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【読書】 不幸と幸福の紙一重。 ~ 宗教2世 荻上チキ ~

自分はラジオを聴くことが好きです。

仕事中は基本的にラジオを流しています。

そして、ある時期から投稿する楽しみを知り、好きな番組にちょいちょいメールを送ってみては、たまに読まれ、ウヒャウヒャと喜ぶ。

そして、ステッカーが後日届いて、ニマニマする、そんな流れを楽しんでおります。


そんな中でTBSラジオの「荻上チキ Session」で、宗教2世がテーマの回を聴いていました。

宗教だけの範疇に納まらない「マインドコントロール」についてのメール募集がありました。

自分は友人の身の上に起こった出来事を書いてメールしました。

すると投稿は番組内で読んで貰えた上に、後日、「宗教2世問題で本を出版する予定があり投稿メールを掲載させて欲しい」との連絡を頂きました。

番組スタッフの方や出版社の方とメールを数回やり取りし、掲載に至りました。

本の出版前に「謹呈」ということで本を送って頂けたため、今回読みました。

あまりこういった調査記録や学術本などを読むことは無いのですが、せっかく自分の投稿メールを掲載頂けたので、良い機会だと思っております。


本は安倍元首相の事件、2022年7月の約四カ月後の11月30日に初版出版となっています。

短期間で宗教2世当事者の1000名を超える方々からアンケート調査の回答を得て、そして各分野の方々の意見などで本が構成されています。

事件に端を発する「旧・統一教会」だけでは無く、エホバの証人(ものみの塔)、創価学会辺りの問題が多めに扱われていますが、他の新興宗教や伝統宗教系ということで「仏教」「キリスト教」「イスラム教」「神道」が取り上げられています。


世間一般で取り上げられていた事件やニュースでは知りえない、当事者や身内の方々の考え方や信仰の実態が詳細にあります。

こちらの記事を読んでフラッシュバックなどを誘発してはいけないと思う為、詳細は書きませんが、子どもに対する信仰の名の元に行われる所業は、「信仰」という命題があっても、熾烈な虐待行為としか思えません。

何故こういった出来事が「素晴らしい信仰行為」となっているのか、部外者としては全く理解出来ません。

もちろん信仰により救われる気持ちはあると思います。

ですが、生活を切り崩し、人間関係を狭め、自由な思考を阻害することは虐待であり、人権侵害なのではないかと強く思います。


政治に深く浸透していき、ある意味「意気投合」して行政や法律が片寄っていく様は空恐ろしいものがあります。

同時に先に名称を書いた宗教でも、信者の方全員が問題行為をする訳では無いので、全否定することも間違いだと思います。


別段詳しい訳ではありませんが、今の政治の「同じ考えの人間だけで決める」ような流れは国や人間をダメにしていってしまうように思います。

同性愛や夫婦別姓を嫌がる方は「国がおかしな方向へ行く」といった意見をお持ちなようですが、異性愛の人でも簡単に自分の子どもに手をかけたり、支離滅裂な理由で犯罪を犯すことがあります。

「それは頭がおかしいから」で片付けられないことです。

結局は人間同士のことなので、好きな人は好きな人同士で「結婚」を選択したり、今の名字が良い人は今の名字のままで「結婚」して何の問題があるのかと思います。

他人が迷惑を被ることってあるのかなぁと。

行政のシステムを改定・更新するだけで、簡単に出来ることなのではないでしょうか。デジタル化が進んでいる今なら「処理(手続き)」としては使い勝手の悪い行政アプリよりも、簡単なことなんじゃないかと。

中央行政と地方行政を同じシステムに乗せてしまえば済むだけだと思ったりします。あくまで同じ手続きを同じシステムでってところはポイントで、違う手続きをひとつに無理にまとめることはまた別の話で。オトクな話は危ういと思っている年頃です(40代)。

結婚をしないこと、希望していても事情があり子どもを持つことが出来ないそれぞれの男女も「非生産的な人間」とするのでしょうか。


何も無くて平穏ならハッピーですが、どうしても宗教や占いなどに縋ってしまうことはあると思います。

縋った後の「やっぱり違ったみたい」と思った時に、止める・止めない・ちょっと考えてみる選択が誰でも出来るようになって欲しいと思います。

そして中立な立場や寄り添う立場の窓口や人が増えていって欲しいです。

「何でそんなとこに深入りするの?」と思うこともあります。

アイドルや映画、ドラマ、様々な趣味と同じように宗教もある意味は沼なんですね。

浅瀬で楽しんでいたつもりが、気が付くも付かないもどっぷり浸からせられ、抜けられない、溺れている事にも気付かない。

本著を読んで、宗教は恐ろしいと思うと同時に、それでも必要な存在でもあると思いました。


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