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【小学校社会科ざっくり要点】⑫⑬まとめ&ちょっと深掘り 情報収集(調べ学習)の考え方編


いわゆる調べ学習

関連ツイート、もう少しだけ掘り下げます

(「ちょっと深掘り」何となく気に入ったので使います笑)

1 元ツイート【小学校社会科ざっくり要点】⑫


情報収集(調べ学習)

人は新たな情報を「既有知識と関連付けて」知識とする
既有知識⇒バラバラ
興味関心⇒バラバラ

多くの場合、みんなで1つの資料を読んで情報収集することは、あまり効率的じゃない

ここは個別最適化がベター

※ざっくりですご了承下さい


2 「既有知識と関連付けて」知識とするとは?出典と解釈


ここで、知識を得るときの仕組みについて、2つの書籍の引用から示唆を得ます。

では、どういう時に、人は学習しやすいのでしょうか。「学習内容が、その人の認知構造に合致する時、人は学習しやすい」ということが、この問題を考える際の基本です。認知構造というのは、それまでに、その人が持っている知識の総体という意味で、「学習内容が、その人のそれまでの知識の総体に合う時に、人は学習しやすい」と言えます。
(中略)
人が、何か気になったり、興味を覚えたりするのも、それまで身につけている知識(認知構造)のせいですし、また、それまでの知識(認知構造)に結びつかない新しい情報は、入ってきても、その人の中に、しっかりと根を下ろすことはまれです。

西林克彦「間違いだらけの学習論―なぜ勉強が身につかないか」1994,新曜社,pp.161-162

しかし、いずれにせよ、与えられた情報を意味あるもの、「たしかにそうだ!」と思えるものにしてくれるのは、認知的制約として働く既有知識なのである。したがって、他人の持つ知識を効果的に摂取するには、もっている知識が豊かで、しかも場合に応じて速やかにとり出せることが必要になる。

稲垣佳世子,波多野誼余夫「人はいかに学ぶか―日常的認知の世界」1989, 中公新書,p138


つまり…
・人それぞれ認知構造(持っている知識の総体)は異なる
・認知構造に結びつかない情報は、知識として根付かない
・持っている既有知識が豊かなら、他の知識を取り入れやすい


そうなると…
「一斉学習で資料を読み取ろう」
⇒その子の既有知識や認知構造に合っているかは不明
⇒合っていなければ、わからないまま
⇒逆に合っていれば、自分で調べて知識として得ることができる
⇒一斉授業の意味は??



前提として…
・単元の目標達成のために、その資料による情報が欠けると捉えられない…とは限らない
(他のものでも補える、もしくは、他のもので知識を得てからの方が、その資料が読み取れる場合が多い)


と、いうわけで、これらをわかりやすくすると…


人は新たな情報を「既有知識と関連付けて」知識とする

多くの場合、みんなで1つの資料を読んで情報収集することは、あまり効率的じゃない

ここは個別最適化がベター

という表現にまとまったわけです。


3 調べ学習あるある


ただ、そうは言っても、「それぞれ調べてみよう」とすると…

・何調べれば良いかわからない
・何となく友達と調べる
・何となく資料集見て、気になった(さして重要でもない)部分を書き写す
・取りあえずググる…全然ストライクじゃないページを見る
・時間は過ぎていく
・わからないままだけど、調べた気にはなってる

ということが起こるわけです笑

自分もこんな偉そうな記事書いたり、ツイートしたりしてますが、「あれ?笑」となる情報収集の光景は、山ほど出会ったことがあります笑


そこで、次のような手立てです。


4 元ツイート【小学校社会科ざっくり要点】⑬


情報収集(調べ学習)

やみくもに調べてしまう子
常に「問い(目的)」に返るよう習慣付ける

私たちの市はどのように移り変わってきたのだろう?
世界の中で、我が国はどのような役割なのだろう?

声かけ「解決につながる情報かな?」

※ざっくりですご了承下さい

5 終わりに


いかがでしたか?

もちろん、これはケースによりますので、全て個別が良い!というわけではありません。

ただ、前提として一人一人の既有知識や認知構造が異なるのは述べてきた通りです。

目標達成に向けて情報収集し、知識を得る学習段階は必要…でも、楽しくあるべきもの。

少しでも楽しい情報収集の授業づくりにつながれば幸いです。

お読みになった方々の授業づくりに、少しでも役立ちますように

最後までお読みいただきありがとうございました。

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