花粉症童話 鼻水たらたら出てしまう


サブタイトル『正義の鼻水』


一章「八方塞がり」

ナレーター「最近最近ある学校で鬼が授業を受けていました。季節はスギ花粉が飛散する頃。鬼は花粉症に悩まされていました」

鬼「はあ、花粉症が辛いな」鼻ムズムズ

鬼「ふんっ」鼻ちーん

サル「おい鬼さっきから鼻をかむ音がうるさいぞ」

鬼「あっゴメン」

鬼(少しだけ鼻をかむのは我慢しよう)

鬼(止まらないな)すんすん

サル「鼻のすする音がうるさいぞ鬼」

鬼「ご、ごめん」

鬼(鼻水が止まらない)鼻水たらたら

サル「うわっ、鼻水出てる。きたねえな」

鬼「うう、ごめん」

鬼(汚いのは確かだし、このままじゃ鼻水垂れ流しだ。ティッシュを丸めて鼻に詰めるか)鼻栓きゅっきゅっ

ナレーター「流れ出る鼻水を耐えながら四時間目の授業を鬼は乗り越えました。学校はお昼休みになり、生徒たちは昼食を食べています」

鬼(やっと昼休みか)

サル「お面白。こいつ鼻にティッシュ詰めてる。写真撮らせて」写真カシャっ

鬼「……」

サル「もうティッシュ濡れ濡れじゃん。鼻くらいしっかりとかめよ。もしかして鼻のかみ方も知らないのか?」

鬼(何だよこのサル。どうすればいいんだよ)ティッシュから鼻水ぽた

サル「キモっ。今ティッシュから鼻水垂れたぞ。どんだけ鼻水出てるんだよ」

鬼(ううサルに散々罵倒された。泣きたい)涙目

鬼(はあ、とりあえず鼻栓をはずそう)

鬼(それと床を拭かなきゃ)フキフキ

鬼(ふう、終わった。サルもいないから鼻かもう)鼻チーン

鬼(手を洗って、ご飯を早くたべよう。理論は良く分からないけど、ご飯食べると鼻水止まるんだよな)

ナレーター「鬼はお弁当を机に出してご飯を食べ始めました」


二章「昼食後の温もり」

ナレーター「学校での昼食を食べ終えた鬼はまだ花粉症に苦しめられています」

鬼(ご飯を食べれば鼻水止まってくれることがあるけど、今日はダメだったか)すんすん鼻チーン

キジ「ほら鬼プリントだよ」

鬼「うん」すんすん

キジ「スンスンすごいな」

鬼(コイツもサルと同じか)

鬼「ごめんうるさくて」

キジ「ん? 謝るなよ。大変そうだなと思ってさ。そうだ、ちょっとまって」

鬼「?」

キジ「じゃじゃん」

鬼「ペットボトル……それで何するの?」

キジ「ふふ、水入りのペットボトルを脇にはさむと鼻呼吸できるようになるぞ」

鬼(本当かな? もしかしてプラシボー効果)

キジ「ほらやってごらん」ペットボトル2本渡す

鬼「うん」両脇に水入りペットボトルはさみ

キジ「どうだ?」

鬼「おッ! 鼻で呼吸できるようになった」スース―

キジ「そうか良かった。忠告しておくとこの効果は一時的だから、どうしても辛い時にこの方法を使いな」

鬼「ありがとう」

キジ「へへ気にするなって」

鬼「それとごめんなさい」

キジ「?」

鬼(勝手に決めつけてゴメン)

ナレーター「しばらくすると鬼の鼻から鼻水が流れ出しました」

鬼(キジの言ってた通りだ。また鼻水が)鼻水たらたら

鬼「ふんっ」鼻チーン

鬼(鼻をかみ過ぎて皮膚がヒリヒリしてきた。痛いから鼻をかむのを我慢したいけど、かみたいな。どうしよう)ヒリヒリ

鬼(鼻に栓をしても笑われるだろうしな)

ナレーター「鬼は少しの間鼻をかむのを我慢することにしました。使用済みのティッシュをゴミへ捨てに行くとイヌに出会いました」

イヌ「うおッ鼻水めっちゃ垂れてるぞ」

鬼(……コイツもサルと同じかな)

鬼「ごめん汚くて」

イヌ「もしかして花粉症か?」

鬼「え? そうだよ花粉症だけど」

イヌ「鼻水垂れ流してるってことはもしかしてティッシュないのか?」

鬼「いやその……」

イヌ「それなら、ほら分けてやるよ、これ使え」

鬼「まだあるから大丈夫だよ」

イヌ「でも残り枚数ピンチなんだろ? 違うか?」

鬼「まだ一箱あるから」

イヌ「そうか。でも無くなりそうになったら誰かに借りろよ、手で拭ったりしたらバイ菌とかが広がりやすくなるから」

鬼「うん、心配してくれてありがとう」

イヌ「おう」

鬼「それとごめんなさい」

イヌ「?」

鬼(ごめんイヌ、疑ったりして。それとやっぱりティッシュを鼻に詰め込もう)

ナレーター「鬼は鼻栓ティッシュをしました。そして手を洗いに行くと桃太郎に出会いました」

鬼(水が冷たいな)手ゴシゴシ

鬼「はあ、ハンカチハンカチ」すんすん

桃太郎「鼻にティッシュ詰め込んでる」

鬼(……)すんすん

桃太郎「オレの予備のマスクを使うか?」

鬼「いらないよ、風邪になった訳じゃないから。ただの花粉症だよ」

桃太郎「そうか花粉症か。でもそんな格好して笑われないか? オレも花粉症で、辛すぎて鼻にティッシュを詰め込んでた時に笑われたことあるし」

鬼(……桃太郎)

桃太郎「だから馬鹿にされないためにも遠慮せずに使うんだ」

鬼「うん、ありがとう桃太郎」ニコ

桃太郎「へへ同じ花粉症を患っている仲間だろ。辛い時は助け合うのが当然さ」

鬼(サルとは違ってみんな優しかったな)

ナレーター「鬼はこのように支えられて、今シーズンの花粉症を乗り越えました」

三章「復讐」

ナレーター「時は過ぎて新年を迎えました」

鬼「はあ、そろそろ花粉症になる時期だな。憂鬱だ。テレビでも見て気分を紛らわすか」

テレビ『花粉が飛び始める少し前から薬を飲み始めることで、花粉症の症状をより強く抑制することが出来ます』

鬼「まじで? 今の話が本当なら試してみる価値はあるぞ。薬の飲み始めが早くなるから薬の費用が増えるけど、数百円の差で鼻水が止まるのならやるべきだ」

ナレーター「鬼は一月の最後の一週間から薬を服用しました。それから二月になって花粉症が飛散しました。それでも学校では元気に過ごす鬼の姿がありました」

鬼(ふっふっふっ今年の花粉症は楽勝だな。花粉も鼻水も怖くないよ)ニコニコ

サル「あ~鼻水つらいな」鼻ムズムズ

鬼「……」

鬼の回想
――

サル「おい鬼さっきから鼻をかむ音がうるさいぞ」

サル「鼻のすする音がうるさいぞ鬼」

サル「うわっ、鼻水出てる。きたねえな」

サル「お面白。こいつ鼻にティッシュ詰めてる。写真撮らせて」写真カシャっ

サル「もうティッシュ濡れ濡れじゃん。鼻くらいしっかりとかめよ。もしかして鼻のかみ方も知らないのか?」

サル「キモっ。今ティッシュから鼻水垂れたぞ。どんだけ鼻水出てるんだよ」


――
鬼の回想おわり

鬼(さんざん暴言はかれたからな。今度はこっちが馬鹿にしてやる番だ)

サル「鼻かもう、ってティッシュがない。トイレに行くか」鼻ムズムズ

鬼「おいサル」

サル「何か用?」スンスン

鬼「さっきから、あッ!」

サル「?」

鬼「……」

サル「なんだよ黙って?」

鬼(……)

鬼の回想
――

鬼(ううサルに散々罵倒された。泣きたい)涙目

イヌ「もしかして花粉症か?」
キジ「ふふ、水入りのペットボトルを脇にはさむと鼻呼吸できるようになるぞ」

イヌ「鼻水垂れ流してるってことはもしかしてティッシュないのか?」
イヌ「それなら、ほら分けてやるよ、これ使え」

桃太郎「へへ同じ花粉症を患っている仲間だろ。辛い時は助け合うのが当然さ」


――
鬼の回想おわり

鬼(みんな……)

サル「用がないならトイレ行きたいんだけど」鼻水タラタラ

鬼「あるある。さっきから鼻すすってるけど、サルはもしかして花粉症?」

サル「ああ、今年からな。ついでに今ティッシュがなくて、早くトイレに行きたいんだよ」スンスン

鬼「それならこのポケットティッシュあげるよ。授業中に使いな」

サル「鬼……オマエ優しいんだな。去年あれだけオマエに酷いことを言ったのに。てっきり悪口言われるのかと思ったわ」

鬼(覚えていたのか)

サル「あの時は馬鹿にして済まなかった。ごめんな」

鬼「謝らなきゃならないのはオレもだ」

サル「何でだよ?」

鬼「去年花粉症で辛かった時に色々と周りに助けられたことを今さっき思い出して、それがなかったらこの場でキミの事をきっと……だからごめんね」落ち込み

サル「気にするな、このティッシュ本当に助かるわ。大切に使わせてもらう。ありがとう。だから元気出せよな」

鬼「うん、花粉症で辛い時はお互いに助け合っていこう」

サル「ああ!」

ナレーター「不仲になるかもしれなかった鬼とサルでしたが、小さな優しさが未来を変えました。その後鬼とサルは仲良く学校生活を暮らしていくのでした。めでたしめでたし」

<おわり>

※この物語はフィクションです。


『あとがき』

世の中には誹謗中傷する人がいて、それで傷ついたことがある人は優しい言葉を選んで使うようになる(・ω・)

でも全員が同じようになる訳じゃないよね(/ω\)

逆に暴言を言われて心が傷付いたとしても、応戦や復讐をするために相手をけなしたり、あるいは別の誰かを傷つける人もいる(ノωノ)

登場キャラの鬼は後者のような復讐をするタイプだった( 一一)

でも小さな優しさを体験して、別の道を選択したよね(・ω・)

人は優しさを経験しても悪にも善にも染まるし、苦しみを体験しても悪にも善にも染まる((+_+))

きっとこの世界にいる人は些細な切っ掛けで、悪にも善にも染まる可能性を秘めている『悪』\(・o・)/『善』

人の心は単純で複雑だなとしばしば実感する(>_<)

単純と複雑を兼ね備えていることは一見矛盾しているように見えるけど、反する二つの性質を同時に抱えているのが人間をより人間らしくしているのだと思う(*^-^*)

矛盾こそ人が人であるための証の1つ、かなとちっぽけな人の頭脳で推測してみる(・ω・)/『矛盾』

この作品が面白いと思った方、気に入った方はぜひ購入してください!(^^)!

あとがきを含めて読了ありがとうございましたφ(.. )

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