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【SLAM DUNK GI】167話「澄んだ空と輝く星」

諸星大と素原空澄の二人の天体観測にはまだ続きがあった。

太陽だって昇って、沈んでを繰り返して光ってない時があるんだから、ずっと光り続けるなんて天文学的にも難しいのに、そうじゃなきゃいけないなんて勝手に思ってて、俺はバカだな(笑)」諸星


「光っていない時間も必要ってことじゃないかな?でもそれは輝くために必要な時間。」空澄

「今がその時間ってことなのかな?」諸星

「そうかもしれない。星は昼には輝かない。でも青空にあるの。輝くために必要なことがあるんだよね。」空澄


「練習も必要だ。仲間を信じること、頼りにすること、休養、食事、体調管理、睡眠、はは(笑)全然出来てねーじゃん。そりゃ輝かねえよな。」諸星


「それに曇り空じゃ綺麗じゃないよね。澄んだ空がより一層、星を輝かせられるのかな?」空澄



「だな。そしてもちろん光が淡ければ輝かねえ。それは大前提だぜ。」諸星

「うん。」空澄

「空澄、サンキューな。」諸星



空澄は、

「その澄んだ空は自分がなる」



と言うのは、まだ時期尚早だと息をのんだが、心の中で星が輝くための澄んだ空になろうと誓ったのだった。

「大ちゃん!また 会いに行くからね!」空澄


愛知での休養を終え、チームに合流するころには、二人の距離は縮まっていたことは言うまでもない。


トレーニングを再開した諸星だったが、このオーバーワーク症候群という症状は個人差もあるが、一筋縄ではいかなかった。オーバーリーチングを繰り返し、気が付けば3年目のシーズンは終了を迎えた。


諸星の契約期間は3年で自身は解雇を覚悟していた。

解雇されるくらいなら自分から申し出をしようという考えすら浮かんだ。


時間があえば、素原空澄と時間を過ごし、リフレッシュや親身になり諸星の声に耳を傾けた。

「契約は3年。今シーズンで終わりだ。更新できるかわからないし、そもそもプレーできるかわからない。」諸星

「大ちゃん、この写真見て。観光地の取材で撮ったんだ。大ちゃんはどういうところが好き?」空澄

「えっ 話、聞いてるのかよ。それどころじゃ、、、。」諸星


オーバーワーク症候群の防止策としてね、その他の好きを持つことなんだって。バスケは好きでしょ?大ちゃん、趣味は?」空澄

「趣味、、、って言われてもな、、ずっとバスケだったしな。」諸星

「私は、人だったり、人じゃなくても輝いているものを写真とることが好き。これなんてキレイでしょ?」空澄

「そうだな。海外か?」諸星

「うん。大ちゃん、オフ入るんでしょ? 旅行行かない?」空澄

「オフっていうか、、、。まぁそうだな。どうなるかわかんないけど。」諸星


二人は海外旅行に出かけた。観光地を訪問したり、写真を撮ったり、現地の食事を堪能したり、

そしてまた夜空を見上げていた。


「空、綺麗だな。」諸星

「星も輝いているね。」空澄

大ちゃん、バスケ以外の好きは見つかりそう?」空澄

そうだな。いろんな場所の澄んだ空と輝く星、見て、それを撮りてえかもな。」諸星

「いいじゃん! 一緒に撮ろうね。」空澄

「こうして輝いている星の裏には、無数の輝けない星、今かと太陽を浴びて夜を待つ星、曇り空で隠れている星、淡い光の星があるんだよな。」諸星

「言ったでしょ。輝くために必要な時間だったり、輝くためにはいろんなものが必要なの。一人じゃない。」空澄

「ああ、そうだな。空澄は輝くために何かやりたいことはあるのか?」諸星


「私は、星の輝きをより一層、引き立てる澄んだ空になりたい。」空澄



「!!?」諸星

「なれるかな?」空澄

「なれるさ。空澄ならな。」諸星


澄んだ空と輝く星、そんな瞬間を夢見て、二人の距離はよりいっそう縮まっていくのであった。


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