中年を過ぎ体力の衰えを感じ始めたもので以前から興味があった太極拳（TAICHI）を習い出したんです。
サーフィンとヨガの相性がとても良いと聞いてはいたのですが、
僕はサーフィンをする際にはロングボードに乗る事が多く、
前後にステップを踏んだり、ゆっくりと手足を動かす動作の多い太極拳の方がシックリくると思い選びました。

最初は家の近くにあるコミュニティセンターで
簡単なグループレッスンを受けていたのですが、
そこの先生の動きがどうしても自分に合わなかったので、
新たに中国人のお婆ちゃん老師（ゴールドメダリスト）から個人レッスンを受けることにしました。

Angela老師の柔らかでシルクのような動きをご覧ください。

ANGELA老師は台湾生まれで高校生の頃にオーストラリアに移住してきたそう.
華奢な体つきなのに重厚感と柔らかさを併せ持つ雰囲気のある老師でした。

太極拳の歴史から始まり色々な型の意味、様々な経絡やその効能などに関してじっくりと教えて頂けた事に感謝です。

まず、太極拳を始めてから自分の身体の中で一番変化したと思う事は足腰が強くなった事だと思います。。
日課のサーフィン中、特に感じるのは逞しい筋肉がついて踏ん張れるようになったというよりは、
太極拳の歩法や型を日々練習しているうちにコアマッスルがバランスよく調整されてきたという感じです。
５０歳を超え、ようやく赤い筋肉の使用法を認識することが出来ました。

僕が２７歳の時に腰椎４番の疲労骨折をした際、後天性腰椎すべり症と診断されその予見はあまり芳しくはないモノでしたが、
太極拳を始めてからは歩けなくなるような酷い状態になるようなことはパッタリと無くなりました。
雨の降る前日などは多少の腰痛はありますが太極拳を始める前よりかなり軽い痛みだけで済んでいます。。。

毎日最低１時間、近くの公園でストレッチやスワイショウ、太極歩法から始め道家八段錦８FORM QIGONG（ 気功法 ）を挟み、

その後、簡化２４式太極拳の套路を何度か繰り返します。

最後に〆で沖縄剛柔流ナイハンチの型を太極拳のようにゆっくり演武します。

２分５０秒からの動きは圧巻です。

上記トレーニングを８年間続けながらサーフィンをしていると滅多なことでは転ばなくなりました。
潮の変わり目の時間帯によくある現象なのですが波にコブが出来、
普通の人なら吹っ飛ばされるような波でもコアマッスルが強化されているのでかなりの確率でそのようなセクションを抜けられるようになりました。
ライディング中は出来るだけ波のスティ―プな位置に留まりたいので、
板の上を前後にステップする動作や下半身と上半身をつなげるボディアクションがあります。
そのような動きも太極拳套路の中にかなり多くのヒントが隠されています。

最小限の動きを最大限のエネルギーに変える為にはサークルとスパイラルの組み合わせが必須であると老師がよく仰っていました。

太極拳はあくまでも動きに呼吸がついてくることを意識し、元々は武術ですからまずは下半身（土台）の強化に努めます。
一方、気功は呼吸法に重きを置きます。ゆっくりとした動きの中で身体中の経絡を刺激しながら内臓を動かしていくイメージです。
太極拳で足腰を、気功で呼吸法と共に内臓またはそれらを支えている周辺の筋肉を強化していきますので内側も外側も強くなっていく訳です。。。
ここまで読んだだけでも養生効果抜群である事がご理解頂けるでしょう。

自身の身体を労わるということは肉体も精神も同時に養生していくという事です。
病になってから、怪我をしてから初めて気づくというよりそれらを未然に防ぐ予防療法をすぐにでも始めたいものです。
人間の脳は基本的に凄く怠惰ですから、明日から始めよう　が来週からになり、更にまた来月からになり、来年からになり、
１年、１０年と一瞬で時が経過してしまいます。
気付いた頃には時すでに遅しという事になってしまう前に１日でも早く始めるに越したことはありません。

柔能制剛という言葉通り、剛に対して正面からぶつからずに柔らかくその力を利用することができる知識と身体作りが重要になってきます。
そして身体と共に頭も心も柔らかくするという工程の中でより多くの健康的な利益が得られる筈です。

一つのことに長い時間を費やして初めて見えてくる大切な何かがあります。
継続は力なり。。。
それにかけた時間とその情熱と結果は完全に比例するモノ、
それこそが本質的な　力　です。
その力が　剛 ではなく柔能制剛　における　柔　のモノであればそうやすやすと折れたり倒れるものではありません。　
柳の木のような　しなり　を持って呼吸を深くし、
心身ともに柔らかく楽しく養生していきましょう、、、

今日もハッピーにサーフィン出来るのも
太極拳トレーニングを取り入れてコアマッスルが安定しているお陰です。


多謝多謝。。。