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読書感想「経営学者×YouTuber×起業家の著者が教える 一生使えるプレゼンの教科書」 中川 功一氏(著)


この本を読もうと思った理由

会社の業務でパワーポイントなどを使ってプレゼンを行う機会は多い方だと自分では思っています。パワーポイント資料で言うと年間50個くらい作っており、パワーポイントを使ったプレゼンの機会は月たあり2〜3回程です。プレゼンの機会が多いと感じるとからプレゼンや資料作成に関わる色々な本を読んできました。色々な本を読む中で自分なりの形というのは出来てきたかなと思っています。ただ複雑な案件の情報を整理したり、それを分かりやすくまとめ、視覚的に相手にわかりやすく説明したりしようとすると、時間がかかったり、上手くプレゼンできなかったりということが少なからず起きます。こういった難易度の高いプレゼンの際の参考になればと思いこの本を手に取りました。

心に残った内容・感想

プレゼンとは

  • プレゼンが上手いとは、単にしゃべりが上手いということではなく、総合的なコミュニケーション力が高いということ。伝えるためには、内容、構成、資料、雰囲気作りまで、多岐にわたるの能力が必要。

  • プレゼンは内容が大事というが、それはその通りだが、良い内容を上手く伝えてこそ、価値ある情報になる。説明をおろそかにしてはいけない。

  • プレゼンは自分の意見を相手に無理やり納得させ受け入れさせるものではない。話し手と、聞き手の相互の理解、合意形成を、していくためのものと理解する。聞き手から反論、別意見が出るのは当たり前で、そういう意見も踏まえて議論していくためのものと捉えてる。

  • 聞き手が異なる意見を持っている前提でプレゼンすると、論破しようと思わず、相互の理解をしようと努める意識になる。

  • 近年は人に注目される能力が希少価値となってきている。例えばインフルエンサーやユーチューバーなど。情報が溢れる中で注目されるためにはプレゼン力を磨くことは必須と考える。

説得力を高める

ロゴス

  • プレゼンの説得力はロゴス(論理)、パトス(情熱)、エトス(信頼)で決まる。

  • 相手に伝えるには抽象化と具体化の、使い分けが有効。一般的な内容を相手が想像できる例にするのが具体化。一方で具体的な細かい話をしても伝わりにくいこともある。この場合は具体例を抽象化し、端的に伝える。

  • 言葉だけで伝わらない時は経験してもらう。

パトス

  • 感情はわざとらしく込めるものではない。自分らしくあることで、感情、真心が伝わる。自分が正しいと思うことを、正しいという思いで聞いてもらう。ただし強情に押し付けるのてばなく、素直に相手を思って伝える。

エトス

  • その人が信頼できるかは、経歴と第一印象できまる。第一印象はプレゼンのつかみが大事。肩書きや経験をやたら強調するのではなく、素直に自分のエピソードを心から伝えることで信頼がつかめる

ストーリー

  • プレゼンの中身としては構成がまず大事。

  • 話し手が話したい順番ではなく、聞き手目線で、理解しやすい構成、量にする。

  • 1つのストーリーに1つのメッセージに留める。1つのメッセージにぶら下がるサブメッセージは3-5、できれば3つのがよい。1つのストーリに1つのメッセージ、そして説明のサブメッセージの構成が人は理解しやすい。サブメッセージは少ない方が相手に残りやすい。

  • 1つのテーマについて、結論と理由しかない。それ以外はない。
    基本は結論から先に述べて、何故その結論になるのかの理由を後から説明する。その方が聞き手は、何故その結論になるのか?という姿勢で聞いてくれる。

  • 先に理由を述べで後から結論もありだが、よっぽど面白い結論や思い結論じゃないと表示抜けしてしまうので注意。

  • プレゼンは基本15分以内に収める。まずは15分に抑える方法を何とか考える。例えば、内容の一部を質疑応答用にとっておいたりなど方法を考える。

  • 長いプレゼンになる時は15分で一旦区切り、それを繰り返すようにすると、聞き手の集中力が持続しやすい。

  • 過剰な一般化表現は避ける。例えば日本人は〜だから、とか大き過ぎるテーマを言い切るのはリスクが高い。嘘を言っていると捉えられかねない。

スライド

  • 大きなことに挑戦するには、不要なリスクはできるだけ排除する。プレゼン資料でも当日動かないなど、不具合が起きないように、事前に準備しておく。

  • 成功した起業家ほどリスクを避け、予測不能な事態が起きても良いよう、準備をする傾向がある。一方で大企業のマネージャーはリスクを恐れず、利益を最大化する傾向がある。起業家はリスクが全て自分に跳ね返ってくるため、入念に準備し、大ダメージを受けないようにしていると予想される。大企業のマネージャーは失敗しても会社が傾くことは無いと考え、攻めた方針を取る傾向がある。

  • プレゼン資料作りでも不要なリスクは避けるべき。具体的には動画を埋め込んだり、パワーポイント以外のアプリを使用したり、アニメーションを使用したり、などは、避ける。動画が重くてフリーズしたら、アニメーションが思った通りの動きをせず、慌てたりすることを避ける。
    フォントは見やすいものに統一する。おすすめはメイリオ。メイリオはどんな人にとっても見やすいよう開発されてフォントで汎用性が高い。
    専門用語、その領域に精通した人にしか通じない表現の使用は避ける。誤解を生む原因になる。

  • プレゼンにボケは入れない。人はを笑わせるのは、とても難しく、誤解を招く可能性もあり、リスクが高い。
    人々をストレスフリーな資料を求めている。情報が多過ぎると、ストレスを感じ受け入れてもらいにくくなる。

  • プレゼン資料を読み原稿にしない。資料に書いてある文字と原稿が重複していると、滑稽に見える。資料にはキーワード、短文、データのみの掲載に留める。

  • 背景は白に統一、色も1色、2色の系列に留める。

  • 人は物事をストーリーで理解する。

  • スライドの順番が正しい順場で構成されてされていれば、細かい文章での説明は不要。スライド間のつながりは聞き手が補ってくれる。
    しかし、だからなどの接続詞は聞き手が勝手に補ってストーリーを作るので、スライドには書かなくて良い。

  • 名作ほど、細かい背景の説明なく、それでも人々は面白いと思う。

話し方

  • 上手に話すとは、正しい文章をスラスラと言えることでもなく、冗談を織り交ぜながら面白く話すことでも無い。人格、人物を総合的に相手に受け入れてもらうことがしゃべり上手ということ。

  • 上手にしゃべろうとしなくて良い。動作を含めた自分のあり方を、整える。

  • 丁寧な言葉で、心を込めて自然体で話せば、今までの自分の経歴や気持ちが言葉に乗って、相手に伝わる。

  • プレゼンは対話である。対話なので、話し手が一方的に話すだけではいけない。時折聞き手に問いかけし、アウトプットしてもらう方が、理解してもらいやすい。人はインプットだけひたすら行われると、ストレスになる。インプットしたらアウトプットして、バランスを取りたくなる。

  • えー、あのー、など行間を埋めるfillerは無くす。fillerを無くすには、絶対にえー、を言わないと意識することが有効。fillerをいうのは弱い誘惑で、弱い誘惑は強く、「しない」と意識することが有効という検証結果がある。

  • 一方でタバコやギャンブルは強い誘惑に分類され、距離を取り、意識しないことが有効とされている。
    自信のないことは伝わる。わからないことは、自信を持ってわからないと伝える。わからないという主張、可能性の段階で不確定であるという主張を行うと聞き入れやすい。

  • ふわっとした質問が来て、質問者が何を言っているかわからない時は、チャンス。そういう場合は自分の主張に何か反論しようとしている可能性が高く、そういう質問をしっかり理解して、丁寧に対応することで場の雰囲気が良くなる。

  • ふわっとした質問は、まず大枠で何が言いたいのかを理解することに努める。そして否定もせず、感情的にもならず丁寧に回答する。

  • 質問者が的確なツッコミをして、完全にやられたな、という時は素直に認める。プレゼンは双方で合意形成をすることが目的であり、相手を言い負かせて、気持ちよくなることが目的ではない。

まとめ

特に自分にとって気になった内容、行動したいと思った内容をまとめます。

スライドづくり

シンプルな資料はプレゼンを受ける立場になって考えると、細かい情報が欲しい!という時もある。そういう時は本紙には入れず補足資料として入れれば良いと考える。

話し方

  • 自信のなさは、相手に伝わり、信頼を損なう可能性がある。いろいろ吟味、検討した上で、白黒はっきり言い切ることが難しい事象もある。その場合は白黒はっきりつかないことが結論なので、どうどうとはっきり言い切る。聞き手も結論が出ないことが結論ということを理解できるので、信用を損なわないと考えられる。

  • かっこよくプレゼンしようとか考えず、等身大で話せば良い。ただし適当で良いとういわけではなく、準備は入念にした上で、プレゼンの時は自分のことばで話せば自分を受け入れてもらえると考える。

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