選択の余地を与えられると、意気揚々と物事を楽しめるのに、「しなくちゃならない」と義務付けられた途端、私はそれを楽しめなくなる。


だけどそういう性格で毎日を楽しめるのって、やらなくてはならないことが、宿題くらいしかない幼い頃だけなんだよね。大人になれば、どんなにやりたくてやっていることにだって責任や義務が伴い、やらなければならないことが増えてくる。


よりたくさん自由時間を楽しもうと考えるなら、やるべきことは小学生時代の宿題程度の労力と時間で終えられることに調整しなければならない。ゆくゆくはそんな生活を手に入れられるよう、日々下地作りに励んでいるわけだけど、今すぐにでも楽しい時間で毎日を埋め尽くせれば、そりゃ得だよね。


私の周りの、人生を楽しむのが得意な友人たちは皆、やらなければならないことをとても楽しそうにやってのける。そしてどんなに忙しくても、その合間、合間で、思い切りリフレッシュ出来る人たちだ。


長年フリーライターをしている友人は、人生を楽しむ天才。いつも目の前のことに一生懸命で、仕事も、家事も、大好きなお芝居を観ることや、お気に入りの小説を読むのと同じように楽しめる人だ。一緒に飲んだこの後に、まだたくさんの原稿を抱えているとは到底思えないほど、その瞬間に集中して、遊びを満喫できる人。


これが出来なければ、大人を楽しむって難しいのかも。


だからそろそろ私も、冬休みを満喫しつつ、お正月に書初めを楽しめるくらいの大人に、なろうと思う。


幸せな時間で人生を埋め尽くしたい私にとって書くことは、不幸を無駄にしない手段の1つ。サポートしていただいたお金は、人に聞かせるほどでもない平凡で幸せなひと時を色付けするために使わせていただきます。そしてあなたのそんなひと時の一部に私の文章を使ってもらえたら、とっても嬉しいです。